1969年 『ドルフィン王子』/『がんばれ!マリンキッド』,1969,TVアニメ
海中パトロール隊の一員であるマリンは,ウエットスーツに水中で呼吸ができるオキシガム、腕につけたブーメラン,かかとに仕込まれたハイドロジェットで悪者と戦うらしい。人魚のネプティーナや白イルカのホワイティが仲間。<P10号>(ピーワンゼロ号)という潜水艇も登場するらしい。
=>オキシガム
=>The Marine Boy Gallery
=>The Marine Boy
JAMSTEC共済会サークル「SF倶楽部」が収集した地球・海洋SFを収録。これは書評ではなく、創作作品に登場する地球・海洋・生命科学ネタを紹介するものです。旧「地球・海洋SF文庫」よりこのBloggerに再登録完了。
右側に分類、著者、原著の刊行年、保管場所を示す。
・Facebookグループ"もどうぞ。
・出典:少年少女海洋冒険物語(Sayalautさん)
・SF倶楽部の図書購入・寄贈履歴
・バーチャル博物館
Contents
乗物:"潜水船", "潜水艦", "スーパー・サブマリン", "ロボット", "ダイビング", "モビルスーツ", "水上船舶", "調査船", "掘削船", "砕氷船"
行動:"救難", "サルベージ", "海洋調査"
都市と基地:"都市", "基地", "古代文明":
歴史:"地球史", "氷期", "考古学", "進化", "古代文明"
生物:"海棲ほ乳類", "モンスター", "頭足類", "軟骨魚類", "生態系", "進化", "海洋牧場", "水棲人", "微生物", "遺伝子", "パンデミック"
資源・エネルギー:"海底資源", "エネルギー", "ハイドレート", "海洋牧場"
気候・環境:"気象・気候", "海面上昇", "大異変", "極域", "環境汚染", "衝突"
固体地球:"地震・火山", "噴火", "津波", "熱水噴出", "地球内部", "マントル"
分類ラベルの付け方(必ずお読みください)
行動:"救難", "サルベージ", "海洋調査"
都市と基地:"都市", "基地", "古代文明":
歴史:"地球史", "氷期", "考古学", "進化", "古代文明"
生物:"海棲ほ乳類", "モンスター", "頭足類", "軟骨魚類", "生態系", "進化", "海洋牧場", "水棲人", "微生物", "遺伝子", "パンデミック"
資源・エネルギー:"海底資源", "エネルギー", "ハイドレート", "海洋牧場"
気候・環境:"気象・気候", "海面上昇", "大異変", "極域", "環境汚染", "衝突"
固体地球:"地震・火山", "噴火", "津波", "熱水噴出", "地球内部", "マントル"
分類ラベルの付け方(必ずお読みください)
2016年5月6日金曜日
2016年5月5日木曜日
ビロウ BELOW
2002年 2003年2月22日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー公開
1943年、艦長のプライス大尉、ルーミス大尉、クアーズ中尉、若いオデル少尉らが乗り組む米潜水艦<タイガー・シャーク号>は,3人の遭難者を救助。3人は約300人の患者と約70人の乗組員を乗せていた英病院船<ジェームズ号>の生存者、看護婦クレア・ページ、キングスリー二等航海士と重症患者。
実は<タイガー・シャーク号>は独補給船を撃沈した際に前艦長のウィンターズ少佐が海中に転落して死亡。プライス中尉が艦長を引き継いだばかりだった。潜水艦に女性が乗ると不吉なことが起こると信じられていた艦内。
独軍艦の接近により冷水層に潜り込んだ<タイガー・シャーク号>で突然ベニーグッドマンのスイング・スイング・スイングのレコードが鳴り響き、激しい爆雷攻撃を受ける。重症患者が独軍のシリングス飛行士であることが判明し、レコードの原因がシリングスであるとされて射殺される。爆雷攻撃によってメインバラストタンク内に燃料油漏れが生じ、その修理のために4人が潜水服を着て艦外に出るが・・・。
この作品はホラーでは絶対ない。スリラーかどうかは微妙。
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/BELOW.htm
