ラベル 掘削船 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 掘削船 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年5月4日水曜日

オペレーション・ノア

1998年 ビデオ

 北海の石油掘削リグを舞台にした爆弾テロもの。ヒロインが爆弾処理見習いで,リグ到着時の事故で教官を失い,素人の掘削技術者とともに不落との伝説を持つ爆弾の解除に挑む。アクション・パニック映画としてはなかなかよくできている。SFとはいえない。

2016年5月1日日曜日

海のオーロラ 日本テレビ

2001, 日本テレビ自社制作のフル3D-CG、声優:いしだ壱成、奥菜恵ほか。

 地球温暖化による海面上昇で世界の沿岸に被害が生じている21世紀初頭,南鳥島沖の水深4000mを越える海底にある海底掘削基地“ガネシア”で地下6500mのマントルまでの掘削が行われている。6億年前の古代バクテリアがマントルで原油を生成しているという学説を立証しようというもの。

 ところが,この計画の提唱者である王春露(ワン・チュンル)は,この古代バクテリア『オーロラ』が地球環境に重大な脅威となる恐れがあると計画を中止させようとしたが、除名されてしまい、ついに地殻が掘りぬかれ、『オーロラ』が流出してしまう。

 『オーロラ』は金属を腐食させ、また、酸素に反応して爆発する性質があった。洋上支援船<はるしま>は爆発沈没し、海底掘削基地も崩壊の危機に・・・。
 深海域に6億年前の地層というのは存在しない点に無理があるが、地殻内に眠る古代微生物をテーマにした作品は、「深海の悪魔」に次ぐもの。

=>公式サイト
http://www.generalworks.com/databank/movie/title4/umiau.html

ダイアモンド・シーカーズ 瀬名秀明

静岡新聞で連載開始。大分合同新聞、河北新報でも

 地球深部探査船が「まほろば」という船名で登場する。

メガロドン パット・コービット監督

米ビデオ,パット・コービット監督

 「MEG」とは別の作品。「シャーク・ハンター」と姉妹作品。

 世界最大の石油掘削リグ<コロッサス>は北極海縁辺の水深1500m海域で掘削中,パイプラインが詰まった。詰まったパイプを切断したところ,そこから凶暴な魚が作業員の腕に噛み付き,96針の重傷。その魚は4000万年前に絶滅したとされる『ダンクロウステウス』の稚魚とみられた。

 その後,掘削地点の地下に発見された巨大な空洞が崩落。海底に穴が開き,無数の『ダンクロウステウス』が解き放される。さらにその後,体長20m,速度25ノットで泳ぎ,6500万年前に滅んだとされる『メガロドン』が出現し,潜水艇やリグを襲撃する・・・。


燃える氷 高任和夫

祥伝社2003年

 2011年、地球人口は80億人に達し、日本は慢性的な経済停滞に陥っていた。経済産業省資源エネルギー庁は、産学官のメタンハイドレート資源開発コンソーシアムを組織し、日本経済の復活を賭けてメタンハイドレート開発計画を押し進めていた。静岡県御前崎沖にメタンガス採取/ハイドレート製造プラント船(全長140m、幅25m、2万総トン、高さ80mのやぐら)を浮かべ、フェーズ2の最終年として海洋産出試験を開始。

 日本周辺に大量に存在する「燃える氷」、メタン・ハイドレート。燃焼時の二酸化炭素排出量が少ない利点を持つが、その商業採掘には、水深1000mからさらに海底下2~3百mの高圧・低温環境にあるハイドレートをどうやって効率よくガス化するか、また、それをどうやって効率よく輸送するかをいう問題を解決しなければならなかった。

 それを解決する2つの技術革新によって、メタンハイドレートは商業採掘に大きく動きだそうとするが・・・。
 最近、三井造船が開発に成功したハイドレート粉末及びペレット化技術がさっそく本作品に取り入れられている。

=>MH21研究コンソーシアム

 メタン・ハイドレートは、単位体積あたり約170倍の天然ガスを包蔵している。本ペレットは温度:約1~8℃、圧力:約20~50気圧で製造でき、マイナス数十度で安定化させて貯蔵できるもので、LNGのように-162℃の極低温で製造・貯蔵するのに比べ、設備費、運転費が少なくて済みむとのこと。

