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2016年5月5日木曜日

CVAN65(エンタプライズ)日本海に死す 光瀬龍

1973年 「丸」誌昭和48年7月号

 濃霧に閉ざされた日本海。
 偶然発生したソ連長距離哨戒機の墜落を巡って錯綜する情報。
 先入観と情報の錯綜による混乱、突如として『エンタプライス』に加えられる攻撃。
 そして迎える恐るべき真相・・・。

 ちなみに,前半は各種報告書からの引用,後半は証言・著作からの引用と言う形を取っており,そのテンポとも相俟って作品世界に引き込まれて行きます。(by MOON○LIGHTさん)

2016年5月4日水曜日

海底の剣 ダンカン・カイル

1973年 ハヤカワ文庫NV

 グロムイコ外相の時代。サハリン沿海にあるソ連の実験場で係留鎖に海中生物がひどく付着して鎖がよじれる現象が発見された。類似した条件にあるカナダ、バンクーバー付近の海底に設置されたソ連のミサイル発射装置<剣>がこのままでは不安定になることが予想された。潜水艦で回収に行こうにも米国のソーサス・シーザー海中聴音網をかいくぐることは出来ない。折り悪くバンクーバーで平和・協調のための国際会議が開催される。この国際協調の流れを壊すことなく<剣>を撤去するため、非常に巧妙な方法が考案されるが・・・。

 潜水作業艇<タイイーII号>が登場する。全長20ft、幅10ft、高さ10ft、水中重量10トン、乗員2人(3人まで登場可能)、前部に直径 7ftの耐圧球(厚さ1インチの鋼板製、窓3つ)、後部にやや小さめのオイルタンクを持つ。グラスファイバー製のオレンジ色の外板、マニピュレータ2、潜航深度約3000ft、生命維持時間48時間、3馬力の双発モーターで水中速力5ノット、行動範囲20マイル。2つの通信装置、水中電話、距離・方位発信器を搭載。

2016年5月3日火曜日

モモ ミヒャエル・エンデ

原著1973、和訳1976、岩波少年文庫2005

 時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語。8つなのか12ぐらいなのか分からない少女が小さな円形劇場の廃墟に住み着く。その子は自分をモモと名づけている。近くの人たちが集まってきて相談し、廃墟の中に住む場所を作ってあげて、みんなで養っていくことにした。そのモモには不思議な才能があった。人の話を聞くことがとても上手だったのである・・・・。

〈その第三章「暴風雨ごっこと本物の夕立」より〉
 ファンタジー小説の、しかもごく一部なのですが,実に濃い海洋でSFな描写がありました。もしかすると、リストにあるものを見落としていたり、あるいは検討の上リストにあげられなかったものかもしれませんが、報告します。

 研究船「アルゴ号」は、南洋の「さまよえる大旋風」を調査し、安全を確保するために、特別にアラモント鋼の一枚板で作られた船である。

 乗組員は、勇気あるゴルドン船長、経験豊かなドン・メルー一等航海士、アイゼンシュタイン教授と,超記憶力を持った二人の助手マウリンとサラ。教授だけが理解するフーラ語を話す現地の娘モモザン。世界的にも名の通ったスポーツダイバーの女性三名(うち一人はザンドラ)。百人のカエル部隊を率いるフランコ隊長(通称イルカ)など。

 一行は、生物を異常成長させる海域で、直径20mものガラスの島、実は巨大なオバケクラゲ(ヒトクイオタフク・ビストロツィナリス、オオグライ・タペトツィフェラ又はオバケアシ・チューチューネンシスの一変種のいずれかは定かでなし)の危機を突破し、〈さまよえる大旋風〉に接近していく。

 落雷につぐ落雷! 荒れくるう風雨! 山なす大波と白くあわだつ水しぶき! アルゴ号は,エンジンというエンジンをフル回転させて、ついに到達した台風の目には,巨大な「シュム=シュム・グミラスティクム(通常は,トマトソースやみどり色のインクの中に見つかる微生物)」がいた。この巨大微生物が、台風を作り出していたのだ。

 一行は、苦難の末、巨大微生物を倒し、海に平安をもたらしたのだが、ただ一人教授だけは、この貴重な生物を失ったことを、残念に思うのだった。
 ・・・って、子どもたちが夕立の間に行ったゴッコ遊びなのですが、エンデ、ここまで作りこみますか!(by 細江ひろみさん)

2016年2月28日日曜日

深海征服

1973 ●実写 米=カナダFOX映画 

1975年沖縄海洋博覧会協賛作品。
「海底牧場の開発のために,深海での様々な実験を重ねていた<ラボ>が突然の海底地震で海溝に落下する。
生死も不明 な彼らを救助するために立ち上がったのは、最新鋭潜水艦<ネプチューン号>とそのクルーたちだっ!」
(by EARLY石川賢さん)

generalworks

2016年1月11日月曜日

深海征服 FOX

1973年,米=カナダ,FOX

1975年沖縄海洋博覧会協賛作品。「海底牧場の開発のために, 深海での様々な実験を重ねていた<ラボ>が突然の海底地震で海溝に落下する。生死も不明な彼らを救助するために立ち上がったのは,最新鋭潜水艦<ネプチューン号>とそのクルーたちだっ!」(by EARLY石川賢さん)
=>generalworks

