ラベル 海底資源 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 海底資源 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年9月30日月曜日

デイアフター2020

2010年、英・ニュージーランド映画
ねたばれ:https://eiga-watch.com/ice/

2020年、世界は地球温暖化、砂漠化が進行し、南方からの難民がイギリスに押し寄せている一方、石油は枯渇寸前となっていた。
HALO社はグリーンランドの氷床で石油探査を行っている。主人公トム・アーチャー教授は同地域で地震を観測。氷床を支える海氷が溶けた水が氷河の下を流れているのを発見。グリーンランド氷床が崩壊して海面が7m上昇するとともに、大量の淡水によってメキシコ湾流が停止し、氷期に突入するとヘイロー社に警告するが、受け入れられない。

掘削リグは海氷下の2600フィート以上の海底で掘削を開始。海底下100フィートで熱水噴出に遭遇し、3人の掘削要員がやけどを負う。
トムの同僚で友人のピーターソンは現場周辺から好熱性古細菌を採取していた。

主人公らの警告を無視し、掘削リグは熱水噴出孔の掘削を強行。それによって北極海の海氷が溶け、大量の淡水の流入によって海洋コンベアベルトが停止し、イギリス全土が雪に閉ざされる。

2019年7月7日日曜日

ロード・オブ・モンスターズ

(原題:Monster Island)
https://www.banger.jp/movie/13051/

2万年前のモトゥ・タニワでは怪獣が戦いを繰り広げていた。

現在、億万長者ロジャー・フォードが率いるベンシック社は、10億ドルを掛けて開発した500トンの深海掘削ロボット〈ベンシック・ディガー〉を衛星経由の遠隔操縦(1分の遅れ)でニュージーランド北方のケルマディック海溝を調査していた。マダガスカルでマグマの流出による亜音速振動が観測されたが、それと似た現象が同海域で観測されたからだ。
水深1600mで噴気孔と噴火堆積物を発見。さらにその先ですごい量の多金属団塊を発見。サンプル回収した直後、巨大な触手に襲われて通信途絶。

ベンシック社は〈ベンシック・ディガー〉を回収するため、潜水艇母船〈ベンシック・エクスプロラー号〉を派遣。それには採掘許可申請している国際海底機構ISAの監視員の随行が条件だった。監視員サラ・マーレイは地質神話学の学位を持っていた。

現場海域の音響データではカルデラが大規模な陥没と侵食を受けていて火山の三分の一が削り取られていた。母船から発進した潜水艇は水深3400mで海底に到着するが、ディガーの残骸は見つからず、あるはずの多金属団塊もなくなっていた。そこで6本の触手を持ち、全身がウロコで覆われた巨大生物に遭遇する。マグマをエネルギー源とし、マグマの血が流れている。触手をふるうと40m級の波が発生。

空中・海中両用のドローンROVにより触手の間には巨大な口があることが判明。歯は非晶質金属又は金属ガラス。25万トンの巨体を維持できるエネルギー源としてニージーランド北部のオークランドの先のタウポ火山帯が予想された。流紋岩室火山で7万年前に超巨大噴火を引き起こしている。

この巨大生物は古代の怪獣テング(破壊者の意味)で、ロジャーらは口の中でドローンが積んだ爆薬を爆破することに成功し、テングは横転するが、全身から無数の卵を発射。卵からは有翼で火を噴く怪獣が生まれる。

テングを倒すには天敵の怪獣キラー”生きた山”を眠りから起こすしかない。

2018年4月17日火曜日

曙光 -MORGEN ROOD 石田朋子

https://www.amazon.co.jp/dp/B075GLBN3N/
https://www.amazon.co.jp/dp/B075G3TPRT/
残念ながらKindle版しか出ていない。
初回のKindle公開:2017年9月7日
最終版UP:2019年12月24日