 本作品の主人公が翔文社「月刊ガイア」編集部に勤める編集記者との設定。まさにジェームズ・ラブロック/リン・マーグリスによる「ガイア仮説」をコンセプトとする硬派の雑誌となっている。

 本作品では、地球深部探査船「ちきゅう」が2005年に完成し、南海トラフでどんどん成果を上げ、東海地震に関する情報がきめ細かく出されるようになっているとの設定がうれしい。一方、エネルギー庁は悪役になっていて、立場が逆になって書かれたらと思うと怖いですねぇ。

 このほか、8000年前、ノルウェー沖ストレッガ地滑りでは5000立方kmの堆積物が800kmも移動したこと、なぜ氷期から間氷期にかけて急激に気温が上昇したのかという、研究者がみんな悩んでいる謎、それとメタンハイドレートとの関係、ポックマーク(海底のガスの抜け穴)、泥火山(フロリダ沖水深 3000mの直径10kmの巨大なすり鉢上の陥没地形、ノルウェー沖ハーコンモスビー泥火山など)、冷湧水、東海地震と富士山噴火などが登場する。

 これ以上書くとネタバレになるので、このへんで。

1冊部内留保

2016年4月30日土曜日

天候改造オペレーション ベン・ボーヴァ

1966年 創元推理文庫

 世界最初の深海採鉱会社「ソーントン・パシフィック・エンタープライズ社」や大陸間ロケット交通網「ソーントン・エアロスペース社」を経営するソーントン家一族。中部太平洋1万8千フィート(5486 m)の海域で採鉱ドレッジ船が嵐に直撃され、2人が行方不明となる。ボストンの気候学研究所(米気象庁の一部)の一部の研究者が従来の統計的手法ではなく乱流方程式をコンピュータで解く研究を行っていた。ソーントンと研究者は「イーアラス・リサーチ社」("イーアラス"はギリシア語で風の神様)を設立し、気象予測ビジネスに乗り出す。2週間先の地域別の正確な予報を開始、さらに天候制御の研究を進める。

 ニューイングランド地方を襲った長期旱魃の解消に成功するが、天候制御については失敗した時の責任問題からなかなか許可されない。発達前の熱帯低気圧を消す<サンダー計画>(Threatening HUrricane Neutralization DEstruction and Recording)が許可され、強大化し米本土を襲う可能性の大きいハリケーンの抹消を開始する。しかし、同時発生した4つの熱帯低気圧のうち3つの抹消には成功するが、残る一つが強大なハリケーン・オメガに発達・・・。

詳細

 初のスーパーコンピュータ<クレイ>が開発される10年前の作品であるにもかかわらず、ワシントン、ボストン、ニューヨーク各支社及びMITの「スーパーコンピュータ」を接続して一つのコンピュータとするアイデアが登場する。

 観測は、気象衛星、巨大な無人気象観測機<ドロームデアリー>(単峰ラクダの意味。6基のターボ・プロップ・エンジン、3日間の連続自動飛行が可能)、潜水艦で実施。気候制御は、静止軌道にある宇宙ステーション<アトランティック・ステーション>と6個の軍事衛星からのレーザー(十億ジュール規模)による大気加熱、<ドロームデアリー>ほか航空機からの化学薬品や降雨剤の散布による。
 なんと<CUSS-5号>が最初にモホール掘削を行った掘削船として登場する。1961年、米国の石油掘削船<CUSS-1号>が改造され、モホ面(モホロビチッチ境界面。地殻とマントルの境界)まで孔を掘る「モホール計画」が試みられた。カリフォルニア沖で実施されたが、わずか171mの柱状試料を得るだけに終わっている。
 ほか、時速400マイル(644 km/h)の圧縮空気列車、ヘリキャブ(ヘリ・タクシー)が登場。

