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2016年4月30日土曜日

海竜めざめる:The Kraken Waken ジョン・ウインダム

ハヤカワ文庫SF,星新一訳/「深海の宇宙怪物」(SFこども図書館3)、福音館書店〈ボクラノSF〉シリーズ2009.2.25

 主人公のEBC放送局の記者マイク・ワトソンと、その妻でノンフィクション記事の得意なフィリスは、新婚旅行の客船上で5つの赤い火球が次第に高度を下げて海中に次々と落下したのを他の乗船者とともに目撃した。

 それから2年後、火球が領空侵犯で撃墜されるケースが続出。これらの飛行コースを水路測量図に書き込むと、水深8000m以上のいくつかの海域に集まっていた。英海軍は水深7千数百m以上のケイマン海溝で調査を行うことになる。2人の技術士官が乗った潜水球「バチスコープ」が潜航、最大潜航深度2400mで何かが接近する報告のあと通信途絶、ケーブルが溶けたように切断されていた。続く4800m無人機「テレバス」も喪失。

 同じころ、米海軍もフィリピン沖で隊員2人が乗る潜水装置を失い、その後、アリューシャン沖でも米海軍の艦船が消息を絶つ。

 さらに3年が経過。その間に二人の間に愛児が生まれたが、18ヵ月後に突然死で失うことに。その傷を癒すために2人は世界各地を旅していたのだった。ところが米巡洋艦、ロシア船舶、ノルウェー巡視船ほか6隻の海洋調査船が相次いで沈没し、二人は仕事に引き戻されることに。

 米海軍はついにマリアナ沖で深海用原爆を投入する。その頃、ポッカーという著名な地質学者が宇宙からの知的生物が深海に移り住んできたという説を唱えていた。

 ついに潜海異生物ベイシーとの戦争が本格化し、客船の相次ぐ沈没、投下した原爆の不発と遠くはなれた海域での爆発、黒潮流域で大規模な海底工事を推測させる変色域の発生、さらには島や沿岸の街が海から来た謎の戦車に襲われ、住民が次々とさらわれていった。

 反撃によって戦車が出現しなくなったところ、やがてグリーンランドや南極の氷床の崩壊による海面上昇が始まる・・・。

 最後まで敵が姿を見せないまま物語が進行する不思議な雰囲気。海面上昇についての記述が40年以上も昔とは思えないぐらいに科学的。なんと自律型無人潜水機(日本が開発したとの設定)が対ベイシー兵器として登場する。

第四間氷期 安部公房

新潮文庫 1958年

 ソ連が予言機械<<モスクワ1号>>を開発。素晴らしく正確な天気予報、次にさまざまな経済予測を始め、ことごとく的中していった。それに対抗して、日本の中央計算技術研究所は予言機械<KEIGI-1>を開発。力試しに、水に漬けた豆がモヤシになるまでを見事に再現する。その矢先、今後は<<モスクワ2号>>が完成し、1984年頃に最後の資本主義社会が没落すると予言する。

 地球温暖化によって世界は水没し、人類は人体改造して水中の中で生きのびるという過酷な未来が予測される・・・。

2016年1月5日火曜日

海が消えた時 チャールズ・エリック・メイン

"The Tide Went Out"、1958年、ハヤカワ・SF・シリーズ 1970年

 6月7日、米英両政府により暗号名<クルミ割り器作戦>が行われた。南太平洋カルーイキ群島海域で3発の水爆が爆発。その一つは海中4マイルで爆発。それによって爆発地点の南西にあった小さな島の多くが海中に没し、北東の海域ではいくつかの新しい島が出現した。その後、世界のほとんどの大陸で異常降雨が発生。太平洋と極東では周期的な地震、津波が襲い、記録にない強大な海流、海抜の低下なども観測される。やがて次第に海岸線が遠のきはじめ、まず海運が打撃を受ける。さらに降水が減り始める。密かに大量の氷が存在する北極と南極に居住施設が建設され、一部の選ばれた人々が移住を始める一方、大多数の人々は・・・。

