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2016年5月5日木曜日

マグラ! 光瀬龍

1963年 河出文庫『怪獣文学大全』1998

 日本海溝に投棄された放射性廃棄物でマグロが突然変異。
http://homepage3.nifty.com/DS_page/higashi/kaiju.htm

光瀬龍「マグラ!」は、<SFマガジン>での初出の際に「東宝映画化」と銘打たれた本格的な怪獣小説。放射能汚染により変異を遂げた巨大魚が強烈な電撃を武器に人間を餌食にする。前記<幻想文学>に再掲されていた挿し絵には凄いインパクトがあった。

 執筆時の状況は作者により書き下ろされた巻末エッセイに詳しい。これを読むまでマグラという名のいわれには気づかなかったのは迂闊だった。

2016年5月4日水曜日

北極基地/潜航作戦:Ice Station Zebra アリステア・マクリーン

1963年 高橋泰邦翻,ハヤカワ文庫NV)) 1973/6/30 1983/7/31)/『原子力潜水艦ドルフィン』(高橋泰邦翻訳,講談社 )/「北極基地/潜航作戦」(1966/8映画)

 北極海の、現実の氷山島、科学観測とか軍事面で利用されたことがらみ。原作と映画ではかなりテイストが異なります。
 
 映画は典型的なスパイもの。原作は変格派のミステリーとしての側面が強いです。
 英国の北極観測基地が大火災を起した。原子力潜水艦ドルフィン号が救出に向った。火災はスパイの仕業らしい……。北極海に展開する豪快な海洋スパイアクション。(by 永瀬唯さん)

2016年5月2日月曜日

イルカの島 アーサー C. クラーク

1963年 創元SF文庫

 家出少年ジョニーが密航した船が沈み、イルカたちに助けられ・・・。

イルカ放送 レオ・シラード

1963年 みすず書房

 冷戦下、仮想敵国同士の科学者たちが「海洋生物を研究する」というあたりさわりのないテーマを口実に、各国協力で研究所を設立させる。

 そこで、ある日「イルカとの対話が実現した」と発表し、政治や経済に関する「イルカの提案」を発表し始める。これをイルカ放送と称する。また「イルカの提案に基づき」資金を巧妙に運用し、莫大な利益を生む。

 それを原資としてさまざまな事業や国際組織を運営し、たとえば、ある国のタカ派の要人を高給で引き抜き、閑職に据えたりする。これらの活動を経て、世界の経済は安定し、戦争の危機が生じるたびにそれを回避し、冷戦は収束してゆく。

 そんなある日「イルカ放送」は突然大火事で焼失し、研究資料もいっさい失われてしまった。
という、シラードが常々提唱していた「科学者の方法で政治を行う」とこうなる、という近未来SFです。当時の時代背景からすると、けっこう面白く読みました。 (by Y.Fuyunoさん)

2016年5月1日日曜日

南海の迷路 デズモンド・バグリイ

執筆1963前、出版1986、ハヤカワ文庫

 1962年が舞台の海洋冒険小説。執筆されたのは作者がデビューした63年より以前に執筆されたものが、作者の没後1986年に出版されたもの。

 海洋学者の兄弟(性格は対称的)が中心的人物。大量だが採取コストの高さゆえに採算のとれないマンガン団塊。ところが死亡した弟の遺品にあったマンガン団塊には10%ものコバルトが含まれていた。兄はどこで採取されたかを推理する・・・。

 マンガン団塊の成因、品位と海洋環境・火山活動との関係についての議論が出てくる。SFではないが、執筆当時、まだ発見されていなかったはずのコバルト・リッチ・クラスト(1980年代に発見)や熱水鉱床(1977年に発見)を予言しているともいえる作品。

2016年4月28日木曜日

船の工作模型 カヌーから原子力船まで20種 豊島要

設計工作教室9、誠文堂新光社 1963年

 モーターボート、灯船、外輪船、ショウボート、太平洋単独横断のマーメード号、ガレオン船、ヘンリーIII世の御座船、ネルソン提督のビクトリア、蒙古の軍船、練習帆船の日本丸、米ミサイル艦キャンベル、原子力商船サバンナ、大和、くれない丸、てるづき、空母レキシントン、三笠、近海漁船、砕氷船ふじ

2016年1月11日月曜日

サブマリン707 小澤さとる


1963年~1965年/少年サンデー 1993年/ラポート(株)

サブマリン707 レジェンドBOX潜航編 (復刻名作漫画シリーズ)
http://www.amazon.co.jp/dp/4778032470/
小学館 (2013/8/23)
サブマリン707 レジェンドBOX雷撃編 (復刻名作漫画シリーズ)
http://www.amazon.co.jp/dp/4778032489/
小学館 (2014/2/28)

 1963-65に連載。TVで「鉄腕アトム」や「エイトマン」や「鉄人28号」が放映されていた時代。海底基地を根拠地とするU結社、ムー海底王国とムー潜隊、大ジェット海流と原子力潜水タンカー、巨大潜水空母アポロノームといった海中を舞台とするSF漫画で、現在活躍する漫画家、メカデザイナー、若手監督に大きな影響を与えた。