2016年1月5日火曜日

アルマゲドン 

小説版:M.C.ボーリン、竹書房文庫

 世界で最もついていない男、ブルース・ウィルスが、この映画でも・・・。
 最大の小惑星セレスを上回るテキサス州サイズ(推定体積:965億立方m)の小惑星が、なぜ地球への衝突18日前まで見つからなかったのか? 西村屋の推測としては、太陽系外から双曲線軌道で、それも太陽の方向からやってきたために発見が遅れたのであろう。小説版では既存の小惑星が彗星に軌道を乱されたことになっている。そのくせ「ドティ」と命名しているのは矛盾。

 これまでまったく陽の目を浴びてこなかった海底石油掘削で働く男たちが、突然、人類を救うヒーローになるところが、海洋開発関係者としてうれしい。小天体での掘削作業は、掘削作業監督(ツール・プッシャー)、地質専門家、エンジニア、油井採掘作業員(ラフネック)の4人が2チームで行われる。

=>generalworks

(横浜研開架)

蛇神降臨記 スティーヴ・オルテン

2001年、文藝春秋、文芸文庫2003

 「MEG(メガロドン)」を書いたオルテンの長編第3作とのこと。「MEG」もマリアナ海溝底に熱水活動域があるなど設定に一部おかしい点があったものの、グライダー式潜水艇も登場するなど、まあまあの作品。

 本作品はグラハム・ハンコックの「神々の指紋」をモチーフにした宇宙からの侵略SF。「神々の指紋」をモチーフにしたSFはこのほかにカッスラーの「アトランティスを発見せよ」があるが、本作品はむしろジェームズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」に通じる部分が多い。

 「神々の指紋」は各国でベストセラーを記録し、日本でもTV番組によく取り上げられたが、実は数々の引用改ざんなど極めて悪質な本で、そのせいでこの本にいったい事実がいくらかでも含まれているのかさえも分からなくなってしまった。「神々の指紋」は地球科学予算の獲得にも貢献した作品なので、いささか複雑な心境。

=>『神々の指紋』批判のページ(みふるだーとさん)
=>「神々の指紋」の超真相(原田 実さん)

 さて内容ですが、6500万年前、オリオン座の方向から直径10kmを越える卵形の飛行体、それを追尾する小型で金色に輝くほっそりした宇宙船が飛来。金星を目指す卵形の飛行体は金色の宇宙船が発射するエネルギー波で損傷し、ユカタン半島に衝突。

 それから時代は2012年に飛び、精神科インターンのドミニク・バスケスはマイケル・ガブリエルという患者を担当することになる。彼は考古学者でマヤ族の伝える4アウハ、3カンキンの日、2012年12月21日に人類が終末を迎えるというのだ。やがてユカタン半島沖海底下の物体が目覚め始める。ついには、全世界のカルスト台地で純粋核融合兵器を爆発させて大気中の二酸化炭素と二酸化硫黄の濃度を高くし、金星の大気のようにするという宇宙人の陰謀が・・・。

 ノーティルの小型版という仏製潜水調査船<バーナクル号>(潜航深度3300m)、エプソンの第五世代セミサブ石油掘削装置<スキュラ>、原子力空母<ジョン・C・ステニス>、ロサンジェルス級原潜<スクラントン>(SSN-756)が登場。

 メキシコのユカタン半島のチチェン・イツァというマヤ遺跡にカスティーリョ(またの名をククルカン/ケツァルコアトルの神殿)というピラミッドがあり、そこの北の階段下に蛇の頭だけの像がある。年に2回、秋分・春分の日にだけ、この北の階段に蛇がうねるような影がピラミッドの上から下に出来て蛇が降臨するように見える(これは本当)のが題名の由来。

=>チチェン・イツァにようこそ

(横浜研開架)

2016年1月3日日曜日

わが名はレジオン ロジャー・ゼラズニイ

サンリオSF文庫 1976年

 主人公アルバート・シュヴァイツァー、またの名ジェームズ・マディソン、またの名ジョン・ダンは、かつて世界中央データ・バンク計画にシニア・プログラマーとして参画、全体運営の老責任者ジョン・コルゲートのアドバイザーにまで昇進したが、この計画がもたらす未来に疑念を持ち、自分のデータをすべて消去する道を選らんだ。私設調査機関(世界で2~3番目に大きい探偵情報局)のドン・ウォルシュからの依頼で危険かつ秘密の仕事を請け負っている。
 「レジオン」の意味は最後まで出てこないが、主人公の本名かもしれない。

