2015年12月2日水曜日

七都市物語 田中芳樹

ハヤカワ文庫JA、1999.3.10.2

 2088年、地球が「大転倒」(ビッグ。フォールダウン)によって新北極点が太平洋東北部に、新南極がアフリカ大陸とマダガスカル島を分かつモザンビーク海峡に移動した。こちらは地軸傾斜角自体は大きく変わってはいなくて、通常の四季が存在する。地殻変動によってジブラルタル海峡とベーリング海峡が閉じて、スエズ地峡とパナマ地峡が開き、チベット高原が標高2000m前後にまで沈降、100億人の人口が5000万人未満にまで減少。

 7つの都市、旧シベリアのアクイロニア、旧英国のニュー・キャメロット、旧チベット高原のクンロン、旧フィリピンのサンダラー、旧アフリカのタデメッカ、旧アンデス山脈のブエノス・ゾンデ、亜熱帯に位置することとなった旧南極大陸にあるプリンス・ハラルドが大転倒以降の地上を七分割して支配することとなった。

 月面に建設されたオリンポス・システムというレーザー砲と24個の無人軍事衛星と1万2000個の浮遊センサーによって、地上の人々は空を飛ぶ手段を奪われている。

(部内留保)

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