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2016年1月4日月曜日

日本沈没 小松左京

カッパ・ノベルズ(上下巻)、1973年、星雲賞受賞、東宝

1万mバチスカーフ<わだつみ>登場。

リニアモーターカー超特急、超音速ジェット機SSTの時代。
 ガソリンを浮力材とするバチスカーフ型深海潜水艇<わだつみ号>(母船:気象庁観測船「第三大東丸」1800トン)、仏深海潜水艇<ケルマディック>が登場。<わだつみ号>が小笠原海溝の水深7000~8000mの間に、3ノットの底層流、密度飛躍層による内部定常波、多量の重元素イオンを含む深部散乱層(DSL)、乱泥流(タービダイト)の発生を目撃する。次世代バチスカーフとしてリチウム!を浮力材とするもの(フランス・ベルギー共同開発のリチウム・マリン)を想定していたのがおもしろい。

2016年1月2日土曜日

日本沈没 第二部 小松左京 谷甲州

2006.7.7、小学館

 日本が沈没し、日本人が世界各地に入植してから25年後。日本はかつて北陸地方の白山だったところが岩礁として顔を出しているだけである。日本政府は砕氷艦「しらせ」を改造した政府専用船「しきしま」上に移されている。

 入植に成功した地域もあれば、苦難にあえぐ地域もある。日本人のアイデンティティが薄れつつあることに危機感を募らせる日本政府は、かつて日本があった場所にメガフロートによる洋上国家を再建しようとする。一方、オーストラリアに移設された「地球シミュレータ」は日本沈没の際に大量に放出されたエアロゾルの気候への影響をシミュレーションしていた・・・。

 終盤の運命の出会いなど33年前の「第一部」を読んでから「第二部」を読むべし。

http://space.geocities.jp/lepi0628/sf/japan_sinks_2.htm
(Owl共和国より)

日本沈没(樋口監督) 小松左京

東宝 2009年

リメイク版

(部内留保)

2016年1月1日金曜日

日本沈没 一色登希彦&小松左京

週刊ビッグコミックスピリッツ連載、BIG SPIRITS COMICS、全15巻完結 2009年

1.地下の竜巻
セミが鳴く11月:海底開発(株)深海潜水艇パイロット小野寺俊夫(デラさん)と結城慎司は新宿の居酒屋「雑種天国」(クロス ブリード パーク)で東京消防庁ハイパーレスキュー阿部玲子、田所雄介博士に出会い、そこで雑居ビルの沈没という異変に遭遇する。

12月:伊豆地方にM6.5の地震、天城山が噴火。廣田五月 官房長官、緒方茂弘 総理、邦枝康雄 総理秘書官、幸長伸彦 M大助教授、山城T大名誉教授、渡老人
「わだつみ9000」の整備中の絵

2.日本海溝
 A新聞の辰野竜一、母船ヌーデブランク、わだつみ9000はしんかい6500の最新高性能型。全長9.5m、全幅2.7m、空中重量26.7トン、H社製感応フィードバック型次世代タイプ極環境マニピュレータ
 深海底行動支援システム”レモラ”(REMOvable Research Assist、コバンザメ)を実験的に搭載。多数のTVカメラと車輪付きREMORA 1(タガメ号)、レフ板付き照明(あるいはLED照明パネル?)で遠隔照明を担当するREMORA 2/Rと2/L(ゲンゴロウ号)の3台から構成され、360度の視野をもたらす。
1万mまで3時間弱。なぜか9580mからさらに数十m潜航。マネキンの首。日本海溝の底は大量の重金属イオンによる密度躍層にしてDSL(深部散乱層)、1万500m以上

3.D計画
 1月1日:伊豆大島の三原山が大噴火。相模湾を襲った津波で死者・行方不明者21万3000人。「相模湾地震大津波」。
 中田一成(心理学/情報科学)。中・長期災害対策委員会A室(気象・地学)、B室(経済対策)、C室(立法準備)、D室/D計画

4.古都消失
 1月11日:京都大地震M8

5.推論、帰結ス。
 一万m級深海潜水艇”ケルマディック”:弱電流で作動する振動素子で推進。居住区を回転可動式にすることによって、潜航速度毎分300m。1万mまで40分足らず。全長9.7m、全幅2.7m、空中重量12.9トン、深海底行動支援システム”レモラ2”及び”レモラ3”を搭載。母船はホバークラフトLCAC改から工作艦「よしの」

