ラベル 津波 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 津波 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年9月16日水曜日

ザ・ウェイブ/ザ・クエイク

ノルウェー映画

〇ザ・ウェイブ/THE WAVE:2015公開

公式サイト:http://www.interfilm.co.jp/thewave/

ノルウェーのガイランゲル・フィヨルド(オスロ中心部から310km)が舞台。大規模な岩山崩落による巨大津波。

世界遺産になっているノルウェーのガイランゲルフィヨルドは氷河の侵食でできた急崖の崩落による山津波が1905年と1936年に起こっている。米アラスカ州のリツヤ湾でも同様の原因による山津波が繰り返されている。


〇ザ・クエイク/THE QUAKE:2018公開

公式サイト:http://www.interfilm.co.jp/thequake/

1904年にオスロでM5.4の地震が襲っている。

ガイランゲルでの岩山崩落で80mの津波が発生、248人がなくなってから3年後。

地質学者のクリスチャン・エイキョードは家族と大勢の命を救ったが、もっとたくさんの命が救えたはずという自責の念から、家族関係が壊れ、家族はオスロ中心部から1.2kmのガムレビェンに移り住み、クリスチャンだけがガイランゲルに残り、死者への想いに囚われていた。

オスロ中心部から29kmのオスロフィヨルドトンネルでは落盤事故が繰り返されていた。オスロ中心部にあるノースター社の地質学者コンラッド・リンドブロムは、オスロ地溝での地震が2017年に増加していることからトンネル内を調査している最中に落盤事故で死亡。その前にクリスチャンに研究資料の一部を送っていた。

クリスチャンはオスロ中心部から7kmのローアにあるコンラッドの家を訪れ、娘のマリットに会う。

ノースター社のロバーク氏は、コンラッドのデータについて工事のための爆破によるものとして地震の増加を否定し、

2018年11月19日月曜日

遥かなる円環都市 マイケル・C・グラムリー

原著2013、竹書房文庫2017.12.21

マイアミ市立水族館でイルカのダークとサリーとのAIを用いた会話研究に大きな進展が見られた。

幅が25km以上あるリング。円周がおよそ75km。時速1500kmで回転している。
異星人が作ったワームホールのための施設という仮説が提案された。
一方、イルカたちはそれを町と言った。

2016年5月5日木曜日

地底怪生物マントラ 福島正実

1975年 朝日ソノラマ

 鳥島南方で漁船団が無人で発見され、各国の最新鋭艦が一瞬で海の藻屑と化し、津波が都市を襲う。地底で進化した超高密度生物マントラの仕業だった。
by 少年少女海洋冒険物語(sayalautさん)

2016年5月3日火曜日

マラコット深海 アーサー・コナン・ドイル

1923年 漫画版:1978,桑田二郎,主婦の友社

 「シャーロック・ホームズ」シリーズのコナン・ドイルが「失われた世界」など4冊のSFを書いており,その一つ。

 マラコット博士らが海洋調査船<ストラッドフォード>から吊した鉄製の箱で大西洋の海底の噴火山の上、水深540mを探検中、巨大なザリガニ状生物マラックスにケーブルを切られ、8113mの海底に落下。8000年前に沈んだアトランティス大陸の末裔たちに出会う(水棲人ではなさそうだ)。

 アトランティス大陸の沖合いで海底火山が大噴火し、その巨大津波に襲われた後、大陸が徐々に海溝の方へ滑り落ちていったが、水密の避難所に逃れた数十人が生き延びたもの。ある深さ以上は圧力を打ち消す作用が働き、分厚く堆積した有機物の分解に伴う燐光で明るいという設定。

 ひどく妙な格好の「ブランケット・フィッシュ」、半有機体、半気体性で知性のある「プラクサ」、海なめくじ属で電波で相手を殺す「クリックスコック」、ピラニアのような「ハイドロプス黒小鱒」、長さ60m以上の海蛇、半エーカーほどの大きさの大ヒラメ、深海の竜巻などが登場。マリン・スノーなど深海底の描写が驚くほどリアル。海底で測深錘の落下を目撃する視点がおもしろい。

2016年4月30日土曜日

メルトダウン 北半球水没! マックス・マーロウ

1991年 創元ノヴェルズ1995

 北大西洋の中央海嶺での大噴火によって大津波、大量の火山灰が北半球の文明社会を襲う。寒冷化ではなくアッシュ・クラウドが温室効果として作用する設定になっており、海氷や永久凍土の融解による海面上昇、アッシュ・クラウドが消えた後の荒天により翻弄される社会を描いている。

