2015年12月3日木曜日

クラーケン チャイナ・ミエヴェル

ハヤカワ文庫、2013.7.25

 複雑系SF「ベルディード・ストリート・ステーション」の作者。社会人類学の学位と国際法の博士号を持っている。主人公はなんとロンドン自然史博物館のダーウィン・センターのキュレータ。キュレータが主人公というのは海洋SF初ではないだろうか。
 このダーウィン・センターには、2004年にフォークランド諸島沖合で捕獲され、「アーチー」と名付けられたダイオウイカが2006年から展示されている。主人公は修士論文が軟体動物についてであり、このダイオウイカを標本として保存する作業に携わっている。この作品はNHKによるダイオウイカ直接撮影(2012)の前(2010年)に
執筆されているが、本作品中に、窪寺らによる2004年の深海カメラ撮影についての言及がある。
 ここまで書くと、リアル系海洋SFかと想像してしまうが、本作品はカルトと魔法だらけのファンタジー。クラーケンを神と崇める教会を初めとして、さまざまな魔法使い/超能力者が登場するが、いずれも馴染みのないユニークなものばかり。
これもあらすじ紹介困難な作品。

(横浜研開架)

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