「よしの」:”地球シミュレータシステムII”(TSSII、地球シミュレータより実効性能で千数百%上回る。ピーク性能 500テラフロップス以上、記憶容量200テラバイト、ノード間転送速度205ギガバイト以上)を搭載。マントル錘(コーン)モデル。日本列島を載せた錘が回転しながら相転移で痩せた分だけ沈む。
”わだつみ9000”:海底開発株式会社所属。母船ヌーデブランク号(うみうし)
元旦:相模湾地震津波(死者20数万人)、1月11日:京都大地震(概算死者50万人)
1日に50基のロボットセンサーを設置。1日に4~5回の潜航、ショットバラスト、バイザー、342日目で沈没

6.記憶喪失の国、記憶喪失の首都(2007.5.2)
 今回は京都大震災のあと、いよいよ第2次関東大震災が描かれる。
 まず、
日本人は過去の災害をどうしてほどよく忘れてしまうのか?
関東大震災で14万2千人が死んだ場所に、どうしてこんな大都市を作り上げるのか?
どうして今度は想定死者1万1千人で済むなどと言えるのか?(政府の中央防災会議の予測数)
という問い掛けから始まる。

乗車率数百%の列車(3千人以上が乗車)が1千本単位で走り回り、数百万台の自動車が走り回り、200トンもの重量の飛行機が分刻みで離発着し、揺れが増幅する高層ビルの建ち並ぶ首都圏で何が起こりうるかを問う。
途中はちょっと書けない。
終盤、過去の悲劇を忘れまいとしてきた人々による救援活動が描かれている。内容は、
・現地に乗り込んで活動する「前線組」に加えて、後方に留まって情報・人・物資の発信地・中継地となる「後方支援組」という参加方法がある。
・携帯・無線LANの無料開放によるインターネットを活用し、かつ、SNSなど半開放型システムと連携して支援する個人間の案内を可能としている。
・支援ウェブサイトが微に入り細に入り階層化されたマニュアルによって、賛同者がほとんどのケースに対応できる「安心」が得られるようになっている。

7.安部玲子

8.冥府、火の国
 緒方茂弘総理は5時間後の阿蘇噴火と一年以内の日本沈没を国民に通告し、熊本城に籠城する。

9.日本沈没阻止計画
 山城は核爆弾を使用する「日本沈没阻止計画」(A計画)を提案する。沈みゆくマントル錐(コーン)同士の接点に、海底地殻掘削船で発破をかけるというもの。爆発の衝撃でスマトラ級の数倍の津波が環太平洋地域を襲う。
 中田らは「A計画解体」作戦として、世界海洋財団《W・O・F》総裁ケヴィン・ゴドレイの出資のもと、スフェロマック型プラズマ核融合炉(庵野秀明がデザイン)を動力源し、カーボンナノチューブを構造材とする渦流生成加速装置VGAによる渦流爆縮で津波の位相中和を行う。 
 山城らのA計画に従事していた結城慎司は、真実を知って「A計画解体」作戦に加わり・・・。

10. 奇跡の価値・奇跡の代償

11.すばらしい日々
 7月、予測された完全沈没まであと6カ月。富士山が噴火し、フォッサマグナ大崩落しようとする中で、国外退避計画「D-2」が進められる。郷六郎が代表となる「D計画民間機関」に列島各地で海外脱出を待つ人たちのキャンプを運営する。

12.彼らの日々
 国土の27%が水没。

13.やまぬ雨の中で
 国連の日本救済特別委員会は日本人を受け入れる条件として、財産没収、使用言語の指定、生命の決定、居住地の決定と移動の制限は受け入れ国の権限とすることを通告。その受託を決する権限を持つ日本の代表として「D計画」民間組織の郷六郎代表を指名する。

14.沈み行く国
 緒方総理、富士山噴火の噴石により死亡、廣田五月が総理代行に。
 停滞する巨大台風のもと沈鬱な気持ちで日本を去ろうとする国民に、天皇が「晴れ晴れとした心のもちよう」で旅立つようことの言葉を伝える。

