1978双葉社、1980角川文庫
怒りの大洋三部作の第一部。
世界の沿岸で遊泳者を魚群が襲う事件、魚群の異常な行動による漁船の転覆事故が続発する。貨物船<ぱしふいっく丸>、鉱石運搬船<テキサス・ローズ>が巨大な何物かに襲われ沈没し、キー・ウェスト沖の水深80mの海中研究基地<インナースペース1>が壊滅する。CONSE(新しい社会の敵に対処する機関)のシートピア研究所(根岸研究所)が調査に乗り出す。海上自衛隊の観測船<あかし>が日本海溝に異常な動きをするDSL(深海散乱層)を発見し、亜深海潜水調査艇(メゾスカーフ)<おおしお>による探索が始まる・・・。
なんと、あの懐かしい米国ジェネラル・エレクトリック社製(レイノルズ社製の間違い?)<アルミノート>(⇒アルミノートの記事参照)の改良版との設定。全長30m、乗員8名、最大水中速度5ノット、アルミニウム=モリブデン鋼、最大潜航深度7000m、48時間単独可能なバッテリー、生物探査用レーザー・ホログラフィ装置を装備。支援母船<瑞洋丸>に曳航される。
南西の孤島喜宝島では九州巨大企業のハヤマ観光が一大レジャーランドを建設しようとしていた。そこには17世紀末、盗賊キャプテン・キッドが隠した時価400億円の財宝が眠るという伝説があった。かつて優れた水中カメラマンで素潜りの日本記録を持ち、今はボクシングのスパークリングパートナーである室戸雄、射撃のプロ伊能竜介、乙丸建太郎、登山家の鬼島兵衛、漁師あがりの千吉良三郎といういずれも何か過去に背負うものを持つ5人の男たち。彼らは、正体不明の大金持ちでアマチュア考古学者でもある日高律と、その秘書の千田有愛によって集められた。
個人の海洋調査船<シーライオン>で喜宝島に向かう。目的は古代日本人の起源を明らかにするために鍾乳洞に眠る数千年前の人骨化石を発掘することだった。<シーライオン>の船首にはクストーの<カリプソ号>を真似た水中観察室がある。