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2016年5月7日土曜日

コービーの海 ベン・マイケルセン

鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち 2015.6.19
http://www.amazon.co.jp/dp/479023309X

 中学一年生の少女コービーは4年前に事故で右ひざから下を失う。コーッビーの家はフロリダのキース諸島のロンサム島に停泊しているドリームチェイサー号。コービーは”ティットさん”というボートで海に出ている間は人生をお気楽に生きていける気がする。

 ある日、いつものようにボートで海に出かけると、沖合いでエビ漁の網に引っかかって傷ついたゴンドウクジラ”レディ”を助け、そのクジラが出産した赤ちゃんクジラ”スクワート”を助ける。...

ひとつ海のパラスアテナ 鳩見すた

電撃文庫 2015/2/10及び4/10
http://www.amazon.co.jp/dp/404869247X
http://www.amazon.co.jp/dp/4048650521
http://www.amazon.co.jp/dp/B0150UUY14
...
21回電撃小説大賞を受賞。


すべての陸が海に沈んだ時代、アフターの世界でメッセンジャー(運び屋)として暮らす少女アキが主人公。ビフォアの世界の文明が誤って解読され、セーラー服が男の船乗りの制服となっており、アキはセーラー服を着て男のフリをしている。

海なき世界では朽ちた塩性樹(腐れ木)が循環海流が相殺しあう海の吹き溜まりに堆積して「浮島」(腐れ島)となる。そんな湿った樹木と海洋ゴミの塊がアフターの世界で人々が暮らす場だ。
ヒロインの過酷な試練がいささか多すぎるものの、その世界の特異な生態系と人々の生活描写が秀逸!

3巻まで刊行していて、ビフォアの人々がどこにいったか謎が次第に明らかになってくるが、まだ未完結。


http://otapol.jp/2015/02/post-2483.html

2016年5月6日金曜日

パイレーツ・オブ・カリビアン/デンドマンズ・チェスト ディズニー映画

2006年 DVD2008/06/04

 ジョニー・デップとオーランド・プルームが出演。巨大オオダコのクラーケンが帆船を襲うシーンがたっぷり楽しめる。

 幽霊船フライング・ダッチマン号は普段は海中を航行し、船員もハンマーヘッドシャーク型とかいろんな海洋モンスター風。幽霊船の船長デイヴィ・ジョーンズはヒゲがクラゲの触手というか。そのヒゲで船内のパイプオルガンを弾いているシーンはネモ船長みたい。

 もっともこの作品、第一作目の「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊」からの登場人物が何人かいるようですので、それを観てからの方がよさそう。

ザ・グリード:Deep Rising 

1998年

 海溝から浮上してきたチューブワーム状生物が豪華客船<アルゴノーティカ号>を襲う。実は巨大タコ状生物の腕。結構エグい。
=>wad's 映画メモ

2016年5月5日木曜日

滅びし獣たちの海 星野之宣

1990年 ビッグコミック・オリジナル掲載

 第2次大戦中、過酸化水素を酸化剤とするワルター・タービン搭載、8基の中距離弾道弾を搭載する試作潜水艦V100<ベーオウルフ>、ドイツ海軍の大戦艦<ビスマルク>、が登場する。<ベーオウルフ>は弾道弾発射筒の故障により行動不能となり、海流によって海の底の自然トンネル内を流され、英国内のある湖に浮上する・・・。

オイル・タンカー炎上す ブライアン・キャリスン

1986年 ハヤカワNV

 作者は『無頼船長トラップ』シリーズで有名な海洋冒険モノのオーソリティ。
 イギリスの港に停泊中のタンカーが、嵐で構造崩壊し爆発するまでを克明に描いた異色のフィクションです(実際にあったタンカー事故を調査して書き上げたとか)。

 登場人物が織り成すドラマは全くなく,ただひたすらにタンカーの構造を解説し、それが経年劣化から崩壊して行く過程を克明に描写しています。船に関する物理的なドラマ以外なにもありませんが、『渇きの海』などと共通するハードSF風味のインパクトにグイグイ引っ張られると思います。

 高校時代に読んだのですが、創作においても役に立ってくれています(by エスねこさん)