最終版UP日より前に購入した方も、Kindleアプリで改めて開けば、最終版に自動的にアップデート、又は、無料DLできる。旧版よりも大幅に改訂されているので、ぜひ最終版をお読みください。
また、本作品は銀英伝10巻に匹敵する大作であり、Kindleアプリの狭い表示画面で読むのは疲れるという方、まず、Kindleアプリ for PCで表示オプションの表示幅を最大にすれば、リフロー型書籍ながら実質的に見開きで読めるようになる。
寝そべって読みたい方は、下サイトにあるとおり作者に連絡すれば、2段組のPDF版を配布してくれる。それをA4判に見開きで印刷する。ただし全ページを印刷するのが大変だが……。

著者のサイト:
https://novella.blog/about

時代はUST暦200年(AD暦のあと。宇宙植民が始まった年がUST暦元年)。人類はネンブロット、トリヴィア、アステリアなど太陽系外惑星に広がり、「地球」が「ステラマリス」と呼ばれる時代。

(Amazonの紹介文)
宇宙世紀。みなみのうお座に打ち上げられた無人探査機が一つの鉱石を持ち帰る。 そこから発見された新物質『ニムロディウム』により、宇宙開発の技術も著しく進歩するが、最大の供給地、ニムロデ鉱山がファルコン・マイニング社の手に落ちてから、政治経済の一党支配が始まる。
 これに風穴を開けるべく、特殊鉱業界の雄、アル・マクダエルは惑星表面積の97%が海洋で絞められた惑星アステリアの水深3000メートルの海底から、ニムロディウムを含む海底鉱物資源の採掘を試みる。 ところが、本採鉱を前にプロジェクト・リーダーが謎の失踪。アルは急遽、有人潜水艇のパイロット、ヴァルター・フォーゲルに仕事をオファーするが、身辺調査の過程で、彼が密かに制作する円環の海洋都市『リング』の鳥瞰図を覗き見てしまう。
 『リング』こそアステリアの未来を変えると確信したアルは、反抗的なヴァルターをアステリアに連れ出すことに成功するが、アルの愛娘、エリザベスが彼に恋したことで運命の筋書きが変わってしまう。 何も知らないヴァルターは、採鉱プラットフォームの古株らと衝突し、アルの意味深な態度に翻弄されるが、徐々にスタッフと心を通わせ、水深3000メートル下での揚鉱管の接続作業に挑む。
 だが、それは属領であるアステリアにとって、ほんの始まりに過ぎなかった……。 ニーチェの名言『これが生だったのか、よし、それならもう一度』(ツァラトゥストラはかく語りき)をテーマに、海洋科学、鉱業、水中技術、海洋行政、海洋情報ネットワーク、建築、治水、復興など、様々な題材で織り上げる人間ドラマです。

【登場人物】
(アル一族)
ノア:真空直接電解法の発明者
ノアの子:兄ヨシュアと弟ローガン
ノアの孫:ヨシュアの子:姉ダナ、弟アル/ローガンの息子:レイモン
ノアのひ孫:リズ(アルの娘)/オリアナ(レイモンの娘)
・アルバート(アル)・マクダエル、アルの妻アンナ、娘エリザベス(リズ)・ベアトリクス、アンナの兄エリク・ブレア
・ダイアナ(ダナ)・ユージニア・マクダエル:アルの5歳年上の姉、MIG会長)、恋人ダニエル・リース(イーサンとサンドラの息子)
(オリアナの関係者)
・ローガン、妻ミア・マクローリン、息子レイモン・マクダエル(アルの従弟)、レイモンと愛人の間にできた娘オリアナ
・ロバート・ファーラー:ファルコン・マイニング社の社長、父ドミニク、愛人ヴァイオレット・ラトル
(ヴァルター関係者)
・ヴァルター・フォーゲル(ラクロア)、父グンター、母アンヌ=マリー・デュボワ(エクス=アン=プロヴァンスの生まれ)。祖父(火山学者)、義父ジャン・ラクロア(クレディ・ジェネラル会長の遠縁)
・ヤン・スナイデル(2歳年上)、妹ギーゼラ(3歳年下)、クリスティアン、イグナス
(アステリアの仲間)
・セス・ブライト(アルの8歳年下)、夫人、息子エイドリアン(ヴァルターの8歳年下)
・マックス・ウィングレット(マリン・ユナイテッド社)と妻エヴァ
・ロサ・ケアリー:アステリア・エンタープライズ社の社長秘書
(採鉱プラットフォーム)
・ジム・レビンソン
・ラファウ・マードック(採鉱システム開発プロジェクトチ-ムのサブリーダー)、妻カリーナ(総務部長)、ミカエラ(ヴァルターが付けたあだ名がピナコラーダ):総務部
・ダグ・アークロイド(プラットフォーム・マネージャ)、ガーフィールド(ガーフ)・ボイル(サブマネージャ)
・フーリエ:運航部。ノボロスキ・マリンテクノロジー社に所属
・ケネス・ブロディ航海士:チーフオフィサー
・オリガ・クリステル:機関部主任、ワディ・ナイヤール(ベテラン)
・ノエ・ラルーシュ:オペレーションチーム・リーダー、マルセル
・インディラ・キプリング:通信士、ステラネット社の社長の娘
・パトリック:司厨部