下巻のみ保有

2016年4月28日木曜日

海神記 諸星大二郎

光文社2007年

 西暦4世紀の後半。邪馬台国はすでになく、小国が分立し、大和朝廷が姿を現し始める前、朝鮮半島に百済、新羅、高句麗が出現した頃。

 南九州で津波などの天災が頻発する。小舟で漁に出ていた磯良たち4人の若者は海底火山の爆発による津波で村を失う。そこで謎の少年(海童、ミケツ)に出会う。磯良たちは水道を抜けた隣の村で赤女に出会う。どこからかミケツが現れ、動かなかった海底の石神が引き上がり、魚群が押し寄せるが、大津波が襲い、赤女の村は壊滅。磯良たちはさらに岬を越えて内海(不知火の海=有明海)に入る。そこには漁師の後家オオタラシが巫女となっていた。そこに三たびミケツが出現。そこに隼人族が襲う。

 この戦いの最中、浜子は隼人族の仲間になり、不知火の海を北上し、佐嘉の川を遡る、そこには世田姫を崇める。

 一方、磯良は遥か西方のみみらくの浜(五島列島)に流れ着き、クズナと鮎女に助けられる。3人は末羅、伊都とミケツらを追う。伊都にたどり着いたミケツらは、伊都の王、五十迹手(いとで)から雷の山にいる日矛の女神に誓約するよう言われる。そこで巫女に雷が落ち、天の逆矛をオオタラシに授ける。 末羅には百済の将軍、木羅斤資(もくらこんし)が。伊都の海人らを再び隼人族が襲う。そこに七枝刀を持つミケツと百済将軍を乗せた息長(おさなが)の大船が。 ミケツらは奴の津へ 岡の国の巫女ツブラ媛を打ち破り、いよいよ穴門へ。浜子は速鞆の瀬戸を無事に通過して潮満珠の島に流れ着き、そこで豊玉のトモに出会う。 磯良は巨大なハンマーヘッドシャーク、サイモチの神、潮満珠と潮干珠を狙う隼人族。

 穴門の大男、武振熊は、ミケツに大船を建造して献上する。

まんがサイエンスVI 力学の悪戯 あさりよしとお

NORA COMICS 1998年

 「津波パワーの正体は?」人魚姫のアラリエルが波の原理、津波と波の違い(同程度の高さでも量が桁外れに多いなど)、津波の原因などを解説する。津波の速さって水深4000mで時速700km以上もするんですね。

 「より速く、より多く」水中翼船、ホバークラフト、テクノスーパーライナーTSL:飛翔(SES型)と疾風(半没水・揚力複合型)、水面効果翼機(WISE/WIG)など、速力と積載能力の相反する関係を解説。水面効果翼艇のロシア実験艇「カスピ海の怪物KM」(全長100m、重量550トン)、ドイツのFLAIRBOATなどが登場。特別付録に表面効果翼艇「ラム」の紙工作が付いている。


6巻と14巻をJAMSTEC横浜研に寄贈済み。

2016年4月25日月曜日

世界大洪水 フェリックス・E・フェイスト監督

KBS製作、米映画1933

 ニューヨークが有史以来の大地震、大津波に襲われ、人類が絶滅する。山岳にいて奇跡的に助かった数人の男女の生活が始まる・・・。




=>generalworks

未来少年コナン アレグザンダー・ケイ 宮崎駿 

1978、NHKアニメ、2008、30周年記念DVDBOX

 宮崎駿が最初に製作を総指揮した作品。キャラクターの顔が雑なことを除けば、宮崎作品の魅力がすべて現出しており、その後の作品と比べても全26話という唯一の長編であり、最高傑作と言ってよい。

アレクサンダー・ケイ「残された人々」 
http://chikyu-to-umi.com/cgi/diary/archives/968.html
を原作とするが、ほぼオリジナルといってよい。

 2008年、世界の半分を支配する<平和同盟>は、防御スクリーンに対抗できる磁力兵器を使用。これによって地軸が狂い、大地震と大津波が頻発し大陸の大部分が沈む<大異変>が起きてしまう。

 その20年後、宇宙に脱出しようとして「のこされ島」に不時着した宇宙船の10人の男女のうち、わずかに宇宙船船長だった"おじい"と乗組員の間に生まれた少年コナンだけが生き残っていた。
 その島にアジサシのテキィと心が通じる少女ラナが漂着する。ラナの祖父は太陽エネルギーの秘密を知る唯一の生き残りであるブライアック=ラウ博士。インダストリアの貿易局長ダイス船長はバラクーダ号でハイハイバーにやってきて博士を捜索するが見つけられず、代わりに孫のラナを誘拐したのだった。