第七の空母 ピーター・アルバーノ

1993-95,トクマ・ノベルズ,全5巻

 『大和』型4番艦として何故か最初から空母として建造された『米賀』は、これまた何故か1番艦よりも先に就役し、ハワイ攻撃に旗艦として参加すべく指揮官の藤田大将座乗の下、出撃する。しかし船体が巨大すぎたため、機動部隊の集結地点である単冠湾ではなく特別に指定された待機地点であるカムチャツカに向かったが、そこで氷河の崩落に遭遇、単艦湾内に閉じ込められてしまう。

 40年程経った頃、地球温暖化の影響で海面が開け『米賀』は任務遂行のため行動を開始する。いろいろあった後、『米賀』が東京湾に帰還するのと時を同じくして、中国が打ち上げた人工衛星が故障でジェット・ロケット等の熱源に向けて片っ端からレーザーを発射するようになったため、世界の軍事力バランスは一気に変動してしまう。

 そこに目をつけたのがリビアのカダフィ大佐。各国の軍事博物館からレシプロ軍用機を買い集め一挙に中東制圧を企む。一方,多数のレシプロ機を有する『米賀』は世界屈指の軍事力として君臨することとなる。天皇陛下の命を受けて『米賀』はカダフィの機動部隊と対決するため出撃する・・・。

 タイムスリップが絡まないので、100歳を超える藤田提督以下乗員はじいさんばかりですが、みんな「真の日本人」であるため勇猛果敢に戦います。また、最近は「悪の枢軸」にも入れてもらえずすっかり影の薄いカダフィ大佐ですが、この作品では堂々と敵役を張ってます。(by MOON○LIGHTさん)

レッドサン・ブラッククロス 死戦の太平洋 佐藤大輔

1993-2002,中央公論新社,徳間書店

 ナチス・ドイツと日英同盟が世界を巻き込んだ戦争を行っている世界。既に英本土はドイツに蹂躙され、英王室と政府はカナダに逃亡。それを追うドイツ軍は反英のフランス系カナダ人を扇動、大西洋を渡ってカナダ国内で日英軍と激烈な戦闘を繰り広げていた。また,ドイツの反応弾攻撃により政府機能を喪失した合衆国は混乱の極みにあり、既に国家としての呈をなしてはいなかった。

 そんな中、日本からカナダに戦略物資を輸送する船団と、その護衛を担当する型も大きさも異なる英日混成の4隻の駆逐艦と1隻の護衛空母。一方、その船団を阻止すべく占領下のパナマから出撃する狼群。かくして北太平洋上で両者は互いの死力を尽くして対峙することとなる。

 架空の世界で,かつ護衛部隊指揮官の階級が1巻では大佐のはずが何故か2巻では中佐ときされるなど変な混乱はあるものの、日本人の手になるものとしてはかのフォレスター著「ソナー感度あり」にも匹敵する作品となっている。(by MOON○LIGHTさん)
=>;佐藤大輔ページ

ファイナル・カウントダウン 

カーク・ダグラス,キャサリン・ロス出演

 一言で言うと「グラマン社の宣伝映画」もしくは「アメリカ版戦国自衛隊」。
 ハワイ沖で訓練中の空母『ニミッツ』が突如妙な嵐に遭遇。数刻後,何も無かったかのように海は穏やかさを取り戻す。けれどもデータリンクは沈黙し、入って来るのは短波の懐メロ特集ばかり。パールハーバーに飛んだ偵察機の撮った写真には旧式艦が多数停泊する姿が写し出されており、傍受したベルリン放送は「クレムリンを望む地点まで侵攻」と伝えている。

 そして哨戒中の<F-14>は、旧式のクルーザーを攻撃する悪鬼の如き形相の日本人が操縦する2機のSNJに似た零戦を発見。指示を求められた艦長は遂に零戦攻撃を下令する。救助されたクルーザーの乗員はF.D.ルーズベルトの後継が確実視されながらパールハーバー攻撃直前、行方不明になった上院議員とその秘書。更に零戦の操縦士の持ち物などから『ニミッツ』が航行しているのが1941年のハワイ攻撃直前であると判断されることとなる。