【惑星】
・ステラマリス:旧地球
・ネンブロット:みなみのうお座。PAS6恒星系の第4軌道を周回、赤茶けた惑星。
  ニムロデ鉱山:赤道直下の巨大な単体火山。
・トリヴィア:PAS6恒星系の第二軌道を周回。直径1万km。
  首都エルバラード
  学研都市エンディミリオン
・アステリア:みなみのうお座PAS9恒星系の第3軌道を周回する水の惑星。97%が海。直径9000m。腐食しやすい海水。
  テティス・プレート、ティターン海台
   ローレンシア島:パンゲア島
   ローランド島:ローレシア島の1.4倍
   ウェストフィリア島:北方に位置する火山列島。最高峰がマグナマテル火山。

【組織】
・MIG(マクダエル・インダストリアル・グループ):特殊鋼メーカー
  MIGインダストリアル社
  アステリア・エンタープライズ社
  ノボロスキ・マリンテクノロジー社
  マリン・ユナイテッド社
  ステラネット
・トリアド・ユニオン:国際資本グループ
・ファルコン・グループ
  ファルコン・マイニング社
  ファルコン・スチール社
  クレディ・ジェネラル:巨大金融グループ/世界最大のメガバンク
  スタッドガス
  GPオイル

【宇宙船・船・海洋機器】
・フォルトゥナ号(恒星間プライベート宇宙船)
・アルバトロス号
・サンロイヤル・ジェネシス
・採鉱プラットフォーム:半潜水型
 - プロメテウス:潜水船。有索小型のクアトロを装備。
 - ビートル型破砕機(クローラー、テザー)~ブルドーザー型集鉱機(燃料電池、クローラー、テザー)~トランジション・ジョイント~水中リフトポンプ~フレキシブルホース~揚鉱管(ライザーパイプ、直径36cmの二重管。流水が循環)
 - トリアロ
 - ルサルカ
 - ヴォージャ:ROV、マルセルが操縦。破砕機と集鉱機のパワーケーブルを案びり駆るケーブルに付け替え。
 - ルサルカ:無索。ノエ・ラルーシュが操縦。投光役
・海洋調査船オケアノス号(アステリア最初の海洋調査船)
・深海調査船カーネリアンⅡ号(ノボロスキ・マリンテクノロジー社)
   

2016年5月2日月曜日

流れガラス(ドリフトグラス) サミュエル・R. ディレイニー

サミュエル・R. ディレイニー(ディレーニ),1979,サンリオ文庫「時は準宝石の螺旋のように」に収録,早川書房「ホークスビル収容所」に収録)