http://unzip.jp/review/0302/below.html
1943年、艦長のプライス大尉、ルーミス大尉、クアーズ中尉、若いオデル少尉らが乗り組む米潜水艦<タイガー・シャーク号>は,3人の遭難者を救助。3人は約300人の患者と約70人の乗組員を乗せていた英病院船<ジェームズ号>の生存者、看護婦クレア・ページ、キングスリー二等航海士と重症患者。
実は<タイガー・シャーク号>は独補給船を撃沈した際に前艦長のウィンターズ少佐が海中に転落して死亡。プライス中尉が艦長を引き継いだばかりだった。潜水艦に女性が乗ると不吉なことが起こると信じられていた艦内。
独軍艦の接近により冷水層に潜り込んだ<タイガー・シャーク号>で突然ベニーグッドマンのスイング・スイング・スイングのレコードが鳴り響き、激しい爆雷攻撃を受ける。重症患者が独軍のシリングス飛行士であることが判明し、レコードの原因がシリングスであるとされて射殺される。爆雷攻撃によってメインバラストタンク内に燃料油漏れが生じ、その修理のために4人が潜水服を着て艦外に出るが・・・。
この作品はホラーでは絶対ない。スリラーかどうかは微妙。
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/BELOW.htm
http://unzip.jp/review/0302/below.html
2016年5月4日水曜日
シャドウ・ダイバー 深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち
ハヤカワ・ノンフィクション2005
沈船ダイビングを「レックダイブ」と呼ぶそうで,軍の公式記録には存在しない謎のUボートを発見した男たちの物語かな。映画化が決定しているそうです。
沈船ダイビングを「レックダイブ」と呼ぶそうで,軍の公式記録には存在しない謎のUボートを発見した男たちの物語かな。映画化が決定しているそうです。
DEEP 太田垣康男
ビッグコミックオリジナル不定期連載 2002年
トレジャーハンター“DEEP”による海底の宝探しの話らしい。ADS(耐気圧潜水服),潜水艇<アルイキメデス>,支援母船<タートル号>が登場。ADSでUボートの耐圧金庫を回収するため700mを越える深海潜水に挑戦・・・。
トレジャーハンター“DEEP”による海底の宝探しの話らしい。ADS(耐気圧潜水服),潜水艇<アルイキメデス>,支援母船<タートル号>が登場。ADSでUボートの耐圧金庫を回収するため700mを越える深海潜水に挑戦・・・。
ザ・デプス:,Deep Star Six
ビデオ1989年
水深1万mで飽和潜水というちょっとムチャな設定
深度1万メートルの海底有人基地<Deep Star Six>において、ミサイル基地を建設中、建設予定地の海底下に巨大な空洞が発見される。爆破作業を強行したために、海底が陥没して空洞が開き、未知の生物が襲う。
水深1万mでの飽和潜水は無理がある。夢の水素混合ガスでも1000mが限度。
原題”Deep Star Six”のうち”Deep Six”には6尋の深さに沈めるという米海軍の水葬の意味があるという。
水深1万mで飽和潜水というちょっとムチャな設定
深度1万メートルの海底有人基地<Deep Star Six>において、ミサイル基地を建設中、建設予定地の海底下に巨大な空洞が発見される。爆破作業を強行したために、海底が陥没して空洞が開き、未知の生物が襲う。
水深1万mでの飽和潜水は無理がある。夢の水素混合ガスでも1000mが限度。
原題”Deep Star Six”のうち”Deep Six”には6尋の深さに沈めるという米海軍の水葬の意味があるという。
グロコス(Glaucos) たなか亜希夫
モーニング連載,講談社のモーニングKC,全4巻,2003-2005年完結
映画「グランブルー」と同じく、素潜りで深さを競うフリー・ダイビングの漫画。海で遭難した母が沈む間際に水中で生まれ、イルカに運ばれてポリネシアの漁師に助けられた奇跡の子シセ。17年後、素潜りで80mの世界記録を持っていたフランス人の老人クロードは南の島を訪れ、そこでシセに出会う。