 このレジェンドBOXは少年サンデー連載全話を当時のカラーページとともに再現。「サブマリン教室」完全版、未発表新作707ゾーン(副長が女性。兵装なし。一部、鉛筆描き原稿)を収録。ずっと見たかった長岡秀星氏による707図解が縮小画像ではあるが掲載されている。

 自衛隊の潜水艦707(ナナマルナナ、<うずしお>、初代は米ガトー級)が活躍する海洋冒険漫画。707二世の外観はプラモデルとCGのウェブ”ワタ艦”を参照。

  U結社、巨大潜水艦母艦の<Uキャリアー>、海底のムウ帝国、ジェット海流、潜水タンカー、音響による魚群制御などが登場。3隻合体型潜水空母<アポロノーム>編の途中でアシスタントの大怪我により連載中断。それから2年後の単行本で<アポロノーム>の自爆という意外な結末により、サブマリン707は永き休眠に入る。

 ラポート版では、用語解説、少年サンデーに連載されていたサブマリン707教室、プラモデル教室、小澤さとるの遊方村短信も掲載されている。

海底軍艦 東宝

東宝 ●実写,1963

押川春浪の原作とはかなり異なる雰囲気の作品。
 戦時中、神宮司大佐を艦長とする〈イ号403〉は出航後に行方不明となる。20年後、1万千年前に一夜にして海底に沈んだムウ帝国から脅迫フィルムが届く。そこには行方不明だったイ号403の姿が。神宮司大佐らが南海の孤島で密かに建造している「轟天号」の建造を中止し、世界をムウ帝国皇帝陛下に返還せよというものだった。一笑に付した国連会議に対し、ムウ帝国はパナマ運河、ベニス、香港を破壊する。ムウの潜水艦を追跡する最強の原潜<レッドサターン号>(715)は水圧に押し潰されてしまう・・・。

 空を飛び、ドリルで地中も掘れる<轟天号>のデザインは40年経っても魅力いっぱい。サンダーバード(1966)よりも先の作品であり、「ジェットモグラ」はどう見ても<轟天号>に触発されたとしか思えない。冷線砲(絶対零度)を搭載。高速飛行中及び地底掘削注は上部構造物が船内に収納される。龍の姿の怪獣『マンダ』がムウ帝国の守護神として登場。

 ムウ帝国の沈んだ時期を1万2千年前としたところが注目される。氷期から間氷期に移行する頃、突然、寒冷化したヤンガー・ドライアス事件に当たる。 150mの海面上昇は約5千年の間のゆっくりしたものであるが、フィリピン~インドネシア~オーストラリアの広大な大陸棚が氷期にどのような環境だったか、ひょっとして文明が栄えてもおかしくなかったのでは。

=>海底軍艦(generalworks) =>空想科学模型のページ>海底軍艦あれこれ(tamo2さんのサイト)* =>MechaniShade(Yasuhiro Kondoさん) =>海底軍艦(洛介さんのSanctuaryより) =>Pangea Film(撮影監督 重枝昭典さんのサイト)
>海底軍艦

http://www.fukkan.com/vote.php3?no=10299

2015年12月18日金曜日

ペルシダー・シリーズ エドガー・ライス・バローズ

    1963年

「危機のペルシダー」(1915)
「地底世界ペルシダー」(1922)
「戦乱のペルシダー」(1929) 部内留保
「地底世界のターザン」(1930)
「栄光のペルシダー」(1937)
「恐怖のペルシダー」(1944)
「ペルシダーに還る」(1963) 部内留保
 地球空洞説に基づく。地上から<鉄モグラ>(全長30メートル、回転ドリル付き)で地中を800km掘り進むと、地球中心に発光核が輝き、陸地と海洋が凹面に広がる地底世界ペルシダーに到達。そこには石器時代の人類と恐竜が住んでいた。
 「戦乱のペルシダー」ではコルサール人の首領エル・シドの娘で金髪美女のステララと、イネス皇帝の第一副官ガークの息子タナーとのロマンスが中心。
 「ペルシダーに還る」ではウース王の娘で金髪美女のオー・アアと、イネス皇帝の伝令である疾風のホドンのロマンスが中心。美女ダイアンが飛行船で行方不明になる・・・。ヒューゴ賞を受賞。

=>エドガー・ライス・バローズのSF冒険世界(長田秀樹さんのサイト)>地底世界シリーズ(PELLUCIDAR series)/作品データ(1914~1942)
=>At the Earth's Core/Pellucidar(英原文)
=>ペルシダーに還れ(オリジナル小説、全長30mの地殻掘削機<鉄モグラ>登場)

2015年12月15日火曜日

少年台風(タイフーン) 小澤さとる

1962-63、少年、1965、少年キング 1963年

 喧嘩友達の風間大助、山川三太の2人。三太はある事件で右腕を打たれ、美土路博士によって右手をサイボーグ化される。2人は、少年台風第二期生に選ばれ、原子力空母100<台風>(巡航速度18ノット、全速48ノット、排水量7万トン)に乗船する。
 S王国大臣ベリヤ男爵は、5000~8000mの深海で3000人が5年間居住することができる大潜水住居<マイゼッター号>を開発する。ところが、野望を持つブルースコット将軍に奪われ、潜水戦艦として各国の艦船を次々と撃沈する・・・。
 <サブ・タイフーン>、<フリゲート・タイフーン1>、<同2>も登場。

