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2016年5月5日木曜日

ローレライ 福井晴敏

制作はフジテレビジョン・東宝.。小説「終戦のローレライ」(2003,講談社 上下巻)

 太平洋戦争末期に密命、日本への3発目の原子爆弾投下を阻止する、という命をうけて出撃した日本海軍の潜水艦-“ローレライ”と呼ばれる「伊507」-の戦いを描くスペクタクルエンタテインメントとのこと。『ガメラ』の樋口監督だとのこと。2005年公開とのこと。

=>「終戦のローレライ」がついに映画化!

レッド・ホット・デイ 海南洋

2001年 作画:井村眞二,原作:海南 洋,「潜水艦,帰投セズ」より,日本出版社

なんと,日本沿岸に敷設された潜水艦探知システムを盗もうとするロシアの海底戦車を「しんかい2000」が拿捕する。SFではない。

深海の雷鳴 ジョー・バフ

2001年 ソニーマガジンズのヴィレッジ・ブックス,2006.2

・・・・

原潜,氷海に浮上す 第三次世界大戦シリーズ リチャード・ヘンリックス

1989年 二見文庫

 スタージョン級<ディファイアンス>(全長90m,5000トン、水中速力25ノット以上、乗組員107人、水冷式原子炉1基、水中 43ノット、Mk48二重目標魚雷、核弾頭付きサブロック対潜ミサイル、ハープーン対艦ロケット、長距離トマホーク巡航ミサイル、モスMk70デコイ搭載、レーザー誘導型測深器)

シエラ級<ネヴァ>(水中42ノット、全長110m,加圧水冷式原子炉2基、無反響パネル)
カナダ砕氷船<ルー・サン・ローラン>

原潜ポチョムキン撃沈 マーク・ジョーゼフ

1986年 新潮文庫

 1968年,米スキップ・ジャック級<バラクーダ号>(SSN593)と、ロシアのアルファ級<ポチョムキン号>との戦い。アルファ級は、本作品中ではチタン合金製耐圧殻による1200mの潜航能力と50ノットの水中速力、ビクター級など他の潜水艦の偽装音を出せる音響再生能力及び静穏航行能力を持つ設定になっている。これに対抗する<バラクーダ号>は新たに下方探知システムを装備する。

 <バラクーダ号>の天才的ソーナーマン、ソレンセン一等兵曹のキャラクターが魅力的で、1回のみの登場が大変惜しまれる。
 同じスキップ・ジャック級<スコーピオン>号が沈没した1968年を舞台としている。SFなのか、そうでないのか微妙な作品。

赤い原潜を捕捉せよ ハワード・レナルズ

二見文庫1986年

 ソ連の音響電子工学の第一人者ビョートル・アサーノフは画期的なソノブイ、拡大アクイティブ・ソナーEASの考案者。従来,アクティブ・ソナーが最高能力を発揮できるのが40km以内だが、超低周波音波(インフラ・サウンド、VLF)を使うことで100平方マイルのどんな深度にあるものも探知可能となる。そのアサーノフが英国に亡命する。

 英国内で開発に協力するのは英国防省の女性電子工学専門家フランシス・ウィクリフ博士37才。フランシスは8年前に夫を亡くした未亡人。

 アサーノフ52才は聴覚障害の専門医から音響の専門家になった。ピアノがうまい。11年前に妻を亡くす。一人息子ドミートリーを亡くし、その息子が地下出版グル-プに関わっていたことから、同グループと米国と英国の手引きにより亡命することになる。

 地下出版グループにはイワニツィン艦長の妻でソ連最高会議連邦会議の代議員の娘でもあるターニャ・メルニコワも関わっている。

2016年5月4日水曜日

原潜迎撃/Deep Sound Channel ジョー・バフ

原著2000、ソニーマガジンズのヴィレッジ・ブックス,2003

 米国やロシアの原潜が登場する作品は数多いが、このシリーズはセラミクッス製船殻を持ち、水深4000m以上の潜航能力を持ち、珍しくSF性の強い原潜同士の戦いが描かれている。