 地球が冷却し収縮することによって地殻の下に多数の空隙が存在し、そこに核実験による割れ目を通じて海水が流入。高温の空隙に冷たい海水が流入する衝撃で、次々と亀裂が広がり、海水が流入していくとの想定。

2016年1月4日月曜日

深海三部作:ジムくんの海てい旅行/深海の恐竜/海底の地震都市 フレデリック・ポール&ジャック・ウィリアムスン

Undersea City、海底都市、フレデリック・ポール、ジャック・ウィリアムスンとの共著、中尾明訳 あかね書房(少年少女世界SF文学全集12

深海三部作
●「ジムくんの海てい旅行」 (Undersea Quest, 海底征服?、1954, 矢野徹訳 偕成社(世界のこどもエスエフ6)
 海底三部作の第1作目。フレデリック・ポールは「ゲイトウェイ」シリーズで有名。エデンナイト(イーデナイト)の発明によって、大西洋にエデン・ドーム、ブラック・キャンプ、ゴールドリッジ、太平洋にセティス、セブン・ドーム、マリニアなど100ものドーム海底都市が建設されている。エデンナイトの発明者を叔父に持つ少年ジム・エデン(イーデン)は、海中艦隊(海底艦隊)士官学校に入校するが、そこで叔父がエムデン深海で行方不明となったという知らせを受ける・・・。
 海中艦隊の潜水艦<ポカテロ号>、潜水旅客船<スペイン号>が登場。

●「深海の恐竜(海底艦隊)」(Undersea Fleet, 1955, 講談社(少年少女世界科学冒険全集33)、「深海の恐竜」角川文庫 1978))
 地上での発展が行き詰まり、人類が海底に都市を建設し資源開発を始めた未来が舞台。海底都市は、主人公の叔父が発明したエデニットという、特殊金属の薄い被膜で防御されている。
 ある日、主人公エデン少年が所属する潜水士官学校の装備が盗み出される。その犯人を追うと水棲人であることが判明する。深追いし過ぎて、水棲人の操る怪物に包囲され大ピンチに陥った主人公らは、颯爽と現われた水棲人の少女に救われる。しかし、状況は依然として最悪であった・・・。
 某氏の『SFは半裸のネーちゃんだ。』の言にピッタリのジュブナイル海洋SFではないかと思います。また、善悪二元論に終始しない結末にも好感を持っています。(by Sayalautさん)

●「海底の地震都市」(Undersea City、海底都市、1958、中尾明訳 あかね書房(少年少女世界SF文学全集12)
 海底三部作の最後。イーデナイト装甲の発明によって、世界の深海に巨大なドームで覆われた海底都市が次々と建設されている。海底にはパイプラインや真空チューブウェイも建設されている。
 地震予知の失敗により海底都市ナンセイ・ショトウが破壊される悲惨な事故を教訓に、地球全土に地震予知網がはりめぐらされ、日本人科学者によって地震予知が可能となっている。
 インド洋ジャバ海溝のふち水深5000mに最新かつ最大の海底都市クラカタウ(直径600m、高さ300mの半球、人口75万人、洋上の300m滑走路とシュノーケル兼エレベータで結ばれている。)が建設され、その3000m地下の地震観測所<ステーションK>で地震予知研究が行われている。原子力地底掘削カー、地下20kmまで観測可能なジェオゾンデ、人工地震による地震制御技術のアイデアが登場。

海底の地震都市のみJAMSTEC横浜研に寄贈。

2016年1月1日金曜日

ハインライン作品 ロバート A. ハインライン

・『レッドプラネット』(火星)
・『ガニメデの少年』(木星の衛星)
・『栄光の星のもとに』(金星)
・『宇宙の呼び声』(火星)
・『太陽系帝国の危機/ダブル・スター』(火星)
・『ポディの火星旅行/天翔(あまかけ)る少女』(火星と金星)