 ラナはコナンと心を通じ合わせたのもつかの間、インダストリアの行政局次長モンスリーらを乗せた飛行艇ファルコがやってきてラナを連れ去る。モンスリーたちを追い返そうとして負傷したオジイはコナンに「島を出て仲間を作れ」という言葉を残して死る。悲嘆から立ち上がったコナンはイカダを作って島から旅立ち、「暴れ海」を越えて到着したプラスチップ島でたくましい少年ジムシーと初めての仲間になる。

 そのプラスチップ島に、バラクーダ号がプラスチックの採掘に立ち寄る。コナンらはバラクーダ号に忍び込み、ついにインダストリアに到着する。その太陽塔では太陽エネルギーの復活による世界支配をもくろむレプカ局長がラナを捕らえていた・・・。

 ラナとコナンの関係のみならず、ダイス船長とモンスリー次長の関係も見逃せない。「バカね」のセリフのニュアンスが次第に変わっていくところを最終話まで注目!

=>未来少年コナン(Thouthern Islandより)
=>未来少年コナン(Okkunさんのサイトより)

2016年1月5日火曜日

海が消えた時 チャールズ・エリック・メイン

"The Tide Went Out"、1958年、ハヤカワ・SF・シリーズ 1970年

 6月7日、米英両政府により暗号名<クルミ割り器作戦>が行われた。南太平洋カルーイキ群島海域で3発の水爆が爆発。その一つは海中4マイルで爆発。それによって爆発地点の南西にあった小さな島の多くが海中に没し、北東の海域ではいくつかの新しい島が出現した。その後、世界のほとんどの大陸で異常降雨が発生。太平洋と極東では周期的な地震、津波が襲い、記録にない強大な海流、海抜の低下なども観測される。やがて次第に海岸線が遠のきはじめ、まず海運が打撃を受ける。さらに降水が減り始める。密かに大量の氷が存在する北極と南極に居住施設が建設され、一部の選ばれた人々が移住を始める一方、大多数の人々は・・・。

 地球が冷却し収縮することによって地殻の下に多数の空隙が存在し、そこに核実験による割れ目を通じて海水が流入。高温の空隙に冷たい海水が流入する衝撃で、次々と亀裂が広がり、海水が流入していくとの想定。

2016年1月3日日曜日

東京湾岸大津波 生田直親

徳間文庫 1992年

 気象庁地震課の長老的人物が主人公。チリで微小地震が起きたが津波の恐れは無視される。実は、いわゆるヌルヌル地震であって、大津波がハワイ、東京湾岸を襲う・・・。

(横浜研開架)

TUNAMI(津波) 高嶋哲夫

集英社 2005年

 「M8」の続編で、「2004年の暮れに発生したスマトラ沖地震を契機として書かれたと思われる作品。
 1万5000余人が亡くなった平成大震災の6年後。主人公は、前作で東京直下型地震を予測した瀬戸口の後輩の黒田慎介。東海電力の大浜原発(御前崎西方にある浜岡原発がモデルと思われる)がある大浜市役所防災課の職員。地震・津波ハザードマップを作成し、また分散型防災情報ネットワークを草の根で開発している。

 2011年8月上旬、東海地方で三箇所の観測点でプレスリップが観測され、東海地震予知情報が発令され、召集された閣議で警戒宣言が出された。その2日後にM6.8が発生し、警戒宣言が解除された翌日、志摩半島沖でM7.8の地震が発生。竣工したばかりの超高層ビルオーシャンビューが倒壊した。しかし瀬戸口らはいずれも予測できず、無力感に襲われる。

 黒田は2つの地震ののちもかなりのエネルギーが残っていること、もし三つの地震が同時に起こると津波の共鳴する可能性があることに気付き、瀬戸口らに改良された「地球シミュレータ」(実効性能48.58 TFlops)によるシミュレーションを行うことを求める。その計算結果は・・・・。

2016年1月1日金曜日

日本沈没 一色登希彦&小松左京

週刊ビッグコミックスピリッツ連載、BIG SPIRITS COMICS、全15巻完結 2009年

1.地下の竜巻
セミが鳴く11月:海底開発(株)深海潜水艇パイロット小野寺俊夫(デラさん)と結城慎司は新宿の居酒屋「雑種天国」(クロス ブリード パーク)で東京消防庁ハイパーレスキュー阿部玲子、田所雄介博士に出会い、そこで雑居ビルの沈没という異変に遭遇する。