 ・第一部 <ルモコ>前夜
 西インド諸島とベネズエラの間にある小アンティル諸島の洋上に浮かぶ基地”アキナ”。そこから海底約数千キロに延びた縦坑(ちょっとそれじゃ地球中心に届いてしまう。数千mの間違いか。)ハイウェイが掘られている。海洋性地殻を貫いてマントルに達し、火山噴火を起こして新しい海洋島を造るもので、<ルモコ>計画と名付けられている。

 この計画の前身として「モホール計画」の名前が出てくるが、なんと本書では1957年、AMSOC(アメリカ雑学協会)のウォルター・ムンク博士とハリー・ヘス博士が提唱し(ここまでは本当)、ボーリングと円錐核爆弾で天然ガスを掘り起こす計画として紹介されている(本当にそうだったかも)。
 カリブ海のドーム都市ニューエデン(水深175ファゾム、人口十万人以上)、北アメリカ大陸棚沖のドーム都市ニュー・サレムが登場。

 ・第二部 クウェルクェッククータイルクェック
 バハマ諸島最大のアンドロス島沖合いにある人工島”ステーション・ワン”が舞台。幅約700フィートの固定基盤上に、ベルトレ-ン加工会社のウラン抽出工場、研究所、図書館、美術館、診療所、住宅、レクリエーション施設がある。周りは音響壁に囲まれた海底公園がある。そこでスキューバ・ダイバー2人がイルカに殺される。

 二人の体にはゴンドーイルカの歯形が。”イルカ・ソサイエティ友の会”元会長リディア・バーンズが出資するイルカ研究協会は、イルカは下顎で突き殺すことはできても噛み殺すことはできないと反論するが黙殺される・・・。

 アンドロス島に住むマーサ・ミレイはイルカなどの写真家として有名で、広島で被爆した母から生まれ下半身に障害を持つ。このマーサと主人公の間で議論される、まったく精神構造の異なるイルカとの意思伝達の問題が興味深い。ヨハン・ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」では文化が遊びの本能として始まったとし、怠けたり競ったりすることも含めた遊びの統一的概念がラテン語”ルードス”と名付けられている。イルカもルードスの文化があるのではというもの。

 もうひとつ、イルカは眠らない。その代わりに、聴覚的な白昼夢を見ているのではというもの。そのほか、音楽など精神レクリエーション(”ディアゴーグ ”)の自然発生的表現の中に宗教的な意味合いがあるとの説から、イルカにも音による宗教的意味合いを表現するものがいるのではというもの。

 ・第三部 ハングマンの帰還
 惑星探査手段として革新的な遠隔自律探査ロボット(テレファクター)、ハングマンが開発された。数百億以上もの超伝導性トンネル連結ニューリスター型電池を1立方フィートに詰め込んだ独自に決断を下せる冷却装置付き頭脳を持ち、さらに操作手の脳波をヘッドギアで増幅して遠隔で交信する機能も持つ。核融合装置で動き、自分で修理でき、人間の12倍程度の力を出せる。

 ところがハングマンは木星の衛星イオの探査後、エウロパで異常行動を取るようになり、カリスト探査を拒否、天王星ティタニアに上陸して観測データを送り始めたのち行方不明。それから20年後、メキシコ湾に着水し行方不明。その翌日、ハングマンをプログラム化した4人の創始操作手の一人が撲殺された・・・。

2冊部内留保

2016年1月2日土曜日

グランド・バンクスの幻影 アーサー C. クラーク

ハヤカワ文庫 1990年

 <タイタニック号>をペルティエ冷却効果、ガラス球、電気分解などのアイデアを用いて引き揚げる試み。「レイズ・ザ・タイタニック」で400気圧もの海底に圧縮空気を送ることが現実的でないことを指摘している。同じく同映画で使われた?ヒドラジンはブルーピース(グリーンピースのもじり)の反対でとん挫したのが面白い。