 戦術核魚雷による潜水艦バトルはむしろチェスのようで,あまりワクワクするような話ではないのですが、ヒロインが南アフリカ出身、スクリプス海洋研で海洋学の博士号を取ったという設定。

 このヒロインはドイツの天才的な潜水艦艦長の元恋人だったが、肉親を南アフリカ政権に殺され、連合国側の新鋭原潜<チャレンジャー号>に海洋科学アドバイザーとして協力することになる。<チャレンジャー号>の艦長代理が人間関係では不器用ないささか屈折した人間で、この艦長代理とヒロインとの関係が面白い。

 物語は、2011年、ドイツと南アフリカで武力衝突が勃発し、超国家主義者が政権を掌握。ついに英米を中心とする連合国との間で小型の戦術核を応酬しあうというかなり沈鬱な世界。アーケア(好熱性の古細菌)を細菌兵器化する秘密研究所を核で破壊するために米新鋭原潜<チャレンジャー>は SEAL部隊を送り込む。ライバルは同等の性能を持つ南アフリカ側原潜<フォールトレッカー>。

2016年5月3日火曜日

腐海 ジェームズ・ポーリック

徳間書房 2001年

 殺人プランクトン,渦鞭毛虫の新種『フィステリア・ジャンカージ』を題材にしたSF。海洋調査船<エクセター号>、曳航式海中環境観測システム「メドゥーサ」、「ベティー」、セラミック製の潜水艇<シプリド号>と<ゾエア号>が登場する。
 JGOFS(Joint Global Ocean Flux Study,全球海洋物質収支国際共同計画)とその東部亜寒帯域の定点観測海域Papaと、ATOC(The Acoustic Thermometry of Ocean Climate、海洋気候音響温度測定学)プロジェクトの名が出てくるSFは初めてのもの。"Ocean Flux"を「海洋物質収支」ではなく「海洋潮流」と誤訳しているが、無理からぬところがある。

 ニセササノハケイソウなどの有毒珪藻類が作るドーモイ酸(神経を撹乱させる強力な酸)、フィステリア・ピッシータ、フィステリア・ピッシモーチュア、魚を麻痺させるヘテロシグマ、えらの組織をずたずたにするツノケイソウ、ディクチオカ、食中毒を起こすビブリオ菌、麻痺性の貝毒を作るアレクサンドリウムなど、恐ろしいものが紹介されている。

米国東海岸で発見された淡水にすむ単細胞生物フィエステリア・ピシシーダ(Pfiesteria piscicida)は,有毒な渦鞭毛藻類)>米サイト
Acoustic Thermometry of Ocean Climate

青い世界の怪物 マレイ・ラインスター

早川書房

 漁船相手の電子機器、水中音響機器などを扱うジメネズ商会の電子技術者テリー・ホルトは、船舶の遭難、大量漁獲された魚から見付かった人工物、隕石の相次ぐ落下など、ルソン海溝で起きる数々の謎の事件に巻き込まれる。海洋調査船<エスペランド号>は彼の水中音響兵器を使って巨大イカと戦ううちに、もっと驚愕する事実に遭遇する・・・。

 海底地形をマッピング可能な音響測深器、深海から上昇して巨大化する気泡で洋上の船舶の浮力を失わせる武器のアイデアが登場する。

2016年5月1日日曜日

ソリトンの悪魔 梅原克文

朝日ソノラマ 1998年、ビデオ・アニメ化 日本推理作家協会賞受賞。

 2016年、音波をエネルギー源とする海中の巨大な存在『サーペント』が、与那国島の沖合に完成したばかりの海上情報都市<オーシャンテクノポリス>を破壊し、日本初の海底採掘プラットフォーム<うみがめ200>を危機に陥れる。ヘリオス石油の開発部主任の倉瀬厚志、別れた妻でソーナーとオーディオの専門家の劉秋華、7才の娘の劉美玲の3人の運命やいかに・・・。