12月:伊豆地方にM6.5の地震、天城山が噴火。廣田五月 官房長官、緒方茂弘 総理、邦枝康雄 総理秘書官、幸長伸彦 M大助教授、山城T大名誉教授、渡老人
「わだつみ9000」の整備中の絵

2.日本海溝
 A新聞の辰野竜一、母船ヌーデブランク、わだつみ9000はしんかい6500の最新高性能型。全長9.5m、全幅2.7m、空中重量26.7トン、H社製感応フィードバック型次世代タイプ極環境マニピュレータ
 深海底行動支援システム”レモラ”(REMOvable Research Assist、コバンザメ)を実験的に搭載。多数のTVカメラと車輪付きREMORA 1(タガメ号)、レフ板付き照明(あるいはLED照明パネル?)で遠隔照明を担当するREMORA 2/Rと2/L(ゲンゴロウ号)の3台から構成され、360度の視野をもたらす。
1万mまで3時間弱。なぜか9580mからさらに数十m潜航。マネキンの首。日本海溝の底は大量の重金属イオンによる密度躍層にしてDSL(深部散乱層)、1万500m以上

3.D計画
 1月1日:伊豆大島の三原山が大噴火。相模湾を襲った津波で死者・行方不明者21万3000人。「相模湾地震大津波」。
 中田一成(心理学/情報科学)。中・長期災害対策委員会A室(気象・地学)、B室(経済対策)、C室(立法準備)、D室/D計画

4.古都消失
 1月11日:京都大地震M8

5.推論、帰結ス。
 一万m級深海潜水艇”ケルマディック”:弱電流で作動する振動素子で推進。居住区を回転可動式にすることによって、潜航速度毎分300m。1万mまで40分足らず。全長9.7m、全幅2.7m、空中重量12.9トン、深海底行動支援システム”レモラ2”及び”レモラ3”を搭載。母船はホバークラフトLCAC改から工作艦「よしの」

「よしの」:”地球シミュレータシステムII”(TSSII、地球シミュレータより実効性能で千数百%上回る。ピーク性能 500テラフロップス以上、記憶容量200テラバイト、ノード間転送速度205ギガバイト以上)を搭載。マントル錘(コーン)モデル。日本列島を載せた錘が回転しながら相転移で痩せた分だけ沈む。
”わだつみ9000”:海底開発株式会社所属。母船ヌーデブランク号(うみうし)
元旦:相模湾地震津波(死者20数万人)、1月11日:京都大地震(概算死者50万人)
1日に50基のロボットセンサーを設置。1日に4~5回の潜航、ショットバラスト、バイザー、342日目で沈没

6.記憶喪失の国、記憶喪失の首都(2007.5.2)
 今回は京都大震災のあと、いよいよ第2次関東大震災が描かれる。
 まず、
日本人は過去の災害をどうしてほどよく忘れてしまうのか?
関東大震災で14万2千人が死んだ場所に、どうしてこんな大都市を作り上げるのか?
どうして今度は想定死者1万1千人で済むなどと言えるのか?(政府の中央防災会議の予測数)
という問い掛けから始まる。

乗車率数百%の列車(3千人以上が乗車)が1千本単位で走り回り、数百万台の自動車が走り回り、200トンもの重量の飛行機が分刻みで離発着し、揺れが増幅する高層ビルの建ち並ぶ首都圏で何が起こりうるかを問う。
途中はちょっと書けない。
終盤、過去の悲劇を忘れまいとしてきた人々による救援活動が描かれている。内容は、
・現地に乗り込んで活動する「前線組」に加えて、後方に留まって情報・人・物資の発信地・中継地となる「後方支援組」という参加方法がある。
・携帯・無線LANの無料開放によるインターネットを活用し、かつ、SNSなど半開放型システムと連携して支援する個人間の案内を可能としている。
・支援ウェブサイトが微に入り細に入り階層化されたマニュアルによって、賛同者がほとんどのケースに対応できる「安心」が得られるようになっている。

7.安部玲子

8.冥府、火の国
 緒方茂弘総理は5時間後の阿蘇噴火と一年以内の日本沈没を国民に通告し、熊本城に籠城する。

9.日本沈没阻止計画
 山城は核爆弾を使用する「日本沈没阻止計画」(A計画)を提案する。沈みゆくマントル錐(コーン)同士の接点に、海底地殻掘削船で発破をかけるというもの。爆発の衝撃でスマトラ級の数倍の津波が環太平洋地域を襲う。
 中田らは「A計画解体」作戦として、世界海洋財団《W・O・F》総裁ケヴィン・ゴドレイの出資のもと、スフェロマック型プラズマ核融合炉(庵野秀明がデザイン)を動力源し、カーボンナノチューブを構造材とする渦流生成加速装置VGAによる渦流爆縮で津波の位相中和を行う。 
 山城らのA計画に従事していた結城慎司は、真実を知って「A計画解体」作戦に加わり・・・。