 流れガラス(ドリフトグラス)とは,長く漂流していたガラスビンが銀化したもので,ビーチコーマー(漂流物収集人)には大事な宝物(山田海人さんのサイトを参照)。

 場所は地球の未来、月と火星に植民地が芽生えた時代。国際水中事業団(アクアティック・コープ)が海底開発のため、鰓と水掻きを持つ両棲人となる人間を募集している。その手術は思春期前に行う。

 海洋開発局の報告では、アメリカ沿岸で海中作業に従事している両棲人は75万人にのぼり、両棲人と陸人とはよき隣人として仲良く暮らしている。

 水中事業団は、海底鉱山、農場、海底油井、鯨の飼育、化学物質蒸留プラントを動かすために、海底に大動力ケーブルを敷設している。260サイクルの電流が周囲の魚を追い払うために、危険な海溝を通過するルートにケーブルを通さざるを得ない。そのルートは、かつて突発事故で敷設に失敗した区域でもあった・・・。

大漂流 田中光二

怒りの大洋三部作の第三部。1984年

第二部の沖勇魚と鳴海志保の息子の沖洋人(ひろと)が主人公。

 1995年、ODOPO(汎太平洋海洋開発機構)が設立され、海洋牧場、海底鉱山開発計画、海洋エネルギー開発計画などが進められている。2015年よりODOPO海中植民計画センターの沖勇魚所長の指揮により、三宅島沖、宇和島沖、石垣島沖で海底植民計画が開始されている。

 2001年より、ユダヤ系財閥グループが、"ネオ・エクソダス計画"として、<ポセイドニア>と<トリトニア>というエネルギー自給型・漂流型の洋上居住システムの開発に着手。その20年後にはそれぞれ人口5万人を擁するに至っている。それを爆破しようとするテロリスト集団の陰謀を阻止するため、 ODOPO国際管理局UWRT(水中救助部隊)に所属する沖洋人たちが<ポセイドニア>に派遣される・・・。

2016年5月1日日曜日

キャプテン・フューチャー 挑戦! 嵐の海底都市 エドモンド・ハミルトン

創元SF文庫キャプテン・フューチャー全集2

 太陽系の守護神、科学の魔術師キャプテン・フューチャーことカーティス・ニュートンは、合成人間オットー、<生きている脳>サイモン・ライト、鋼鉄製ロボットのグラッグという奇妙な三人組のフューチャーメンとともに宇宙艇コメットで太陽系を駆け巡る。

 貴金属グラヴィウム、それなくしては惑星間旅行に不可欠な<重力等化機>(グラヴィテーション・イコライザー)を造ることができない。<破壊王>(レッカー)は水星、火星、土星、天王星の衛星オベロンのグラヴィウム鉱床を次々と破壊。残るは海洋惑星である海王星の海底鉱山。そこではさしわたし千フィートの巨大なドーム型ケーソンで採掘が行われていた。この海王星には<海悪魔>と呼ばれる亜人間の恐ろしい伝説があった。一方、その頃、海洋のある金星、地球、木星、天王星、海王星の猟師100人以上が行方不明になっていた・・・。

 この世界では地球のほか、が海洋を持っている。なかでも海王星は島嶼しかない海洋惑星。岩群島(ロック・アイルズ、アムピトリテ島がある)、蜘蛛群島(スパイダー・アイルズ)、黒群島(ブラック・アイルズ)、神秘群島、北風群島、浮遊群島がある。<大口(スワロー)>、巨大な海棲爬虫類<ウルサル>、恐ろしく大きな海蛇、真っ黒な鯨に似た<大吸い込み(ブレイザー)>、<太陽魚>、<ダイヤ魚>、<空中魚>が登場。水棲人は頭に髪がなく、首の付け根にエラがあり、大腿が一体になっていてその先がヒレになっている。

南海の迷路 デズモンド・バグリイ

執筆1963前、出版1986、ハヤカワ文庫

 1962年が舞台の海洋冒険小説。執筆されたのは作者がデビューした63年より以前に執筆されたものが、作者の没後1986年に出版されたもの。

 海洋学者の兄弟(性格は対称的)が中心的人物。大量だが採取コストの高さゆえに採算のとれないマンガン団塊。ところが死亡した弟の遺品にあったマンガン団塊には10%ものコバルトが含まれていた。兄はどこで採取されたかを推理する・・・。