 <オーシャンテクノポリス>は5km四方の正方形デッキ4層,浮力タンク付きの脚柱1万本で海底に軟着陸させた多脚式軟着底型。寺井精英さんの海洋都市開発研究会の構想そのもの。

 <うみがめ200>はヘリオス石油が開発費2000億円を投じて水深270mに設置。双胴船型の海上支援船<うみねこ130>から電力や呼吸ガスが供給される。TOV(テレプレゼンス・オペレイテッド・ビークル:光ファイバーによる疑似遠隔存在型潜水機)、OMS(一人乗り潜水艇)、AWS(多機能潜水艇)、深海用潜水服(ジム・スーツ)などが装備されている。

 テトラミックス飽和潜水(「アビス」と同じヘリウム・窒素・アルゴン・酸素)が使われ(水素・ヘリウム・窒素・酸素ではないのか?),脱窒素ベクター剤で減圧時間が48時間に短縮されている。海底石油掘削プラットフォームについて、海上型と浮遊式と海底式の間の技術論争もおもしろい。

 潜水艦救難艇(DSRV)<いるか4>に装備されているホロフォニクス・ソーナー(立体音響視界)がSFで初めて登場。その他,SOSUS(海底敷設ソーナー網)、地質探査ソーナー<アース・アイ>、ブルーグリーン・レーザー海中~衛星通信、超電導フラーレン電池など海中工学オンパレード。

 超音波フォグ、音響発光(超音波気泡放電)、ソリトン(粒子性を持つ孤立波。波の非線形性と分散性が釣り合って半永久的に存在する孤立波)、高圧神経症候群(HPNS)、ポリウォーターなどの用語が登場。

2016年4月28日木曜日

研究者たちの海 寺本俊彦

成山堂 1994年

 シーオメガ計画-国際科学技術洋上研究所(いわゆる巨大空母)構想、しんかい6500、白鳳丸、ニューラル・ネットと自律型(無策式)無人機、AQUA EXPLORER 1000、水中歩行ロボット-アクアロボ、水中音響技術、バイオテレメトリ、魚の音響馴致、海洋大循環、黒潮、水位変動、氷海研究、深層水、イルカと音、抗ガン剤探しなど。

インナースペース 高川真一

東海大学出版会 2007

 無人機と潜水船についての技術バリバリの本、「ロボット工学便覧」みたいな本かと思ったら、地球の大きさを基本的な数学で実感させるなど、高校で習ったことのある知識でなんとか理解できるようにしたり、ところどころに親しみやすい与太話を交えるなど、読みやすくする工夫と努力の跡が感じられた。

 それと、この本を読むと、高川氏はエンジニアというより理科の先生という感じですね。身の回りに隠れている「不思議」を見つけ出し、それを納得のいくまで考え抜いて、納得のいく答えが見付かったときの爽快感が忘れられなくなり、それが中毒となってまた「不思議」探しをする、と前書きに書いてある。

 深海にどんな不思議があるのかを紹介する部分では、高川氏自身が地球内部になぜマグマ溜まりができるのかなど疑問を持ち、そのようないくつもの「不思議」を解き明かすために無人機や潜水船や掘削船を開発するという高川氏の基本姿勢に感心した。

 個人的には、無人機のケーブルが捩れていくメカニズムの話、水中音響学の体系的な紹介、深海掘削のこれから開発されようとしている技術などが読めて大変うれしかったが、そのほかにも私が耳学問で知っていた技術の経緯や意味を体系的に説明してあり、なんども「ヘー」を発しながら読ませてもらった。

2016年2月14日日曜日

ブルー・ハイドレード~転移~ 海原零

2005 集英社スーパーダッシュ文庫 

ブラッカステイツのコロニーのひとつ<バージルコロナ>から戦艦(潜水艦)<デッカート>を略奪し脱出した9名の少年少女。しかしながら、ゲリラコロナのひとつ<モルガトコロナ>で食糧を補給しようとするがブラッカ政府の圧力により拒絶される。