2015年12月9日水曜日

インド洋のビーチャジ号 イ・クレプス

原著1963年、東海大学出版1978

 ソ連の科学アカデミー海洋研究所に所属する海洋調査船「ビーチャジ号」の航海記。
 翻訳者の押手北海道教育大学教授の解説によると、本書はビーチャジ号1959-60年の航海記。ビーチャジ号は1949年に研究航海を開始。5,546トン、速力14.5ノット、50~60人の科学者を乗せ、12の研究室があり、客船並みの居住設備という。
 12,000mのテーパード・ケーブル、大口径の柱状採泥器、高性能測深器、深海用錨、34mの長い柱状試料の回収実績もある。マリアナ海溝でビーチャジ海淵11034mを測定した。600mのストリーマケーブルによる反射法探査、オッタートロール、深海用リングトロール、各層トロール(イザックス・キッド・トロール)、シグスビー・トロール、プランクトンネット、ドレッジ、アンカー・ブイ(自記流速計BPB)、GEK-EMIT、200リットル大型採水器による放射性ストランチウム測定
1977年にアルヴィンが発見して新しい門かと騒がれたチューブワーム(ハオリムシ)が属するPogonofora(ポゴノフォラ)をドレッジでたくさん採取された時のことが紹介されている。ポゴノフォラ(有鬚動物)は最初に発見された頃は多毛類の一種と考えられていたが、その後、口も肛門も、消化管一切が存在せず、多毛類とはまったく異なることから、動物界のすぐ下の独立門とされた。この有鬚動物はヒゲムシ綱とハオリムシ綱からなる。現在は、分子遺伝学的に多毛類又は環形動物に含められている。
 アラビア海の酸素極小層600(密度躍層の下限に一致)~1000m、、硫化水素バクテリアが作る硫化水素が原因、モンスーン深層水の湧昇、魚を大量死させるべん毛藻Hornellia marina
植物プランクトンによる有機物の生産量の測定、酸素量の増加→C14

・ピノグラドフ:調査隊の指揮。科学アカデミー会員。プランクトン班長
・ボゴロフ教授:調査隊長/船長。プランクトンの専門家<br />アレクサンドル・ステパノビッチ・ソロビエフ:管理・財政面の責任者(交代)
・ヒトロフ:最年長
・ベリャーエフ:底生生物班長
・ニーナ・ピノグラドフ:底生生物班員。大洋底動物群を研究
・ラス:魚類班長<br />イワノフ教授:レニングラード出身の動物学者でクレプスの旧友
・デルガチェフ:トロール主任
・カシヤノビッチ・ヒスノフ(カシヤニッチ):魚類班員。元腕のいい機関士。魔法のように網を操る。
・グレボーフ:航海班、漁の名人
・ボローニナ:音響測深器を用いたプランクトン分布の研究
・ナターシャ・ボロニナ:女性研究者
・ベズルコフ教授:海洋地質班長、背が低くてずんぐり。経験豊かな若者
・ウジンツェフ:地質学者
・ボルドフスキー:地質学者、優れた水中の狩人
・ベローソフ:学術事務官、地質学者、どっしりした頑丈な体
・モキエフスカヤ:水質化学班長。小柄で太っていて活発
・イワノフ・フランツケビッチ:水文学班長。経験豊かで落ち着いた海洋学者。ビーチャジ号の貨物船からの改造に関与。船長の第一の補佐役?
・オフチンニコフ:水文学班員
・ヒトロフ:放射線化学班長、若くて有能な放射線科学者、詩の愛好家で批評家
・コトリャーロフ:若い放射線技術者
・イ・クレプス教授:著者。放射線化学班、レニングラード出身。よく知られた生理学者、生化学者
・オルロフ:放射線化学班、化学者、最近モスクワ大学を卒業。詩人でスポーツマンでチェスのチャンピオン
・コノバローフ:海洋機械班の技師
・イリーナ・スハノバ:女性研究者
・ザベルニン:優れた予報官、優秀な若者
・イゴーリ・ワシリェビッチ・セルゲエフ:ビーチャジ号を指揮(船長ではない?)
・エフゲニー・アンドロビッチ・アウラメコ:先任副長
・ルツコフスキー:機関長
・アンドリエフスキー:1等機関士
・コノバロフ:機関部員、水中銃の名手
・イサエフ:機械修理係、火夫長の一人
・レオノフ:無線航海士、電波航法装置の主任
・パウロビッチ:衣服係
・クズミニッチナ:最古参
・アスチョーフ:老錬な電気技師
・リスニャンスキー:老練な電気技師助手
・グジャ-ビン:医師、堂々とした体と愛想のいい笑顔
・ニキホロビッチ:船医
・レバインス:二等航海士、副当直、優れた水中の狩人
・マルコフ:水夫長、調査に重要な役割。先任副長の片腕

(横浜研開架)