 引き揚げ作業に従事する<グローマー・エクスプロラー号>がハワイ沖5000mの海底に沈没した核搭載ロシア潜水艦を引き揚げたエピソード、沈没したアルヴィンが数年後に引き揚げられた際、乗員の昼食が酸素含有量が少ないためほとんど有機的分解されずに残っていたエピソードが登場する。

 米海軍3人乗り深海潜水艇<マーヴィン号>(内燃機関で水深4000mまで1時間で到達。アルヴィン号の後継艇)、人工知能海中ロボット<ジェースン・ジュニア>(国際海底機構に所属し、船隊を組んで海底を1mの精度で調査)、一人乗り<ディープジープ>、海底に電力を供給する退役原潜<マシュー・フォンテーン・モーリー号>及び<ピョートル大帝号>とその暖水による湧昇効果、北極海の氷冠の下の海底光ファイバー・ケーブル、深海観光潜水船<ピカール号>などの海中技術が登場。

 ニューファンドランドの水深100mにある海底石油生産マニュホールドがさしわたし100mの大タコ<オスカー>に破壊される。海底地震と深海の乱泥流(タービダイト)、海底下の炭化水素の貯蔵庫とその噴出と爆発という問題も登場する。

2016年1月1日金曜日

暗黒洋(やみわだ)を越える者-UFOハンター・シリーズ 田中光二

S-Fマガジン10臨時増刊号、1981文芸文庫「沈黙の岬 UFOハンター・シリーズ」に収録

 15ページ。異星人の侵略によって、汚染地域が世界の人類居住地域の50%を越えた。そんななかで、敵の「母船」と称される大型の精子形宇宙機が大島と野島崎との中間に墜落した。不思議なことに他の宇宙機はいっさい沈没海域に近付こうとしない。

 水深2000mに沈んでいる宇宙機を引き揚げるため、深海調査船<アルミノートII>が空輸され、潜水調査が実施される。直径30mの球形の頭部及び長さ50m近い尾からなる宇宙機が発見される。ヒューズ社が建造した大型特殊工作船<グローマー・エクスプローラー号>で引き揚げ作業が実施され、ついに中に乗り込んでいた異星人とのファースト・コンタクトが実現するが・・・。

 <アルミノートII>はバッテリー動力、全長25m、最大搭載人員8名、最大潜航深度8000m、48時間単独行動可能。<グローマー・エクスプローラー号>の吊り上げ作業に用いるドリルパイプを「ドリル・ストリングス」と正しく呼んでいるのはさすが。「管索」との訳は実際には存在しない。

異界戦艦「大和」 田中光二

2001.6、カッパ・ノベルス

 沈船サルベージ用支援船<オーシャン・エクスプロラー号>(排水量5000トン)と潜水作業船<グーフィー>、<アルフィー>、<ミッフィー>(いずれも潜航能力1500m)による「大和」の艤装品のサルベージ・シーンがある。驚くことに、JAMSTECが<大和>探索のためNHKに無人機<ホーネット500>を貸し出したというあまり知られていない話まで載っている。

 ヒューズ社が潜水艦引き揚げ用に建造した<グローマー・チャレンジ号>(排水量8000トン)の話が出てくるが、これは、米CIAがヒューズ社の深海鉱物採取船と偽って建造した<グローマー・エクスプロラー号>(排水量63,000トン?)をもじったもの。

(横浜研開架)

2015年12月21日月曜日

スターバック号を奪回せよ クライブ・カッスラー

新潮文庫 1982年

 1985年、最新鋭の原潜<スターバック号>(与圧船体、潜航深度600m、巡航速度255キロ!、乗員160名)ほか37隻の船舶が、ハワイ諸島の東方”太平洋の渦”で行方不明。米海軍の偽装サルベージ船<マアーサ・アン号>(ヘリ搭載、12000トン前後、プロトン磁力計、水中カメラ、サイドスキャンソーナー)が捜索する・・・。

 サマー・モーランがヒロイン。フラートン断裂帯(フラクチャー・ゾーン)近くの水深4500mの海域に、頂部の水深48mの海山(非火山性)の海中洞窟が登場する。

(部内留保)