シセの養父は核実験の被害者で白血病を患っている。潜水医学の女医ハルカ(本城永遠)は、シセの発達した脾臓に注目する。世界記録タイの90mでデビューしたシセはクロードに連れられて正受大師の水月堂での禅の修行を通じて新しい境地に至り、正受大師から「紫青」という名をもらう。
クロードのかつての教え子、世界チャンピオン(スタティック9分11秒、コンスタント90m)のプティは世界最大のスポーツ・メーカー、エレボス社とプロ契約。シセに挑戦してくる。コンスタント115mに成功したプティは脳に障害を負う。
ハルカは脾臓の「貯血」機能を解明する。シセの脾臓はブラッド・シフトによって収縮して赤血球を放出することで酸素不足を補うというもの。
企業エレボス社は営利主義のもと、シセにノー・リミッツ(スレッドという錘の付いた装置で潜りバルーンで浮上する水深を競う)で200m(世界記録は171m)に挑戦するグロコス・プロジェクトを持ちかける。
最終話では,水深200mの世界記録を目指すシセが、幻覚のなかに地球と生命の進化を見る。
肺の容量を強制的に増やすパッキング/リバース・パッキング、腹の柔軟、顔のストレッチ、モノフィン、潜水反射(潜水徐脈,顔を水に付けると心拍数が低下する)、スタティック(水面に浮いて顔を付けて無呼吸時間を競う)、コンスタント(自力で潜水・浮上する水深を競う)などの用語が登場。
映画「グランブルー」と同じく、素潜りで深さを競うフリー・ダイビングの漫画。海で遭難した母が沈む間際に水中で生まれ、イルカに運ばれてポリネシアの漁師に助けられた奇跡の子シセ。17年後、素潜りで80mの世界記録を持っていたフランス人の老人クロードは南の島を訪れ、そこでシセに出会う。
シセの養父は核実験の被害者で白血病を患っている。潜水医学の女医ハルカ(本城永遠)は、シセの発達した脾臓に注目する。世界記録タイの90mでデビューしたシセはクロードに連れられて正受大師の水月堂での禅の修行を通じて新しい境地に至り、正受大師から「紫青」という名をもらう。
クロードのかつての教え子、世界チャンピオン(スタティック9分11秒、コンスタント90m)のプティは世界最大のスポーツ・メーカー、エレボス社とプロ契約。シセに挑戦してくる。コンスタント115mに成功したプティは脳に障害を負う。
ハルカは脾臓の「貯血」機能を解明する。シセの脾臓はブラッド・シフトによって収縮して赤血球を放出することで酸素不足を補うというもの。
企業エレボス社は営利主義のもと、シセにノー・リミッツ(スレッドという錘の付いた装置で潜りバルーンで浮上する水深を競う)で200m(世界記録は171m)に挑戦するグロコス・プロジェクトを持ちかける。
最終話では,水深200mの世界記録を目指すシセが、幻覚のなかに地球と生命の進化を見る。
肺の容量を強制的に増やすパッキング/リバース・パッキング、腹の柔軟、顔のストレッチ、モノフィン、潜水反射(潜水徐脈,顔を水に付けると心拍数が低下する)、スタティック(水面に浮いて顔を付けて無呼吸時間を競う)、コンスタント(自力で潜水・浮上する水深を競う)などの用語が登場。
スフィア マイクル・クライトン
1998年 早川書房、上下巻
ダスティ・ホフマンとシャロン・ストーンというハリウッドの演技派トップスターが競演するというのは、SF映画史上では画期的なことではないか。
フィジー諸島とトンガ諸島に囲まれたラオ海盆。トランスパック・コミュニケーション社がチャーターしたケーブル敷設船<ロ-ズ・シーレディー号>が敷設中の海底電話ケーブルが切断される。米海軍<オーシャン・エクスプローラー号>が派遣され、サイドスキャン・ソーナーによって水深300mの海底に高さ 85mもの三角の尾翼状のものが発見。ROV<スコーピオン>を搭載した<ネプチューンIV号>の調査によって直径58m、長さ840mの胴体が珊瑚礁の下に存在することが判明。
スカラブ型ROVが尾翼の一部を採取し、チタン合金とエポキシ樹脂によるハニカム構造であることが判明。同海域は300年より以前は水深が25~28mであったことから、少なくとも300年より以前に地球に到着した宇宙船であると推定された。
未知の生命体と接触するための科学者チームが編成され、海洋調査研究船<ジョン・ホース号>から潜水艇<シャロンV号>に乗って水深340mに設置された水中居住室<DH8>に送り込まれる・・・。
飽和潜水や、深海の浮遊生物がリアルに描かれている。