 マンガン団塊の成因、品位と海洋環境・火山活動との関係についての議論が出てくる。SFではないが、執筆当時、まだ発見されていなかったはずのコバルト・リッチ・クラスト(1980年代に発見)や熱水鉱床(1977年に発見)を予言しているともいえる作品。

ソリトンの悪魔 梅原克文

朝日ソノラマ 1998年、ビデオ・アニメ化 日本推理作家協会賞受賞。

 2016年、音波をエネルギー源とする海中の巨大な存在『サーペント』が、与那国島の沖合に完成したばかりの海上情報都市<オーシャンテクノポリス>を破壊し、日本初の海底採掘プラットフォーム<うみがめ200>を危機に陥れる。ヘリオス石油の開発部主任の倉瀬厚志、別れた妻でソーナーとオーディオの専門家の劉秋華、7才の娘の劉美玲の3人の運命やいかに・・・。

 <オーシャンテクノポリス>は5km四方の正方形デッキ4層,浮力タンク付きの脚柱1万本で海底に軟着陸させた多脚式軟着底型。寺井精英さんの海洋都市開発研究会の構想そのもの。

 <うみがめ200>はヘリオス石油が開発費2000億円を投じて水深270mに設置。双胴船型の海上支援船<うみねこ130>から電力や呼吸ガスが供給される。TOV(テレプレゼンス・オペレイテッド・ビークル:光ファイバーによる疑似遠隔存在型潜水機)、OMS(一人乗り潜水艇)、AWS(多機能潜水艇)、深海用潜水服(ジム・スーツ)などが装備されている。

 テトラミックス飽和潜水(「アビス」と同じヘリウム・窒素・アルゴン・酸素)が使われ(水素・ヘリウム・窒素・酸素ではないのか?),脱窒素ベクター剤で減圧時間が48時間に短縮されている。海底石油掘削プラットフォームについて、海上型と浮遊式と海底式の間の技術論争もおもしろい。

 潜水艦救難艇(DSRV)<いるか4>に装備されているホロフォニクス・ソーナー(立体音響視界)がSFで初めて登場。その他,SOSUS(海底敷設ソーナー網)、地質探査ソーナー<アース・アイ>、ブルーグリーン・レーザー海中~衛星通信、超電導フラーレン電池など海中工学オンパレード。

 超音波フォグ、音響発光(超音波気泡放電)、ソリトン(粒子性を持つ孤立波。波の非線形性と分散性が釣り合って半永久的に存在する孤立波)、高圧神経症候群(HPNS)、ポリウォーターなどの用語が登場。

ゼリーフィッシュ・ガーデン 上田早夕里

「小松左京マガジン」第8巻

 第三回小松左京賞の最終選考候補作(「桓崎由梨」。選評は「小松左京マガジン・第8巻」に掲載)。浮遊型海洋実験都市《ブルー・モジュール》で働く研究者とスタッフの仕事を、専門書ではなく、一般向けの科学雑誌の記事を書いて生活しているサイエンス・ライターが取材するという話。

 《ブルー・モジュール》は、海洋関係の学術調査と、各種の海洋開発・海洋実験を行う実験都市で、研究都市としての側面と、海洋資源開発の経済的発展を促進するという、ふたつの貌を持っている。出資の大半は一般企業に頼っているが、学術方面からの支持と要請があるため、この両側面を成立させるべく、運営に関しては、微妙なバランスが保たれている。

 この実験都市上で働く深海生物研究班の中に、深海のクラゲを研究しているスタッフがおり、彼らが研究している新種のクラゲが、ストーリー展開上の軸となる。深海探査の機器としては、「しんかい6500」をモデルに著者が創作した、有人潜水調査船「かいりゅう」が登場する。その他、深海で調査船のアシスタントとして働く人工知能搭載の無人探査機、レスキュー・ロボット、なども出てくるが、このあたりも、JAMSTECで使われている実在の機器をモデルに、著者が創作している。