 『二ミッツ』の戦力を以ってすれば日本機動部隊の攻撃は容易いことではあるが、それでは歴史に介入することとなってしまう。対応に悩んだ艦長の下す決断は・・・、そして『ニミッツ』は元の時間に戻ることができるのか・・・?
 この時点では新鋭艦であった本艦もいつの間にやら30年前になってしまいました。(by MOON○LIGHTさん)

ウェーブライダー(Wave Rider) ロイ・トーゲンスン

1979年 Chrysalis,翻訳:中村 融,S-Fマガジン,1990/9

 世界最速の帆走船・人工知能ヨット<ウェーブライダー>でスピード記録に挑む男は、パーフェクト巨大風波に挑み、伝説と化す。

by 少年少女海洋冒険物語(sayalautさん)

ノーラの箱船 御厨さと美

1979年 奇想天外コミックス

 1991年、ペルシャ湾上、世界最強の巨大空母<魔王号(アーティフィーンド)>(通称ビッグ・アーティ)にDNA(米国防総省防衛核兵器局)査察官ノーラ・スコラ中尉たちが乗り込む。<ビッグ・アーティ>は衛星軌道MIRV(各個誘導多弾頭)ミサイル15基、衛星高度戦闘機36機、偵察機5機、通常型戦闘攻撃機67機、哨戒機16機、レーザー連動式レーザー砲、対電磁防御ECCM,対潜ミサイルを搭載。さらに、全軍指揮機能をも持つ「ブラック・ボックス」-超伝導利用の巨大電子頭脳-が密かに設置されていた。

 ノーラたちはその<ビッグ・アーティ>をシージャックするが、全軍指揮機能を発揮し始めたブラック・ボックスはデータ導入が途切れると自爆することがプログラミングされていた。ノーラはブラック・ボックスに自爆させないよう会話を続ける・・・。

CVAN65(エンタプライズ)日本海に死す 光瀬龍

1973年 「丸」誌昭和48年7月号

 濃霧に閉ざされた日本海。
 偶然発生したソ連長距離哨戒機の墜落を巡って錯綜する情報。
 先入観と情報の錯綜による混乱、突如として『エンタプライス』に加えられる攻撃。
 そして迎える恐るべき真相・・・。

 ちなみに,前半は各種報告書からの引用,後半は証言・著作からの引用と言う形を取っており,そのテンポとも相俟って作品世界に引き込まれて行きます。(by MOON○LIGHTさん)

2016年5月3日火曜日

飢えた海 ウィルバー・スミス

1978年 1995文春文庫

 技術者が主人公で活躍する海洋SFは少ないが、本作品はその貴重な作品のひとつ。海洋冒険モノではあるが、現実には存在しない100万トン・ウルトラ・タンカーが登場するという点ではSFといえる。
 百万重量トンのウルトラ・タンカー〈ゴールデン・ドーン〉が建造されるが、コスト削減のため、単一ボイラー、推進器も固定ピッチ1軸として冗長性のないシステムとなった。この〈ゴールデン・ドーン〉で2千から4万ppmもの高濃度カドミウム硫化物を含有する原油100万トンをペルシャ湾から喜望峰を経て、メキシコ湾まで運ぶこととなった。そこに巨大なハリケーン”ローナ”が・・・。

電子帆船ジェットウインド:A Ravel of Water ジェフリー・ジェンキンズ

1981年 ハヤカワ文庫NV,1982

 17000トン、船長150m、幅21m、深さ9m、高さ53mの中空円筒形の無索具回転式マスト6本。翼型帆装(エアロフォイル・リッグ)。ダクロン製の帆は縦方向に5段分割されているが、展帆した状態では1枚の翼のようになる。風力9で22ノット。展帆・縮帆作業は人手に寄らず水圧装置で30秒以内で遠隔操作できる。人工衛星を用いた気象航法(ウェザールーティング)を採用。

 なぜか日本無線製の衛星航法装置とか日本電気製の深海用音響測深機とかも登場。
 ストーリーは、フォークランド紛争(この本の出版直後に戦争が勃発)を英国側、西側から書いていて、アルゼンチン/ソ連の陰謀に巻き込まれ、それを打ち破るみたいな話。

 これに南極大陸から棚氷が切り離された巨大氷山トロールトンガが絡む。また、ヨット単独航海で新記録を樹立した直後の新任船長と、美しい女性縫帆長の関係も盛り込まれている。

