2016年5月1日日曜日

南海の迷路 デズモンド・バグリイ

執筆1963前、出版1986、ハヤカワ文庫

 1962年が舞台の海洋冒険小説。執筆されたのは作者がデビューした63年より以前に執筆されたものが、作者の没後1986年に出版されたもの。

 海洋学者の兄弟(性格は対称的)が中心的人物。大量だが採取コストの高さゆえに採算のとれないマンガン団塊。ところが死亡した弟の遺品にあったマンガン団塊には10%ものコバルトが含まれていた。兄はどこで採取されたかを推理する・・・。

 マンガン団塊の成因、品位と海洋環境・火山活動との関係についての議論が出てくる。SFではないが、執筆当時、まだ発見されていなかったはずのコバルト・リッチ・クラスト(1980年代に発見)や熱水鉱床(1977年に発見)を予言しているともいえる作品。

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