2016年1月4日月曜日

日本沈没 小松左京

カッパ・ノベルズ(上下巻)、1973年、星雲賞受賞、東宝

1万mバチスカーフ<わだつみ>登場。

リニアモーターカー超特急、超音速ジェット機SSTの時代。
 ガソリンを浮力材とするバチスカーフ型深海潜水艇<わだつみ号>(母船:気象庁観測船「第三大東丸」1800トン)、仏深海潜水艇<ケルマディック>が登場。<わだつみ号>が小笠原海溝の水深7000~8000mの間に、3ノットの底層流、密度飛躍層による内部定常波、多量の重元素イオンを含む深部散乱層(DSL)、乱泥流(タービダイト)の発生を目撃する。次世代バチスカーフとしてリチウム!を浮力材とするもの(フランス・ベルギー共同開発のリチウム・マリン)を想定していたのがおもしろい。

2016年1月2日土曜日

メデューサとの出会い  アーサー C. クラーク

1973年S-Fマガジン9月号、短編集『太陽からの風』に収録

 クラゲ(メヂューサ)をモチーフにした作品。<クイーン・エリザベス四世号>(全長500m、上空5kmを180km/時で航行、直径100m以上の10個のガス球で浮揚。うち6個はヘリウム、4個は核融合動力炉の廃棄熱で膨張する空気、バラスト用水200トン)が試験航海中に墜落。遠隔操縦されている取材用TVカメラ飛行機が、衛星経由となって半秒のタイムラグが生じていることに気付かず、グランドキャニオンの乱気流に対して操縦不能となったのが原因。その時の船長ハワード・ファルコン大尉は瀕死の状態からサイボーグ化によって生還する。

 それから12年後、木星の有人探査が行われる。ガニメデからの中継では6秒のタイムラグが生じることから、ファルコン中佐がパイロットとなって<コンチキ号>(核融合炉で加熱する熱水素気球数千立方m、原子力ラムジェット)で探査する。ひれの端から端まで100mの巨大なマンタ・エイ、さしわたし5000kmもの”ポセイドンの車”(地球で海底地震の結果として生じる光る全長200~300ヤード車輪に似たもの)、さしわたし2kmのクラゲ(数百mの無数の触手)を発見する・・・。

(横浜研開架)

屍海峡 西村寿行

1974サンケイ出版、1976角川文庫

 小説家としてのデビュー作『瀬戸内殺人海流』は読み逃してるので、海洋としての瀬戸内海がどれだけ深く扱われているかはわかりませんが、『屍海峡』は、ミステリーとしても本格であると同時に、本格派の海洋「学」テーマの小説でもあります。
 ミステリーとしてのトリックとゆうか仕掛けのキモは二つ。
 一つは医療技術がからんだもの。

 そして、もう一つは、海産生命、この場合はタコの大量死の原因となった、ある現象。水産ならびに海洋生物学では常識の現象で、しかも、場所は、工業化による汚染がすすんだ瀬戸内海となれば専門家にはいわでもがなのことなのですが、あえて、ここでその現象の名をはっきりとは書かないのは、トリックそのものではなく、犯罪の立証にからむ証拠の発見に、この現象が深くからんでいるため。

 その、余りにも凄絶で美しい光景の印象から、ぼくはいつも、タイトルを、西村屋さんが紹介してる『蒼き海の伝説』と混同してしまいます・・・・・・って、あっ、ネタばらしもいいとこでありました。
 ウェブでチェックしてみたら、ミステリー好きの方が詳しいストーリーを紹介されてましたが、お気の毒に、専門知識がないため、上記二つの仕掛け、本当に成立するのだろうかと首をかしげてました。
 阿笠湖南さあん、ぜえんぶホントのことですからね。(by 永瀬唯さん)
=>書評(阿笠湖南さん)

 東京の安アパートで安高恭二36才が青酸で殺された。唯一ボトルに残された指紋から容疑者として秋宗修が逮捕された。安高の顔にはケロイドの跡があり、殺される前に頭痛と船酔い症状と視力障害、そしてある男を恐れる拘禁様症状に見舞われていた。そして秋宗には安高に鯔漁妨害と養殖ダコを全滅させられた恨みを持つと見られ、精神異常と診断された。

 解決したと思われた殺人事件だが、安高が殺されたアパートの無人の隣室には干からびた数匹のゴキブリの幼虫が。そして秋宗は公害省公害第4課の調査官(環境Gメン)松前真五の元を訪れ、「青い水」の分析を依頼しようとして姿を消していた。捜査本部の中岡知機刑事は精神異常の秋宗がボトルの指紋を除き全て拭き取っていたことに疑問を持ち、瀬戸内海の島に向かう・・・。

(横浜研開架)

2016年1月1日金曜日

極冠作戦 小松左京

徳間文庫「本邦東西朝縁起覚書」に収録 1973年

 月は人口30万人で自給自足している時代。地球では大気中二酸化炭素の増加等によって平均気温が7度近く上昇、平均湿度は20%も上昇。「地球の金星化現象(ヴィナサイゼーション)」によって150~200mもの海面上昇に見舞われる。21世紀半ばに140億人を超えた地球人口は七十数億人に。トウキョウ、オオサカ、ニューヨークなど世界に28ある海上都市。トウキョウ市は人口120万人、6千万トン、核融合型原子炉で約15ノットで航行可能。十勝に新日本市が建設中。地球の高温多湿化は環境の変化だけでなく人類の知的活動の低下をももたらしていた。

 極冠計画とは、使用停止されているのべ数万キロの原油輸送管を中緯度から南北両極まで巡らし、中緯度帯の空気を大量に吸い込んで炭酸ガスを分離し、高圧縮のうえ極地で放出してドライアイス化させる。洪積平野を快復して陸上植物の自然繁殖可能面積を増大させることによってさらに大気組成を変化させる。