2冊部内留保

2016年5月2日月曜日

白い鯨 ロバート・シーゲル

創元推理文庫

 長老フロボが率いるザトウクジラの群(ポッド)。フルナ(フルナクヤナ)とローテの間に生まれた白いフラレカナ・フルアは、女友達のアリーア(アラリーア)といろんな冒険をする。環境保護団体の船<虹色のクジラ>との出会い、大国が洋上核実験を行おうとする・・・。

氷海のクジラ ロバート・シーゲル

1994年 創元推理文庫
/「世界の果ての氷」(?、ロバート・シーゲル、東京創元社)

 環境保護団体の船<虹色のクジラ>の船底に取り付けられていた爆弾を捨てる際に瀕死のケガを負ったフラレカナ・フルア。巨大イカ<クラーケン>との戦い。

2016年5月1日日曜日

塵クジラの海 ブルース・スターリング

1977年 2004ハヤカワ文庫FT

 惑星<水無星(みなぼし)>の赤道には深さ約110キロ、幅800キロの巨大クレーターがある。これは約10億年前に反物質隕石の集中的衝突によるもの。大気の90%以上がクレーター内に溜まり、その下方はほぼ単原子からなる塵が積もった海となっている。居住可能地域はクレーター内に限られ、しかし不思議なことに大気の希薄なクレーター外の地域に先行文明の遺跡が存在する。

 クレータ内には最大の都市「高つ嶋」、鴎半島、五星諸島(入植地アルナールほか)、足折諸島(水耕栽培場がある)、高さ110キロ、幅80キロの<崖>、堅忍(宗教と政治の中心地)、寸光湾(縦80キロ、横42キロの卵型)などがある。

 塵海最大の生物が塵鯨。空気呼吸する冷血動物で、体長20m、幅約10m、ヒラメのような形で体の大半が頑丈な髭のびっしり生えた巨大な口。全身に黒と灰色の八角形の市松模様。血液は紫色。その腸はシンコフィーネ(隠語フレア)という麻薬の唯一の原材料となっている。塵鯨は養殖されていて、一頭を殺すたびに受精卵(幅30cm、重さ25キロ)3個を塵海に散布することになっている。

 塵海にはこのほか飛び魚(パイロット・フィッシュ)を伴う鮫の群れ、オキアミ、シリコンの外殻を持ったさまざまな色と形状のプランクトン、節足動物、小魚、蟹、蛸(草食)、何百万匹も海面を埋め尽くす塵馬(ちりんぼ)、何百平方キロにも広がるリリパッドという光合成植物(一枚の丸い葉が直径何mもあり、厚さは2cm以下)、鰯もどき、葉齧り、葉掘り、茎穿ち、葉吸い、根食い、虫瘤作り、絶滅危惧種の磯巾着(成長すると)、磯巾着、がいる。

 この塵海は音響探査も光学的探査もできず、超セラミックの釣り糸で測深をしてもその測深のたびに水深が食い違い、途中で切断されてしまう。

 この海に主人公は捕塵鯨三胴船<ラングランス号>(長さ31.5m、最大幅27m、マスト4本、20種類の帆、乗組員26人)で乗り出す。ついには、この海の謎を解くために船長らは塵鯨の外殻を使った潜塵艇を組み立てて潜航し・・・。

海洋戦闘ダイバード 遠藤明範

(1) 狙われた箱舟、(2)エルザス逃走、(3) ノアの戦士、富士見ファンタジア文庫

 「機動戦士ガンダムZZ」の後番組として企画された作品。要撃潜水艇と歩行装甲に変形可能なハイドロ・シューターが活躍する。

 何者かが引き起こした「大洪水」によって海面が200mも上昇した世界。ベアトリス・ミリオン(ベア)とマシュー・ミリオン(16才)の姉弟は命の恩人イゴール・ヴィンスキーから預かった双胴型高速艇<ローズ・シャロン号>と潜水艇<ケルビン号>で水没した世界を調査する仕事を請け負っている。

 最初の舞台となるのは、陸地から10km沖合い、旧サンフランシスコの近くに浮かぶ海上都市<ダイナス・シーアイランド>は、俗称「ニューホンコン」と呼ばれ、敷地面積約2500ヘクタール、人口200万人、浮体式消波堤に取り囲まれている。