=>上田早夕里さんのサイト
=>上田早夕里さんのブログ

2016年4月30日土曜日

蒼のサンクトゥス やまむらはじめ

2004-2007/3、ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ全5巻完結

 新世紀初頭、宇宙からやって来た"それ"は地球上の3カ所に降り立ち、直径200kmを越える極めて異質な空間を作り出す(大降臨)。大降臨によって太平洋側の沿岸部がことごとく被害を受け、その再建は苦難の道のりであったが、十数年後、各国はどうにか新しい姿を手に入れる。

 A-NEST"(エイリアン・ネスト)と称されるそのエリア内で偶然、メタトロン・ノジュールと名付けられた希少鉱物が発見される。常温超電導を可能とするメタトロンの発見によって次世代エネルギー革命が起き、それを採掘する民間の小集団からなるコミュニティーが形成されるようになる。

"A-NEST"内では強力な防護シールドをも打ち破る激しい"嵐"が襲う。潜水艇が採掘したノジュールを船上に回収するためには、特殊な予知能力を持つ"レリクト"と呼ばれる人々のナビゲートで飛来する"嵐"を回避しなければならない。主人公治基(はるき)が入社したハルナ・カンパニーはそんな採掘業者の一つ。

ささなみのアケロン 湯田伸子

サンストロベリ-全1巻/サンコミックス 1985年

短編集。

人類播種が進行する時代。700年前に大陸が沈没し、住人が全滅した海洋惑星アケロンにも、地球人による海底資源の採掘塔が設置されていた。アケロン人の無人自動船と、破局寸前の夫婦を絡めた作品。(by Sayaraut)

2016年4月28日木曜日

アフター0 •岡崎二郎

初出1988-1996、小学館、著者再編集版、全10巻、2002-2003)、「アフター0 Neo1-2」(2004)

 さまざまな科学テーマによる短編集。
 深海テーマでは、第3巻で日本マリン科学所属の海洋調査船ウィリー号と新型潜水スーツと潜水艇〈PINECONE〉が登場し、500mという浅い水深のマンガン・ノジュールにまつわる事件が描かれる。第9巻で、伊豆・小笠原海溝3千mで採取された生きたゼリー状二酸化炭素/天然ガス生物のネレイスが登場。

 そのほかの地球科学テーマ・古代文明ではクラカトア火山、ユカタン半島のチチュルブクレーター、1万2千年前、イスラエルの北部のナトゥフ文化、ナスカの地上絵。

 生物テーマが一番多いかな。種の多様性、炭素結晶生物、内因性のモルヒネ様物質β-エンドルフィンとその含有ニューロン、神経伝達物質ドーパミン、種族維持的合目的性テレオノミー、バクテリア状エイリアンとの共生、半導体隕石からなる珪素生物、ヤコブソン嗅覚器官、フェロモン、Tiプラスミド、種内淘汰/性淘汰、野生種、ゲシュタルト知覚、光合成によってタンパク質を合成する緑藻類〈氷雪プランクトン〉、粘菌のようにもふるまう特殊なコロイドでできた氷状生物(滝の神)、ジャンクDNAの中からスイッチを入れれば発現するスーパー遺伝子、根粒細菌をもつ農作物、キメラ、ネオテニー(幼形成熟)、アンチセンスRNA、細胞の寿命を決めるテロメアと、それを修復し生殖細胞や肝細胞にしかないテロメラーゼ、海馬、高酸素濃度と巨大昆虫、行動遺伝子、セロトニン強化。

 宇宙・天文テーマでは、核爆発による電磁パルスEMPを利用したガンマ線ビーム衛星、ネメシス、オールトの雲、月の潮汐効果、銀河規模の光コンピュータ、ラムダ超核子の波動収束、スーパーストリングス、静止軌道上に建設された全長1085mの仏座像、SETIなどのテーマが登場。