10. 奇跡の価値・奇跡の代償

11.すばらしい日々
 7月、予測された完全沈没まであと6カ月。富士山が噴火し、フォッサマグナ大崩落しようとする中で、国外退避計画「D-2」が進められる。郷六郎が代表となる「D計画民間機関」に列島各地で海外脱出を待つ人たちのキャンプを運営する。

12.彼らの日々
 国土の27%が水没。

13.やまぬ雨の中で
 国連の日本救済特別委員会は日本人を受け入れる条件として、財産没収、使用言語の指定、生命の決定、居住地の決定と移動の制限は受け入れ国の権限とすることを通告。その受託を決する権限を持つ日本の代表として「D計画」民間組織の郷六郎代表を指名する。

14.沈み行く国
 緒方総理、富士山噴火の噴石により死亡、廣田五月が総理代行に。
 停滞する巨大台風のもと沈鬱な気持ちで日本を去ろうとする国民に、天皇が「晴れ晴れとした心のもちよう」で旅立つようことの言葉を伝える。

15.日本沈没
 中央構造線の崩壊、東南海複合大地震の発生により200万人が死亡。小野寺は記憶を取り戻して失踪し、安部玲子が「D計画」民間会社の3代目代表となる。
 小野寺は八丈島でマコの死を看取り、筑波で片岡らを救出し、かつて新宿と呼ばれた場所で結城の子を宿す結城まなみとナベさんを救出し、渡老人に頼まれて花枝を救出し、そこで玲子と結婚式をあげ、日本列島最後の生存者ニホンオオカミを救出して・・・。

=>一色登志彦公式サイト

(横浜研開架)

2015年12月21日月曜日

ロマノフの幻を追え クライブ・カッスラー

新潮文庫 2002年

 オースチンとザバーラのシリーズ第3作。海洋考古学ミッションにチャーターされた原子力潜水調査船<NR-1>がシージャンクされた。NUMA調査船<アルゴ>と姉妹船の<シー・ハンター>、アタマンの豪華ヨット<カザチェストヴォ>、石油掘削リグ<アタマン・エキスプローラー一世>が登場。
 なんとメタン・ハイドレートにミサイルを撃ち込んで米国を津波で襲うという企みが・・・・。

(横浜研開架)

2015年12月14日月曜日

気象精霊記4:海底火山とラッコ温泉 清水文化

富士見ファンタジア文庫 2001年

 小天体が落下し超巨大津波が発生し、膨大な塵が成層圏に吹き上げられる。津波を火山・地震の津波で打ち消そうとし、また強力な台風に伴う高層低気圧で水蒸気を成層圏に送り込み、塵を凝結核として水の粒を成長させ、成層圏の塵を除去する・・・という模擬訓練が精霊気象局のシミュレータで実施される。

 温泉列島(千島列島のこと)で予定外の地震の発生。それに触発されて、シャシコタン島とマツワ島の間に横たわる海底火山群-ムチタン岩礁で地球を一気に氷河期に突入させるほどの巨大な海底火山が噴火する危険が出てきた。

ミリィとセーラはウルップ島沖の海溝で沈み込む玄武岩海山を打ち砕いて境界面を流動化しサイレント・アースクエイク(無鳴動大地震/無口なまず)を起こして歪みを解消する。ところが予期せぬパラムシル島南東沖でM6.7の地震が発生。それによってムチタン岩礁の海底火山がついに噴火してしまう。

爆発的な噴火による火山灰で地球が寒冷化しないよう、対流圏の火山灰を雨で洗い流すために低気圧を発達させるが、噴火口の真上に大規模な高層低気圧が発生してしまい、大量の噴煙が成層圏に舞い上がってしまう。実は氷河期を起こすことを計画する気候変動誘発局の策略だった。火山灰が自然降灰するのを待っていると暴走冷却を引き起こして氷河期に突入する恐れが・・・。

1815年:スンバワ島のタンボラ火山
1883年:スンダ海峡にある火山島クラカトア
1991年:ピナトゥボ大噴

(横浜研開架)