;generalworks
ダスティ・ホフマンとシャロン・ストーンというハリウッドの演技派トップスターが競演するというのは、SF映画史上では画期的なことではないか。
フィジー諸島とトンガ諸島に囲まれたラオ海盆。トランスパック・コミュニケーション社がチャーターしたケーブル敷設船<ロ-ズ・シーレディー号>が敷設中の海底電話ケーブルが切断される。米海軍<オーシャン・エクスプローラー号>が派遣され、サイドスキャン・ソーナーによって水深300mの海底に高さ 85mもの三角の尾翼状のものが発見。ROV<スコーピオン>を搭載した<ネプチューンIV号>の調査によって直径58m、長さ840mの胴体が珊瑚礁の下に存在することが判明。
スカラブ型ROVが尾翼の一部を採取し、チタン合金とエポキシ樹脂によるハニカム構造であることが判明。同海域は300年より以前は水深が25~28mであったことから、少なくとも300年より以前に地球に到着した宇宙船であると推定された。
未知の生命体と接触するための科学者チームが編成され、海洋調査研究船<ジョン・ホース号>から潜水艇<シャロンV号>に乗って水深340mに設置された水中居住室<DH8>に送り込まれる・・・。
飽和潜水や、深海の浮遊生物がリアルに描かれている。
;generalworks
2016年5月2日月曜日
大漂流 田中光二
怒りの大洋三部作の第三部。1984年
第二部の沖勇魚と鳴海志保の息子の沖洋人(ひろと)が主人公。
1995年、ODOPO(汎太平洋海洋開発機構)が設立され、海洋牧場、海底鉱山開発計画、海洋エネルギー開発計画などが進められている。2015年よりODOPO海中植民計画センターの沖勇魚所長の指揮により、三宅島沖、宇和島沖、石垣島沖で海底植民計画が開始されている。
2001年より、ユダヤ系財閥グループが、"ネオ・エクソダス計画"として、<ポセイドニア>と<トリトニア>というエネルギー自給型・漂流型の洋上居住システムの開発に着手。その20年後にはそれぞれ人口5万人を擁するに至っている。それを爆破しようとするテロリスト集団の陰謀を阻止するため、 ODOPO国際管理局UWRT(水中救助部隊)に所属する沖洋人たちが<ポセイドニア>に派遣される・・・。
第二部の沖勇魚と鳴海志保の息子の沖洋人(ひろと)が主人公。
1995年、ODOPO(汎太平洋海洋開発機構)が設立され、海洋牧場、海底鉱山開発計画、海洋エネルギー開発計画などが進められている。2015年よりODOPO海中植民計画センターの沖勇魚所長の指揮により、三宅島沖、宇和島沖、石垣島沖で海底植民計画が開始されている。
2001年より、ユダヤ系財閥グループが、"ネオ・エクソダス計画"として、<ポセイドニア>と<トリトニア>というエネルギー自給型・漂流型の洋上居住システムの開発に着手。その20年後にはそれぞれ人口5万人を擁するに至っている。それを爆破しようとするテロリスト集団の陰謀を阻止するため、 ODOPO国際管理局UWRT(水中救助部隊)に所属する沖洋人たちが<ポセイドニア>に派遣される・・・。
深海のYrr :THE SWARM フランク・シェッツィング
ハヤカワ文庫NV,2008 姓のaはウムラウト
先月ドイツを訪問した際に、ブレーメン大学でお会いしたBohrmann教授から日本人(メタンハイドレートの松本良教授、AUVの浦環教授)も登場して面白いからと1冊のペーパーバック(881ページ!)をいただきました。今日、やっと読み終わり、西村さんの要請もあり、ごく簡単に紹介します。
邦訳はまだなさそうです。ドイツではベストセラーで国際的に200万部以上売れたと表紙にあります。
読後の感想は、まずたいへんに面白く読み始めたら止められない。副題が「深部(海)の小説」で、たいへんにスケールの大きな,海洋地球生物SFです。
科学的にいいかげんなところがなく(現在の知見をフルに動員しているようである)、Bohrmannほかも実名で登場し活躍する内容です。
どういう話かは、言えません。言えませんが、海洋の生物、環境が異常を来し始めて、人間社会に影響をもたらし始めます。さまざまな性格の登場人物が、そのわけを探って行くうちに、とてつもない問題であることがわかってきます。問題を認識対処するのに、科学者がどういうものか非常にわかっている描写になっています。読むうちに、気候変動、海洋循環、プレートテクトニクス,極限環境生物,生物多様性、環境問題などがすべて関係してきます。そしてそれ以上の話です。言ってしまうと、私が経験した、読み進むうちの興奮が損なわれると思うのでここまでにします。(by K.S.さん)