残された道は、亡き海賊ロベルト・ガーデュランがブラッカ政府の最高権力者に働きかけて密かに水深3100mに建設した要塞ザルツバリカ。
しかし、2大大国からの圧力に屈しかけているブラッカ政府は2隻の最新鋭艦<ジュダーヴィ>/<ペルセキュート>を密かにザルツバリカに移動させるが、その際に親ロベルト派は一掃されていた。

<ジュダーヴィ>/<ペルセキュート>:天才軍事デザイナーのスタン・ワグナーが開発したブラッカ政府の最新鋭攻撃型戦艦(潜水艦)。
全長49m,幅5.7m。
音響魚雷,ノイズメーカー/ノイズマジック

2016年1月2日土曜日

原子力空母を阻止せよ 大石英司

1987中央公論社/1992徳間文庫
 
 米原子力空母<カール・ヴィンソン>にソ連ヴィクターIII級攻撃型原潜<V.K.ブリュッヘル>が衝突。原潜は沈没。空母はメルトダウンの恐れがあるにもかかわらず横須賀ドックへと進路を取る。自衛隊の最新鋭潜水艦<わかつき>は<カール・ヴィンソン>阻止に向かう・・・。政治将校以外はすべてイスラム人と少数民族出身者という異色のアクラ級<A.M.ワシレフスキー>と潜水艦捜索艦T-AGOS<イドミタブル>、ロサンジェルス級<ホノルル>、<わかつき>との対決がいずれも秀逸!

2015年12月21日月曜日

殺戮衝撃波を断て クライブ・カッスラー

新潮文庫 1996年

 2000年1月、高エネルギー・パルス超音波を利用したタイアモンド採掘が、低周波の音響として海中を数千kmも隔てて伝播し集束することによって、太平洋の各地で生物の大量死が発生・・・。

 NUMAの双胴型極地調査船<アイス・ハンター号>、深海測量船<オーシャン・アングラー号>が登場。なんとヒューズ社のあの<グローマー・エクスプローラー号>が窮地を救う。海蛇伝説も登場。ダイアモンドが300億年前(凄い!)にマントル上部で形成されたとなっている。

 NUMA海洋地質学主任チャールズ・ベークウェル、海洋生物学者メーブ・フレッチャー、音響海洋学サンフォード・エイムズが登場。メーブ・フレッチャーがヒロイン。

(横浜研開架)

2015年12月15日火曜日

ハイドゥナン 藤崎慎吾

ハヤカワSFシリーズ Jコレクション、上下巻 2005年、2008ハヤカワ文庫 JA全4巻 

 この作品を紹介するのは難しい。これまでのどんなSFとも異なる。帯に書かれている「日本沈没」の現代版と期待して読むことはお奨めしない。予断を持たずに上下2巻を読んで欲しい作品である。

 といって何も書かないわけにはいかない。与那国島沖で発見された海底遺跡らしきものについて、誰がどうやって造ったか、そしてなぜそれが現在、海中にあるのかという疑問から出発し、与那国島に伝わる悲しい楽園伝説にも触発されて書かれた作品のようである。

 科学技術面については、7月末に完成したばかりの地球深部探査船「ちきゅう」の後継船となる深海掘削船が登場するが、その緊急オペレーションについて一般にはほとんど知られていない取材結果がたっぷり盛り込まれている。地球内部のさまざまな現象についても研究現場でリアルタイムに議論されている問題にまで踏み込んでいる。マントルから炭素が超高速で上昇してダイアモンドとなるキンバーライトの噴出現象を描いたのは本書が初めてであろう。

 単なる受け売りに留まらず、地殻~マントル内微生物などは最新の科学的知見より先に進んだ仮説を展開しているし、登場する1万m級有人潜水船も、海洋技術者のアイデアをふんだんに取り入れてなお一歩先を行ってる。

 このように、本書ではあまり知られていない地球・生命科学という分野の科学技術の夢とスペクタルにたっぷり触れることができるのは間違いない。

 もうひとつの側面は、筆者が「蛍女」や「ストーンエイジCOP/KIDS」で扱ってきたテーマにも通じるが、今の科学では説明できない能力を持つ少女と、その能力を「共感覚」を糸口として科学的に説明しようとする科学者たちを交えつつ、大胆に空想の世界を展開させている。

 そして筆者のすべての作品に通ずるが、自然描写の細やかさと色彩感覚の豊かさは本作品でも十二分に味わうことができる。
 肝心のストーリーについてはやはり読んでください。藤崎作品に登場するヒロインはやはりいいですね!