殺戮衝撃波を断て クライブ・カッスラー

新潮文庫 1996年

 2000年1月、高エネルギー・パルス超音波を利用したタイアモンド採掘が、低周波の音響として海中を数千kmも隔てて伝播し集束することによって、太平洋の各地で生物の大量死が発生・・・。

 NUMAの双胴型極地調査船<アイス・ハンター号>、深海測量船<オーシャン・アングラー号>が登場。なんとヒューズ社のあの<グローマー・エクスプローラー号>が窮地を救う。海蛇伝説も登場。ダイアモンドが300億年前(凄い!)にマントル上部で形成されたとなっている。

 NUMA海洋地質学主任チャールズ・ベークウェル、海洋生物学者メーブ・フレッチャー、音響海洋学サンフォード・エイムズが登場。メーブ・フレッチャーがヒロイン。

(横浜研開架)

ロマノフの幻を追え クライブ・カッスラー

新潮文庫 2002年

 オースチンとザバーラのシリーズ第3作。海洋考古学ミッションにチャーターされた原子力潜水調査船<NR-1>がシージャンクされた。NUMA調査船<アルゴ>と姉妹船の<シー・ハンター>、アタマンの豪華ヨット<カザチェストヴォ>、石油掘削リグ<アタマン・エキスプローラー一世>が登場。
 なんとメタン・ハイドレートにミサイルを撃ち込んで米国を津波で襲うという企みが・・・・。

(横浜研開架)

ハーンの秘宝を奪取せよ/Treasure of Khan クライブ・カッスラー&ダーク・カッスラー

原著2007、新潮文庫2007、上下巻

 ダークもの。まず1281年、神風の由来となった2度目の元寇/蒙古襲来から始まる。次に1937年、日本軍の南京侵攻。そして現在のバイカル湖。
 バイカル湖でM6.7の地震が発生。湖のほぼ中央にあるオルホン島の沖合いで海底地すべりが発生し、津波が一帯を襲う。ロシアの調査船ペレシチャーギン号で未確認の湖流を米ロ共同調査していたNUMAのダークらは、漁船で炭化水素漏出域を調査していた一行をからくも救助する。

 ペルシャ湾のラスタヌーラの石油積み出し基地でM7.3の地震が発生し火炎地獄に見舞われる。揚子江デルタにある寧波(ニンポー)港で火災を起こした貨物船が石油積み出しターミナルに突っ込み、冊子島ターミナルが壊滅する。さらにラスタヌーラから300km離れたイランのカーグ島の石油積み出し基地が地震で壊滅する。ラスタヌーラとカーグ島では謎の小型掘削船(バヤンスター号)の姿が・・・。

 パラメトリック音響装置による地震プロファイリング装置/音響地震装置が登場。「極東細菌テロを爆砕せよ」のNUMA調査船マリアナエクスプローラー号が再登場。

(横浜研開架)

2015年12月15日火曜日

ハイドゥナン 藤崎慎吾

ハヤカワSFシリーズ Jコレクション、上下巻 2005年、2008ハヤカワ文庫 JA全4巻 

 この作品を紹介するのは難しい。これまでのどんなSFとも異なる。帯に書かれている「日本沈没」の現代版と期待して読むことはお奨めしない。予断を持たずに上下2巻を読んで欲しい作品である。

 といって何も書かないわけにはいかない。与那国島沖で発見された海底遺跡らしきものについて、誰がどうやって造ったか、そしてなぜそれが現在、海中にあるのかという疑問から出発し、与那国島に伝わる悲しい楽園伝説にも触発されて書かれた作品のようである。

 科学技術面については、7月末に完成したばかりの地球深部探査船「ちきゅう」の後継船となる深海掘削船が登場するが、その緊急オペレーションについて一般にはほとんど知られていない取材結果がたっぷり盛り込まれている。地球内部のさまざまな現象についても研究現場でリアルタイムに議論されている問題にまで踏み込んでいる。マントルから炭素が超高速で上昇してダイアモンドとなるキンバーライトの噴出現象を描いたのは本書が初めてであろう。