2015年12月7日月曜日

揺籃の星/黎明の星 ジェームズ P. ホーガン

原著2003、創元SF文庫 2008、上下巻

「揺籃の星」の続編。
21世紀後半、地球では軍事的脅威は、局地的なゲリラ活動や世界国家の創設へとむかう流れへの抵抗を除き現実味を失い、金融機関は地球近くの確実な利益を優先しリスクの大きな遠隔地への投資を敬遠して宇宙開発は停滞した。一方、土星の衛星上ではクロニア人が先進的な植民地を築き、貨幣によらない独自のシステムによって暮していた。
木星から白熱した原始惑星アテナ、ほぼ地球サイズの白熱する蒸気とマグマの球体が飛び出し、その全長4千5百万キロメートルの尾が地球を飲み込む。地球は回転軸が変動し、高さ数kmの津波にすべての文明が飲み込まれ、数百万年かかる地殻変動が数時間から数日で再現され、より離心率の大きい軌道に移行してしまう・・・。

登場人物
・<strong>ランデン(ラン)・キーン</strong>:地球脱出者。プラズマ推進の専門家。タイタンのエッセン(核融合駆動式資源採取・加工複合施設)のテスラ原子力・電気研究センターで高度エネルギー技術の開発に携わっている。宇宙船原子力工学とMHD発電を結びつける研究チームのリーダー。
<strong>・ヴィッキー・デルーシー</strong>:地球脱出者。ディオネにいるキーンの女性の友人。18歳の息子ロビンがいる。脱出時にキーンが命を掛けて救い出した。元ハーヴァード大放射線物理学者。原子力推進技術のコンサルタント会社をキーンと共同設立。小柄でしなやかな肉体。そばかすのある骨ばった顔、明るい茶色の縮れた髪。
・<strong>シェイル・ハーツ</strong>:クロニア人の女性、長身、体格はがっしり、胸も豊か。肩まで伸びるゆったり編まれた赤毛。核融合が専門。キーンの副官
・ジェブセン:LORIN5号の火器管制官。クロニア生まれの長身。
・ブライド:新米の生命維持技術者
・マイエル:クロニア娘。コック・栄養士・薬剤師・医療助手。3歳の息子カーレンがいる。夫オーバート。
・デルマー・ケイトン:オムスクの建設工事現場で地上作業の監督
・ターニャ:女性オペレータ。3年前に土星にたどりついた地球脱出者。岩石の専門家。ノイローゼ気味
・イーシュ:きわめて聡明な若者
・<strong>バング=ヤーバット</strong>:キーンが所属するより大規模な人工重力プロジェクトのリーダー。東アジア出身。若い頃にクロニアに移住。銀縁眼鏡を掛けている。
・<strong>ジャンシニック(ジャン)
・ウェルンスティッキ</strong>:バングのメンバー。ひょろりと背の高い白人。30代半ば。天体電気力学のトップレベルの理論家。アテナが引き起こした電気的擾乱と重力の相互作用を研究。
・ナイカ:キーンのメンバー
・ゴードン:キーンのメンバー
・クァン:キーンのメンバー
・マリエル:キーンのメンバー
・レイド・オルネ:バングのメンバー
・マーリン・フリット:バングのメンバー
・<strong>レオ・カヴァン</strong>:60代。キーンの友人。元空軍
・アリシア:30代後半。カヴァンのガールフレンド。ポーランド人。ブロンド、スタイル抜群、どっきりとするような美しさ。医療の専門家。
・ハーヴェイ・ミッチェル(ミッチ):カヴァンの知人の元特殊部隊の隊長
・<strong>エミール・ファージン</strong>:丸々と太って頭のはげかかった元イラン人。
・<strong>セリーナ</strong>:クロニア生まれの女性惑星科学者。肩までの黒髪に暗褐色の肌。
・デイミアン:セリーナの助手、スーリア号内でのグループのリーダー
・マイア・フィーアン:
・<strong>チャーリー・フー</strong>:元ジェット推進研究所のプロジェクト・マネージャー。50代のアジア系
・アイメル:店員
・<strong>ゼン・アージン</strong>:クロニアを統治するリーダー議会"トライアド"の議長
・<strong>ジョン・フォイ</strong>:宇宙オペレーション理事会SOEの代表
・マイラー・ヴォース:50代、クロニア人にしてはずんぐりした体。SOE技術・開発部長
・エイドリア・ラーリエ:クロニア女性。ヴォースの副官
・ドリル:SOEのスタッフ
・マルナ:SOEのスタッフ
・スーリマン・ベッソン:
・<strong>ガリアン</strong>:クロニアの地球派遣団代表
・イドーフ:宇宙船オシリス号船長
・<strong>ピエター・ナーメーヘン</strong>:南アフリカのダーバン市で生物教師
・ケリー・ヒーランド:クロニア人。アースキンの親友。探査機の整備員
・<strong>オーウェン・アースキン</strong>:整備員。ニュージャージー出身、ネットワーク関係の仕事に従事していた。
・アイダ:地球生まれのクロニア人女性
・ドルー:元トルコの庭師
・チュニック
・ルージス:クロニア人の分子生物学者。アステカ号の上級科学者
・マーリン・フリット
・クロード・ヴァルクロア
・アイヴァー:保安国の輸送機関の整備技術者
・マリア・サンチェス:派遣団の医師
・ベス:カリフォルニア大アーヴィン校の精神疾患の専門家
・リムリ
・イサーン
・リース司令:アステカ号船長
---------------------
・<strong>クロード・ヴァルクロア将軍</strong>:地球脱出者。元仏国防省
・ルートヴィヒ・グラース"アクロバット":地球脱出者。オーストラリア政府の金融関係の役人。小柄で獅子鼻。
・<strong>クルト・ジーグラー</strong>:34歳。地球脱出者。ヴァルクロア将軍の内部連絡役。派遣団の副長
・ケムル:長身で髪はブロンドの若いクロニア人。保安局で鍛えられた肉体。ハンサムだが傲慢な感じの顔立ち。
・ジョルフ少尉:保安局。ジャワ島出身
・レイシャ:アジア系の女性。生存者との通訳。スタイルがよく、ちょっとキュートな顔と挑発的な目つき
・ランサーム、グラルス
・ジョン・ウォルシュ:トロイア号の船長。元米陸軍准将。地球脱出者。
・バート・ニーロム大佐:トロイア号の保安局派遣部隊の指揮官
・<strong>ロビン・デルーシー</strong>:ニーロムの部下の新人少尉。ヴィッキーの息子。地球脱出者
----------------------
・<strong>ラッキ</strong>:地球の生き残り。ジェンモの部下
・ミスタメグ(メグズ):洞窟人の長
・〈黄髪〉:ミスタメグの女。ピンク色の顔
・ボー:長に次ぐ。ピンク色の顔
・〈傷腕〉:ボーの副長
・〈火守〉、〈豚女〉、〈金切り声〉:洞窟人
・マヌカ、〈魚〉:洞窟人
・〈殻目〉:カリーナ、〈黄髪〉の娘、のちにラッキの妻
・〈白頭〉:ヨーブ。旧世界人→ラッキの仲間
・シングラル:洞窟人→ラッキの忠実な部下
・〈歯抜け〉:洞窟人。名前はエンカ。→ラッキの忠実な部下。ヒョンカ(アジア系)を妻とする。
・シムズ:旧世界人/洞窟人→ラッキの仲間
・ワカベ:旧世界人/洞窟人→ラッキの仲間
・ジェンモ:沼地人の長
・アリン、ドリク:ジェンモの部下
・ゾム:沼地人。ジェンモの部下。ラッキを裏切る。
・イヤラ:沼地人。ジェンモの部下。
・ウーバン:沼地人→ラッキの忠実な部下。エングレッシを妻とする。
・ネオット:沼地人→ラッキの仲間