2016年4月25日月曜日

ブループラネット:移民ガイド

ハードSF-RPG、Biohazard Games 社からFantasy Flight Games社に版権移動 1997年

 地表の97%を広大な海に覆われた海洋惑星「ポセイドン」。抗老化物質を含む海底鉱脈の発見が,この星の運命を激変させてゆく・・・。

=>ブループラネット移民ガイド

SARAC

Windows、ソニーコミュニケーションネットワーク(株)

 インターネットを使った深海探検3Dリアルタイムゲーム。数百名のプレイヤーが同時に参加し、“海底の探索”、“鉱物資源の採掘”、他のプレーヤーとの“戦闘”などを行なって、自分の所属する海底都市を繁栄させるネットワークゲーム。
http://ascii24.com/news/i/serv/article/2000/09/11/617960-000.html

深海からの叫び 

携帯au用、海洋ホラーアクションアドベンチャー 2005年

深海に眠る新たなエネルギー資源を求め深海探査艇「北斗」は、大西洋のある海域の海底を調査し 海底遺跡を発見する。
http://www.rideongames.com/shinkai.html

2016年2月28日日曜日

アビス オースン・スコット・カード

1989 ●実写 小説版はオースン・スコット・カード,角川文庫 

「ターミネーター」,「エイリアン2」,「タイタニック」のキャメロン監督による作品。
さらに,「エンダーのゲーム」と「死者の代弁者」で2年連続ネビュラ/ヒューゴ賞ダブル・クラウンに輝くオースン・スコット・カードによる小説版も、単なるノベライズではなく本格的なものであり、心理描写などなかなか読みごたえあり。

 石油掘削リグでは将来の究極と想像される海底着底型が登場。また,ヘリウムや水素を使う飽和潜水技術のさらに先を行く液体呼吸技術も登場する。
カリブ海の水深1700フィート(約520m)の海底で、ベンシック石油の海中掘削プラットフォーム<ディープ・コアII>が世界初の深海操業試験を実施している。

 そこから22マイル離れたケイマン海溝(1万8000フィート,約5500m)の縁、水深2100フィート(約640m)の海底に原潜<モン タナ>が沈没。<ディープ・コアII>は試掘井戸を閉じて現場海域に移動し、そこで海空陸特殊工作部隊SEALチームに協力することとなる・・・。

ノーチラス ロドニー・マクドナルド監督

2000年 ●実写 日本劇場未公開、ビデオ

このノーチラスは、ジュール・ベルヌとは無関係。

海洋掘削基地<プロメテウス>から、なんとマントルを超えて外核まで掘削してエネルギー資源を採取するプロジェクトがまさに到達直前の段階に。実はこれによって大規模な地殻変動を引き起こし、地球環境を破壊することに。

100年後の世界から タイムマシン<ノーチラス>が送りこまれ、このプロジェクトを阻止しようとするが・・・。
タイムマシンを潜水艦にするのは冷却のためとされているが、まあ,ズバリB級作品ですね。

http://www.generalworks.com/databank/movie/title3/nauti.html

2016年1月24日日曜日

シークエスト スティーブン・スピルバーグ

1993~95,米作品。日テレ放映/「シークエストDSV」(2001,SuperChannelで放映、2002,日本テレビで再放送

スティーブン・スピルバーグ製作総指揮,ロイ・シャイダー主演、シービュー号に似たコンセプトの海洋SFアドベンチャー。

2019年,人類が地球全土を開拓し,ついに海にもコロニーを築いた。その安全を守るUEO(地球連合海洋機構)の主力潜水艦<シークエスト> (seaQuest DSV 4600)が深海の熱水噴出孔、地中海海底のアレクサンドリア大図書館遺跡、北極海、トンガ海溝、バミューダ海域の淡水シンクホール、100万年前に沈ん だ宇宙船、海底鉱山、海底牧場などでさまざまな脅威に出会う。