(登場メカ)
・潜水調査船<しんかいFD>:FDは"Full Depth"の意味。全長8.6m、CNTP船体、セラミックス球シンタクティックフォーム、2つの耐圧球で1泊2日潜航、倒立潜航が可能、燃料電池とリチウムイオン電池、研究者2人+操縦者2人、マルチナロービーム/サイドスキャン/サブボトムプロファイラ、音響水中映像、観測窓の直径25cm、iコパイ、平べったい形状で水中グライディング可能。バリヤブル・バラスティング・システム、非常用ショットバラスト、レーザーレンジファインダ、4台の<小亀>を搭載。その支援母船<するが>(約8000トン)
・深海巡航探査機<りゅうぐう>、無人探査機<かいえん>、その支援母船<さがみ>(約3000トン)
・深海掘削船<いざなみ>:30年前に建造された<ちきゅう>の後継船。全長250m、幅42m、総トン数6万3000トン、デリックの高さ120m、水深6000mで海底下1万5000m掘削可能。無人探査機<シール1、2>搭載、マントルまで16kmを3週間で掘れる。最大150人、潜水船を搭載可能。超高圧高温培養システム『ミニマントル』(4000気圧、350度C)を搭載。
・米1万m有人潜水船<フォナーリ>、<しんかい6500>と<よこすか>、<ハイパードルフィン>、中国原子力?深海調査船<先駆者>が登場。

(琉球語)
サバニ:琉球地方特有の形状をした漁師のくり舟
ムヌチ:物知り、市井の巫女的存在。ユタ。カンダーリ:神憑かり、スータガマリ:霊高生まれ
ウンガン:拝所/御獄
ハイドィナン:南与那国島、伝説の楽土、パイパティローマ:南波照間島、ニライカナイ:神々の世界
ダマヒルミ:八重山、ダティグチディ:屋手久頂上(与那国島の東部にある史跡のひとつ)、ティンダハナタ:与那国島の中部北側にある場所の地名
トゥラヌハカディ:北東の風
ニーバイ:屋敷神
キディムヌ:木霊、ンニムヌ:悪霊、マディムヌ:魔物
ダヌカン:火の神
ムドゥルヌチ:深海の神様
オナリ神:姉又は妹神(琉球語)/ブナイガン:姉妹神(与那国の呼び名)
オペレーション・ヒヌカン(火の神、ここでは神様ネットに接続してくれるプロバイダーみたいなものの意味)
フチヌマブイクミ:星に魂を戻す儀式、マブイクミ/マブヤクミ:魂を戻す儀式
ウガンフトウテイ:豊年祭、アマグイ:雨乞い
ビディリ:霊石
イチタライ:石の容器
ディンウヤシ:沖縄で神事の際に、紙銭や半紙などを燃やして泡盛をかけ、神様にお金や反物を贈る儀式
トウニ:邑根
カァブ:司、イチカ:石司
アミナグ:揺りかご
ドゥグティ:門口、マイソガティ:障壁
ワヌダー:ブタ小屋
シダディ:与那国の伝統的な織物。ブナイティサージ(姉妹手拭い)とも呼ばれる。