(横浜研開架、「黎明の星」下巻は部内留保?)

2015年12月5日土曜日

水底の記憶 早坂千尋

短編。ジャンク・ヤード3町目07番地Progressive#5 同人誌 2005年

 2017年、南氷洋に小天体が落下。南極大陸の半分が融解するとともに、巨大津波で南米の先端、ニュージーランド、無数の島々が消滅し、環太平洋、大西洋の海岸線が甚大な被害を受ける。
 さらに落下地点の海底で無数のハイドレートが噴出して温暖化により海面が上昇。それに加えて地殻の破壊による群発地震も発生。世界規模の食糧難が起り、唯一の超大国が自滅し、世界の物流の大半が停止する。
 その10年後。調査母船『ビシュニアック』の面々は大気圧潜水服(ハードスーツ)”グスタフ”で過去の遺物や情報を回収するサルベージャー。水深330mの海底に沈んだ街の調査を依頼される。

・伊那崎瑞穂:ヒロイン、実務に就いて二年目のダイバー。肩まである長い黒髪、眼鏡。
・志賀哲也:調査母船『ビシュニアック』のダイバー。180センチ近い長身。2年前に八丈島沖で学校の潜水艇が水深220mで浸水が始まった時、ヘリオックス(ヘリウム酸素混合ガス)を使ったテクニカルダイブで救助した実績あり。
・千乃(ゆきの)、奈子(なこ):ビシュニアックに配属されたスイマー。瑞穂と同期。
・クリス:潜水医学専門の船医。十代で医学博士号を取った天才。
・ジェフ
・武藤:白髪混じり