「シークエスト」は海軍が運航しており、ダイオウ・イカ型の潜水艦。
コンピュータの天才少年が開発したイルカ語翻訳機を使ってダーウィンというイルカも活躍する。ダーウィンが船内の各所を往来できるようにトンネルが巡らされている。人が船内を移動するためのリニアモーターカーのようなものもある。
ウッズホール海洋研究所のボブ・バラード所長が解説している。

さすがスピルバーグ監督作品。上質の海洋SFテレビシリーズの第一巻で、国内で販売されているのはビデオ1巻のみ。TVシリーズは全3シーズン分あり、米国ではDVDが出ているが、国内販売はまだ。
http://www.tora-2.com/SEAQUEST.HTM

2016年1月12日火曜日

海魔の深淵 デヴィッド・メイス

1984

 近未来。超大国が始めた65日戦争が終わって1年10ヶ月。核の欧州でアメリカとロシアが地図から姿を消しヨーロッパも壊滅。疲弊しきった北大西洋連合軍とアルゼンチンやチリや第三世界が大陸棚資源や海底鉱脈を巡って断続的な戦いが行われており、南極の大陸棚の油田が炎上している。

  アメリカが南極大陸周辺の深海底に設置した6つの究極の自動戦闘要塞群のうち2つまでは機能解除されたが、3つ目の<クラック-1>は目覚めてしまい、機能解除に失敗。攻撃艦2隻、潜水巡航艇1隻、ロボット潜水艇1基、攻撃機6機が失われ、巡洋艦1隻が航行不能状態、440人の命が奪われた。要塞が目覚めた原因は軌道上に放置されていた軍事衛星の気まぐれな核ミサイル発射によるとされた。もし再び機能解除に失敗すれば、,ほかの3つの要塞も連鎖反応で全面核攻撃が始まりかねない。

 技術屋出身で米国民間人のバーバラ・カストナーが要塞攻略作戦監督官に祭り上げられ、最新鋭の小型のサイボーグ潜水艇<デーモン-4>に最後の望みが託される。<デーモン-4>の司令ユニットに組み込まれた人の生体脳は不必要な部分が取り除かれ、元の人格は完全に消されるか抑圧されているはずだった。マニピュレータ操作員としてサイモン・カムフィールドが搭乗し、最初のミッションに成功するが、なぜか精神的ショックによって再搭乗不能となる。そこで民間人のマギー・ブレインが搭乗することになるが・・・。

わが赴くは蒼き大地 田中光二

1974:SFマガジン、1976.10:角川文庫、1999:ハルキ文庫

2205年、地球にエイリアンが来襲し、一部の人類が4つの海中都市、<パシフィック・シティ>、<グレートバリアリーフ・シティ>、<アトランティック・シティ>、<バハマ・シティ>に5万人が生存するばかり。エイリアンにとってある種のインフルエンザ・ウィルスが致命傷となることが判明。その培養に必要な特殊なヨードを含むピラエラという褐色藻を手に入れるため、"オセアノ-ト"、通称"エラ人間"であるチヒロとA級精神感応術者である美少女ジャンが<ノーチラス十世>で冒険の旅に出る・・・。

 <ノーチラス十世>は、全長約20m、抵抗を減らすイルカと同じ構造の人工皮膚が張られ、最高巡航速度40ノット、トリチウム増殖リアクター・エンジン、超音波音響テレビ、レーザーホログラフィ装置、超精密近距離ソーナー、テレファックス組み込み深海カメラ、電波テレビカメラ、マニピュレータ、生物水中信号送受信器、電気衝撃銛、麻酔銛、爆薬弾頭ミサイル、核弾頭ミサイル、自律判断型オートパイロットシステム"ラルフ"、テザード・ケーブル式ロボット潜水機<テレファクター>2機を装備。

 プレート・テクトニクス、東太平洋海膨や大西洋中央海嶺の火山活動、マンガン団塊が紹介されている(熱水活動と化学合成生態系は登場せず)。