2016年1月1日金曜日

失われたものの伝説 田中光二

1980角川文庫 1976年

 南西の孤島喜宝島では九州巨大企業のハヤマ観光が一大レジャーランドを建設しようとしていた。そこには17世紀末、盗賊キャプテン・キッドが隠した時価400億円の財宝が眠るという伝説があった。かつて優れた水中カメラマンで素潜りの日本記録を持ち、今はボクシングのスパークリングパートナーである室戸雄、射撃のプロ伊能竜介、乙丸建太郎、登山家の鬼島兵衛、漁師あがりの千吉良三郎といういずれも何か過去に背負うものを持つ5人の男たち。彼らは、正体不明の大金持ちでアマチュア考古学者でもある日高律と、その秘書の千田有愛によって集められた。

 個人の海洋調査船<シーライオン>で喜宝島に向かう。目的は古代日本人の起源を明らかにするために鍾乳洞に眠る数千年前の人骨化石を発掘することだった。<シーライオン>の船首にはクストーの<カリプソ号>を真似た水中観察室がある。

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