残された人びと/The Incredible Tide アレグザンダー・ケイ

原著1970、岩崎書店、角川文庫、復刊ドットコム2012.12.20
http://www.amazon.co.jp/dp/4835449053

アニメ「未来少年コナン」の原作、絶版だったのが2012年に復刊されていました。
 敵国の上空の防護スクリーンを打ち破るために磁力兵器を使用し、それによって地軸に狂いを起こしたという設定。アニメ版では配役が微妙に違っていて、ストーリーもかなり膨らんでいます。アニメ版のモンスリーが原作では元腕利きの外科医で、大異変で息子を亡くした過去を持つドクター・マンスキーとして登場しています。
 アニメ原作のシンプルさがかえって印象的に感じられます。

 〈平和同盟〉が磁力兵器を使用したために地軸が変化し、大異変を引き起こし、大地震と大津波に襲われた地球。
 オルメの息子のコナンは、12歳の誕生日、避難ヘリコプターが墜落してたった一人で孤島にたどり着き、ラナが使わしたアジサシのティキィとほかの鳥たちと暮らしている。
 それから5年後、”新社会”が支配するインダストリアのパトロール船がコナンの島にやってきた。進歩した技術を知っていて何年も失踪しているブライアック・ローが生きているといううわさを聞きつけて探しにきたのだ。上陸したドクター・マンスキーらはコナンをインダストリアに連行する。
 ブライアックの孫、ラナはハイハーバーでおばのメイザルと暮らしていた。

ドクター・マンスキー:やせぎすでいかつい顔の女医。西方人に息子を殺された。
船長:幅広いひげ
ダイス貿易長官:ハイハーバーの長官。ヒキガエル。黒いひげ
シャン:メイザルの夫で医者。
労働長官:赤いひげ
レプコ:ぶくぶく太った男
パッチ老人:白髪でやせこけた老人。実は・・・。

(横浜研開架)

2015年12月4日金曜日

バブルダイバー 茶林小一

http://www.pure.ne.jp/~bashauma/bd_index.html
 XXXX年、極地点より打ち上げられた超巨大移民船団が、デロ組織により破壊され、その大規模な爆発が核に匹敵する衝撃波と熱量を極地点に振り撒き、永久凍土を気体に変え、全球規模の”カミの津波”が地表を洗い流し、長期的な豪雨が地表を水没させた。

 人類の9割が失われ、生き残ったものたちはわずかに残った土地をめぐって争いを続ける。大量の海洋生物が姿を消し、変貌して魚類型変異種(ディープワンズ)や海洋哺乳類型変異種(ダゴン)が跋扈する。

 そんな世界の九割を占める海に潜って資源を集める者たちは、泡の中を潜る者(バブルダイバー)と呼ばれるようになる。
 
高機動型汎用潜航艇/通称、着繰身(シェラフ)
くろしお、しらなみ
テツロー
ドーリン:29歳。
トーゴー
マニ:三姉妹の長女
アワ:三姉妹の次女
ナイ:15歳、三姉妹の末っ子

2015年12月2日水曜日

Delivery 八杉将司

ハヤカワSFシリーズJコレクション 2012.5.20
http://www.amazon.co.jp/dp/4152092963/

 月が水と自然にあふれた世界にテラフォーミングされて二百年近くを経た時代。チンパンジーの遺伝子を書き換えた人類そっくりのノンオリジンが密かに作られていた。その地球を原因不明の大災害、スーパーディズアスターが襲う。

 世界各地でマグネチュード7から9の大地震が数日にわたって発生し、それに伴う大津波が襲い、北米や東南アジアで「大規模な火山噴火を起こす。火山灰が三年以上も空を漂い、深刻な食料不足を招き、陸域にあった真水のほとんどを失い、世界人口がそれまでの5分の1、約20億人にまで激減した。空が晴れわたってからは火山灰の硫黄成分が成層圏のオゾン層のほとんどを破壊し、強烈な紫外線が地上に降り注ぐ。

 それから10年後、国際連合とグローバル企業体を母体とする新地球人類連合NEUが世界を仕切っている。スーパーディズアスターによって自由のみとなった第三世代ノンオリジンたちのグループ。そこにチンパンジーの外観に近い第一世代ノンオリジンであるグランツが現れる。実は、グランツは月にある一周11500キロものアクティブデフレクション型シンクロトロン、ペタ電子ボルト級衝突型粒子加速器スーパールナコライダーSLCを用いた新粒子発見者だった・・・。

(部内留保)