2016年5月5日木曜日

第七の空母 ピーター・アルバーノ

1993-95,トクマ・ノベルズ,全5巻

 『大和』型4番艦として何故か最初から空母として建造された『米賀』は、これまた何故か1番艦よりも先に就役し、ハワイ攻撃に旗艦として参加すべく指揮官の藤田大将座乗の下、出撃する。しかし船体が巨大すぎたため、機動部隊の集結地点である単冠湾ではなく特別に指定された待機地点であるカムチャツカに向かったが、そこで氷河の崩落に遭遇、単艦湾内に閉じ込められてしまう。

 40年程経った頃、地球温暖化の影響で海面が開け『米賀』は任務遂行のため行動を開始する。いろいろあった後、『米賀』が東京湾に帰還するのと時を同じくして、中国が打ち上げた人工衛星が故障でジェット・ロケット等の熱源に向けて片っ端からレーザーを発射するようになったため、世界の軍事力バランスは一気に変動してしまう。

 そこに目をつけたのがリビアのカダフィ大佐。各国の軍事博物館からレシプロ軍用機を買い集め一挙に中東制圧を企む。一方,多数のレシプロ機を有する『米賀』は世界屈指の軍事力として君臨することとなる。天皇陛下の命を受けて『米賀』はカダフィの機動部隊と対決するため出撃する・・・。

 タイムスリップが絡まないので、100歳を超える藤田提督以下乗員はじいさんばかりですが、みんな「真の日本人」であるため勇猛果敢に戦います。また、最近は「悪の枢軸」にも入れてもらえずすっかり影の薄いカダフィ大佐ですが、この作品では堂々と敵役を張ってます。(by MOON○LIGHTさん)

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