(略語)
JESTA:地球科学技術局(Japan Earth Science and Technology Agency)。
OREI:沖縄資源探査研究所
HMS:隠れマッドサイエンティスツ
ISEIC:Inter-Sphere Embedded Information Cloud, 圏間基層情報雲理論。<森知性>論の発展形。
OGUBA:酸素発生型呼吸装置、通称エアジェン
PQC:ポータブル量子コンピュータ、<ストーンリーダー>、お化けノートパソコン
ESJ:環境保護団体アースシップ・ジャパン
fMRI:機能的磁気共鳴画像
MEG:脳磁図
PET:陽電子断層撮影
PETS:圧電電子伝達系
CNTRP:カーボンナノチューブ強化プラスチック
RETTDASS:リアルタイム三次元音波探査システム(Real-Time Three-Dimensional Acoustic Survay System)
LCAC:エアクッション型揚収艇
PTCS:圧力温度保持コアサンプラー

(登場する生物)
海中:ストロベリーサンゴ、エダミドリイシ(造礁サンゴ)、アワサンゴ、アオサンゴ、ハマサンゴ、キクメイシ(塊状)、ミドリイシ(枝状)、ウスコモンサンゴ、リュウキュウキッカサンゴ、サンゴイソギンチャク、イボヤギ、イソバナ、カイメン、ウミユリ、リュウキュウスガモ(海草)
ツノダシ(熱帯魚みたい)、ヘラルドコガネヤッコ、ブダイ(黒い)、ソラスズメダイ、タカノハダイ、カゴカキダイ、ノコギリダイ、クロモンツキ(ニザイダイの仲間)、デバスズメダイ、タテジマキンチャクダイ(愛称タテキン、熱帯魚エンゼルフィッシュの一種)、スズメダイ、クマノミ、ハマクマノミ、チョウチョウウオ、ツバメタナバタウオ、キヘリモンガラ、ムラサメモンガラ、クログチニザ、モンガラカワハギ、メガネクロハギ、オニボラ、サザナミヤッコ、ダツ(細長い魚)、オニカマス(バラクーダ)、ハギ
ウツボ、ギンザメ、アカシュモクザメ、ツノザメ、アオリイカ、ナマコ、オオイカリナマコ、ウミウシ、キイロウミウシ、テッポウエビ、コシオリエビ、ショウジンガニ、アオウミガメ
貝類:クボガイ、バテイラ(シッタカ)、カンザシゴカイ、ナギナタシロウリガイ、シンカイヒバリガイ、ゴカイ、シャコガイ
陸上植物:オオタニワタリ、フクギ、アカバナ(真紅の花)、ユウナ(黄色い花)、シークワシャー(柑橘類)、ポインセチア、芭蕉の木、クロトン、ススキ、ガジュマル、アコウ、スゲ、アダン、ヤラブ(テリハボク)、クサトベラ、センダングサ、タビラコ、スゲ、ハマヒサカキ、クバ、パパイヤ、ウラジロガシ、スダジイ、ビロウ樹、ンバ(カニクサ)、クロキ、ギンネム、タブノキ
その他:マダラサソリ、ユカタンビワハゴロモ(昆虫)、ヨナグニサン/アヤミハビル(蛾)、コオロギ、スズムシ、キリギリス


(横浜研開架)

2015年12月2日水曜日

海の指(霧界) 飛浩隆

2014/10/14

http://www.moae.jp/comic/uminoyubi/1
本作品は木城ゆきと『霧界』として漫画化され、2014年10月28日(火)発売の「イブニング」22号にて掲載された。
世界が【灰洋/うみ】に支配され、21世紀の中ほどまであった世界はそっくり消え、人類は1千万人くらいは生き残っている。
灰洋は水ではなくそれに触れた物質は一瞬で極微に分解され流体の一部となってしまう。灰洋は極地から赤道まで地球全域を覆っているらしい。海洋の100パーセントと陸地の99パーセントは、灰洋と化した。
舞台は〈霧〉によって灰洋の侵食を免れている陸地の一つである【泡洲/あわず】。灰洋には地球が可逆的に符号化・圧縮されており、音響工作によって遺物を引き出すことによって人々は生活している。
いくども〈海の指〉が町を襲い、異国の巨大建築が〈海の指〉によって灰洋の底から【陸地/おか】に大量に押し出される。