2016年1月2日土曜日

メデューサとの出会い  アーサー C. クラーク

1973年S-Fマガジン9月号、短編集『太陽からの風』に収録

 クラゲ(メヂューサ)をモチーフにした作品。<クイーン・エリザベス四世号>(全長500m、上空5kmを180km/時で航行、直径100m以上の10個のガス球で浮揚。うち6個はヘリウム、4個は核融合動力炉の廃棄熱で膨張する空気、バラスト用水200トン)が試験航海中に墜落。遠隔操縦されている取材用TVカメラ飛行機が、衛星経由となって半秒のタイムラグが生じていることに気付かず、グランドキャニオンの乱気流に対して操縦不能となったのが原因。その時の船長ハワード・ファルコン大尉は瀕死の状態からサイボーグ化によって生還する。

 それから12年後、木星の有人探査が行われる。ガニメデからの中継では6秒のタイムラグが生じることから、ファルコン中佐がパイロットとなって<コンチキ号>(核融合炉で加熱する熱水素気球数千立方m、原子力ラムジェット)で探査する。ひれの端から端まで100mの巨大なマンタ・エイ、さしわたし5000kmもの”ポセイドンの車”(地球で海底地震の結果として生じる光る全長200~300ヤード車輪に似たもの)、さしわたし2kmのクラゲ(数百mの無数の触手)を発見する・・・。

(横浜研開架)

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