15.日本沈没
 中央構造線の崩壊、東南海複合大地震の発生により200万人が死亡。小野寺は記憶を取り戻して失踪し、安部玲子が「D計画」民間会社の3代目代表となる。
 小野寺は八丈島でマコの死を看取り、筑波で片岡らを救出し、かつて新宿と呼ばれた場所で結城の子を宿す結城まなみとナベさんを救出し、渡老人に頼まれて花枝を救出し、そこで玲子と結婚式をあげ、日本列島最後の生存者ニホンオオカミを救出して・・・。

=>一色登志彦公式サイト

(横浜研開架)

極冠作戦 小松左京

徳間文庫「本邦東西朝縁起覚書」に収録 1973年

 月は人口30万人で自給自足している時代。地球では大気中二酸化炭素の増加等によって平均気温が7度近く上昇、平均湿度は20%も上昇。「地球の金星化現象(ヴィナサイゼーション)」によって150~200mもの海面上昇に見舞われる。21世紀半ばに140億人を超えた地球人口は七十数億人に。トウキョウ、オオサカ、ニューヨークなど世界に28ある海上都市。トウキョウ市は人口120万人、6千万トン、核融合型原子炉で約15ノットで航行可能。十勝に新日本市が建設中。地球の高温多湿化は環境の変化だけでなく人類の知的活動の低下をももたらしていた。

 極冠計画とは、使用停止されているのべ数万キロの原油輸送管を中緯度から南北両極まで巡らし、中緯度帯の空気を大量に吸い込んで炭酸ガスを分離し、高圧縮のうえ極地で放出してドライアイス化させる。洪積平野を快復して陸上植物の自然繁殖可能面積を増大させることによってさらに大気組成を変化させる。

復活の日 小松左京

ハヤカワ文庫SF 1974年

 196X年、-10度Cで増殖を開始、-3度Cで増殖率が100倍に、5度Cになると猛烈な毒性を持ち始めるという<MM-88>ウイルスが密かに持ち出され、それを積んだ小型機が嵐で墜落する。やがて猛烈な感染力のインフルエンザ「チベットかぜ」、神経性の心臓麻痺「ポックリ病」が人々を襲い、「ニューカッスル病」が鶏を襲う・・・。

 南極に生き残った1万人の人類に残された原潜として<ネーレイド号>(6000トン、二重反転プロペラ)と<T-232>が登場する。ウイルスという不思議な存在と、地球上での生物進化の過程が非常に詳しく書かれていて、小松左京の凄さに驚かされる。

 実話として、原子力船「むつ」は当初原子力砕氷観測船として計画されていたが、1967年に特殊貨物船に仕様変更されている。本書ではなんと当初計画のまま原子力砕氷船「知床」として南極観測に就役している設定でビックリ。5トンコンテナを運べるサムソンヘリ3機、ブリストル型大型ヘリ2機を搭載、巡航速力28ノット、砕氷能力8m以上(蒸気砲と動力砕氷器を併用)。

(横浜研開架)

人魚姫の昇天 小松左京

角川文庫「明日の明日の夢の果て」に収録 1980年

 水中40mの海底居住区に住む”水中人種”の第三世代の娘マヤ。”改造イルカ”の水中レスキュー部隊が宇宙船の墜落を告げる。宇宙船パイロットを助けた娘は恋に陥り、自分の体を宇宙に適応させるよう女医に頼み込む・・・。

さよならジュピター 小松左京

ケイブンシャ文庫/徳間文庫 1982年

 火星で極冠融解作戦「オペレーション・デルタ」が実施され、D6氷床の下からなんとナスカ絵が現れた! 小惑星セレスでの発見に次ぐ大発見だ。

 木星のミネルヴァ基地では、外惑星域での人間活動を支えるため、JS計画(木星太陽化計画)が進められている。木星大気内に長さ140 kmもの未確認物体、木星幽霊(ジュピター・ゴースト=JUDO:Jovian Unidentified Drifting Object)がたびたび観測され、木星大気圏深部探査艇<JADE-III>(Jovian Atmosphere Depth Explorar)が母船<ミューズ12>とともに探査に向かう。

 一方、12、3年前から冥王星軌道外からやってくる彗星の数が急減。その原因を解明するため、核融合推進ロケット「ダイダロス改III型」を積んだ超遠距離高速宇宙船<スペース・アロー号>が彗星源に向かうが・・・。

(横浜研開架)