 単なる受け売りに留まらず、地殻~マントル内微生物などは最新の科学的知見より先に進んだ仮説を展開しているし、登場する1万m級有人潜水船も、海洋技術者のアイデアをふんだんに取り入れてなお一歩先を行ってる。

 このように、本書ではあまり知られていない地球・生命科学という分野の科学技術の夢とスペクタルにたっぷり触れることができるのは間違いない。

 もうひとつの側面は、筆者が「蛍女」や「ストーンエイジCOP/KIDS」で扱ってきたテーマにも通じるが、今の科学では説明できない能力を持つ少女と、その能力を「共感覚」を糸口として科学的に説明しようとする科学者たちを交えつつ、大胆に空想の世界を展開させている。

 そして筆者のすべての作品に通ずるが、自然描写の細やかさと色彩感覚の豊かさは本作品でも十二分に味わうことができる。
 肝心のストーリーについてはやはり読んでください。藤崎作品に登場するヒロインはやはりいいですね!

(登場メカ)
・潜水調査船<しんかいFD>:FDは"Full Depth"の意味。全長8.6m、CNTP船体、セラミックス球シンタクティックフォーム、2つの耐圧球で1泊2日潜航、倒立潜航が可能、燃料電池とリチウムイオン電池、研究者2人+操縦者2人、マルチナロービーム/サイドスキャン/サブボトムプロファイラ、音響水中映像、観測窓の直径25cm、iコパイ、平べったい形状で水中グライディング可能。バリヤブル・バラスティング・システム、非常用ショットバラスト、レーザーレンジファインダ、4台の<小亀>を搭載。その支援母船<するが>(約8000トン)
・深海巡航探査機<りゅうぐう>、無人探査機<かいえん>、その支援母船<さがみ>(約3000トン)
・深海掘削船<いざなみ>:30年前に建造された<ちきゅう>の後継船。全長250m、幅42m、総トン数6万3000トン、デリックの高さ120m、水深6000mで海底下1万5000m掘削可能。無人探査機<シール1、2>搭載、マントルまで16kmを3週間で掘れる。最大150人、潜水船を搭載可能。超高圧高温培養システム『ミニマントル』(4000気圧、350度C)を搭載。
・米1万m有人潜水船<フォナーリ>、<しんかい6500>と<よこすか>、<ハイパードルフィン>、中国原子力?深海調査船<先駆者>が登場。

(琉球語)
サバニ:琉球地方特有の形状をした漁師のくり舟
ムヌチ:物知り、市井の巫女的存在。ユタ。カンダーリ:神憑かり、スータガマリ:霊高生まれ
ウンガン:拝所/御獄
ハイドィナン:南与那国島、伝説の楽土、パイパティローマ:南波照間島、ニライカナイ:神々の世界
ダマヒルミ:八重山、ダティグチディ:屋手久頂上(与那国島の東部にある史跡のひとつ)、ティンダハナタ:与那国島の中部北側にある場所の地名
トゥラヌハカディ:北東の風
ニーバイ:屋敷神
キディムヌ:木霊、ンニムヌ:悪霊、マディムヌ:魔物
ダヌカン:火の神
ムドゥルヌチ:深海の神様
オナリ神:姉又は妹神(琉球語)/ブナイガン:姉妹神(与那国の呼び名)
オペレーション・ヒヌカン(火の神、ここでは神様ネットに接続してくれるプロバイダーみたいなものの意味)
フチヌマブイクミ:星に魂を戻す儀式、マブイクミ/マブヤクミ:魂を戻す儀式
ウガンフトウテイ:豊年祭、アマグイ:雨乞い
ビディリ:霊石
イチタライ:石の容器
ディンウヤシ:沖縄で神事の際に、紙銭や半紙などを燃やして泡盛をかけ、神様にお金や反物を贈る儀式
トウニ:邑根
カァブ:司、イチカ:石司
アミナグ:揺りかご
ドゥグティ:門口、マイソガティ:障壁
ワヌダー:ブタ小屋
シダディ:与那国の伝統的な織物。ブナイティサージ(姉妹手拭い)とも呼ばれる。