 レイトン(東側にチャタム港、ウィルの修理工場がある)、ネイザン(ベアの経営する酒場アマンダがある。)、ランタウ(工場地区)、コーズウェイ(ハドソン港がある)、ホウサダ(都市の中枢、移民局がある)、カモンエス(都市の中枢、セントラル港がある)という6つの海上都市を繋いだもの。カントン港はレイトン、ネイザン、ランタウに接している。

 第2巻の舞台は海上都市<エルザス>。16の海上都市を連結。第1地区:エルザス政庁、関連官庁、市民公園、第2地区:商業地区、第3地区:居住区、潜水空母の軍港、第4地区:海の十字軍の駐留軍本部、ヘリポート、第5地区:港、ローズシャロンが係留、第6地区:中古船舶の改造ドック、軍需工場、第7地区:軍需工場、ハイドロシューター修理用ドック、第8地区:ハイドロシューター工場、海上空港、第9地区:潜水空母等のぎ装ドック、新型ハイドロシューターの開発、第10地区:居住地区、第11地区:居住地区、第12地区:居住地区(マシューらが住んでる)、第13地区、第14地区:居住地区(ウィルが住んでる)、第15地区、第16地区(隔離地区と呼ばれている):メディカルセンターとバイオテクノロジー関連施設。

 マシューたちの仲間は謎の東洋人のクレオ・トーマ、アンジー、スー、失語症のエイプリル、ウィル・デビアス、雇われ中国人コックのフェイ。

 マイヨール財閥の盟主であり<海の十字軍>の総帥であるアルフレッド・ジーク・マイヨールは「ネオ・ノアイズム宣言」により大洪水後の世界に秩序をもたらそうとし、海上都市を次々と制圧していく。全没型水中翼船<アフロディーテ号>(小型潜水艇<ソロ号>を搭載)に乗船。大型潜水空母<バーソロミュー>、<サザーランド>(いずれも潜水タンカーを改造。全長400m、水中排水量12万トン。ハイドロ・シューターを約30機搭載)<海の十字軍>の拠点は海上都市<アーガーデン>にある。高速空母<エンデバー>、自力可能な次世代海上都市<オーディン>構想も登場。

寄贈いただいた吉田 卓さん、どうもありがとうございました。

総合海洋研究グループ 山之内照海

文芸社 2003年

 38年間教職人生を送られた著者が定年退職後に執筆した作品。海野十三のような古き良き時代のSFの香りがたっぷり。

 T山が噴火し、大量の火山灰で多くの市民が被災した。海岸に避難した人々を救助に来たのは総合海洋研究グループの救助艇だった。救助艇は人々を浮遊人工島<亀の子島>に。そこでは深海母船<海母丸>、一号深海作業船<海琴丸>、二号深海作業船<海翔丸>が建造されていた。完成した3隻は海底基地と海底牧場を建設する適地を探すためにアムステルダム=セントポール海台に。そこには未知の遺跡が・・・。

2016年4月30日土曜日

蒼のサンクトゥス やまむらはじめ

2004-2007/3、ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ全5巻完結

 新世紀初頭、宇宙からやって来た"それ"は地球上の3カ所に降り立ち、直径200kmを越える極めて異質な空間を作り出す(大降臨)。大降臨によって太平洋側の沿岸部がことごとく被害を受け、その再建は苦難の道のりであったが、十数年後、各国はどうにか新しい姿を手に入れる。

 A-NEST"(エイリアン・ネスト)と称されるそのエリア内で偶然、メタトロン・ノジュールと名付けられた希少鉱物が発見される。常温超電導を可能とするメタトロンの発見によって次世代エネルギー革命が起き、それを採掘する民間の小集団からなるコミュニティーが形成されるようになる。

"A-NEST"内では強力な防護シールドをも打ち破る激しい"嵐"が襲う。潜水艇が採掘したノジュールを船上に回収するためには、特殊な予知能力を持つ"レリクト"と呼ばれる人々のナビゲートで飛来する"嵐"を回避しなければならない。主人公治基(はるき)が入社したハルナ・カンパニーはそんな採掘業者の一つ。