(略語)
JESTA:地球科学技術局(Japan Earth Science and Technology Agency)。
OREI:沖縄資源探査研究所
HMS:隠れマッドサイエンティスツ
ISEIC:Inter-Sphere Embedded Information Cloud, 圏間基層情報雲理論。<森知性>論の発展形。
OGUBA:酸素発生型呼吸装置、通称エアジェン
PQC:ポータブル量子コンピュータ、<ストーンリーダー>、お化けノートパソコン
ESJ:環境保護団体アースシップ・ジャパン
fMRI:機能的磁気共鳴画像
MEG:脳磁図
PET:陽電子断層撮影
PETS:圧電電子伝達系
CNTRP:カーボンナノチューブ強化プラスチック
RETTDASS:リアルタイム三次元音波探査システム(Real-Time Three-Dimensional Acoustic Survay System)
LCAC:エアクッション型揚収艇
PTCS:圧力温度保持コアサンプラー

(登場する生物)
海中:ストロベリーサンゴ、エダミドリイシ(造礁サンゴ)、アワサンゴ、アオサンゴ、ハマサンゴ、キクメイシ(塊状)、ミドリイシ(枝状)、ウスコモンサンゴ、リュウキュウキッカサンゴ、サンゴイソギンチャク、イボヤギ、イソバナ、カイメン、ウミユリ、リュウキュウスガモ(海草)
ツノダシ(熱帯魚みたい)、ヘラルドコガネヤッコ、ブダイ(黒い)、ソラスズメダイ、タカノハダイ、カゴカキダイ、ノコギリダイ、クロモンツキ(ニザイダイの仲間)、デバスズメダイ、タテジマキンチャクダイ(愛称タテキン、熱帯魚エンゼルフィッシュの一種)、スズメダイ、クマノミ、ハマクマノミ、チョウチョウウオ、ツバメタナバタウオ、キヘリモンガラ、ムラサメモンガラ、クログチニザ、モンガラカワハギ、メガネクロハギ、オニボラ、サザナミヤッコ、ダツ(細長い魚)、オニカマス(バラクーダ)、ハギ
ウツボ、ギンザメ、アカシュモクザメ、ツノザメ、アオリイカ、ナマコ、オオイカリナマコ、ウミウシ、キイロウミウシ、テッポウエビ、コシオリエビ、ショウジンガニ、アオウミガメ
貝類:クボガイ、バテイラ(シッタカ)、カンザシゴカイ、ナギナタシロウリガイ、シンカイヒバリガイ、ゴカイ、シャコガイ
陸上植物:オオタニワタリ、フクギ、アカバナ(真紅の花)、ユウナ(黄色い花)、シークワシャー(柑橘類)、ポインセチア、芭蕉の木、クロトン、ススキ、ガジュマル、アコウ、スゲ、アダン、ヤラブ(テリハボク)、クサトベラ、センダングサ、タビラコ、スゲ、ハマヒサカキ、クバ、パパイヤ、ウラジロガシ、スダジイ、ビロウ樹、ンバ(カニクサ)、クロキ、ギンネム、タブノキ
その他:マダラサソリ、ユカタンビワハゴロモ(昆虫)、ヨナグニサン/アヤミハビル(蛾)、コオロギ、スズムシ、キリギリス


(横浜研開架)

2015年12月9日水曜日

2015年12月1日火曜日

第7鉱区/SECTOR 7 

DVD韓国(2011年)、2011年11月12日公開、監督キム・ジフン、主演ハ・ジウォン

東シナ海水深2500メートルの第七鉱区で、石油ボーリング船イクリプス号が採掘を行っていた。ある日、“謎の深海生命体”、ボーリング中に発見された化学合成生態系生物が乗組員たちを襲いはじめ、医者と女性研究員が謎の死を遂げる。船長は、深海生物を研究していた際に生まれた、この“謎の深海生命体”の存在を知っていたが乗組員たちには隠していた。乗組員たちは“謎の深海生命体”に一人また一人と殺され、船長と唯一の女性乗組員チャ・ヘジュン、ヘジュンの恋人キム・ドンスの3人が生き残る。(TOHO CINEMAS)
http://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=008916