この作品、”『海洋科学基礎講座』全6巻をハリウッドのパニック映画にした”といえばよいだろうか。普通の長編小説の数冊分にも匹敵する比類なき海洋SF大作である。ジェームズ・ポーリックの『腐海』という海洋SFの傑作があるが、有毒渦鞭毛藻類というプランクトンが人類を襲う。本作品でもこれが猛威をふるうほか、メタンハイドレートを食べるアイス・ワーム、旺盛な繁殖力のカワホトトギスガイ、猛毒のヒョウモンダコやハブクラゲ、眼が退化したユノハナガニなど少々マニアックな生物が人類を脅かす。
さらに海洋大循環、プレートテクトニクス、大陸棚斜面や海洋島の崩壊、化学合成生態系など注目されている地球科学のウンチクが語られ、また、独調査船〈ゾンネ〉や砕氷船〈ポーラーシュテルン〉、東大浦研究室の自律型水中ロボット、各種の地球観測衛星、一人乗り水中滑空潜水艇、大気圧潜水服など実在の海洋メカもひととおり登場する。
てっきり海洋オタクの一発もの作品かと思えばそうではない。元ミュージシャン志望、広告代理業も経験したという文系の人気作家であって、しかしその熱心さと筆力はタダモノではない。本書より先に翻訳されたノンフィクション『知られざる宇宙-海の中のタイムトラベル』では、ビッグバン以降、地球46億年の歴史から、生命の起源、海洋生態系、さらには浮遊式人工島ほか海洋工学分野を網羅する第一級の啓蒙書である。しかも図や表をいっさい使わず、巧みな比喩で一気に読ませてしまう。
登場人物は、映画俳優似で女性にもてもての中年ノルウェー人生物学者と、イヌイット出身で恋愛に臆病な若い鯨類生態学者という対称的な2人を主人公とし、恋愛が絡み、敵キャラの人物像にも厚みがあり、サービス満点のエンターテインメントである。著者は映画とワインも大好きなようで、そこかしこに映画や俳優への言及があるのも楽しい。(SFマガジン掲載)
先月ドイツを訪問した際に、ブレーメン大学でお会いしたBohrmann教授から日本人(メタンハイドレートの松本良教授、AUVの浦環教授)も登場して面白いからと1冊のペーパーバック(881ページ!)をいただきました。今日、やっと読み終わり、西村さんの要請もあり、ごく簡単に紹介します。
邦訳はまだなさそうです。ドイツではベストセラーで国際的に200万部以上売れたと表紙にあります。
読後の感想は、まずたいへんに面白く読み始めたら止められない。副題が「深部(海)の小説」で、たいへんにスケールの大きな,海洋地球生物SFです。
科学的にいいかげんなところがなく(現在の知見をフルに動員しているようである)、Bohrmannほかも実名で登場し活躍する内容です。
どういう話かは、言えません。言えませんが、海洋の生物、環境が異常を来し始めて、人間社会に影響をもたらし始めます。さまざまな性格の登場人物が、そのわけを探って行くうちに、とてつもない問題であることがわかってきます。問題を認識対処するのに、科学者がどういうものか非常にわかっている描写になっています。読むうちに、気候変動、海洋循環、プレートテクトニクス,極限環境生物,生物多様性、環境問題などがすべて関係してきます。そしてそれ以上の話です。言ってしまうと、私が経験した、読み進むうちの興奮が損なわれると思うのでここまでにします。(by K.S.さん)
この作品、”『海洋科学基礎講座』全6巻をハリウッドのパニック映画にした”といえばよいだろうか。普通の長編小説の数冊分にも匹敵する比類なき海洋SF大作である。ジェームズ・ポーリックの『腐海』という海洋SFの傑作があるが、有毒渦鞭毛藻類というプランクトンが人類を襲う。本作品でもこれが猛威をふるうほか、メタンハイドレートを食べるアイス・ワーム、旺盛な繁殖力のカワホトトギスガイ、猛毒のヒョウモンダコやハブクラゲ、眼が退化したユノハナガニなど少々マニアックな生物が人類を脅かす。
さらに海洋大循環、プレートテクトニクス、大陸棚斜面や海洋島の崩壊、化学合成生態系など注目されている地球科学のウンチクが語られ、また、独調査船〈ゾンネ〉や砕氷船〈ポーラーシュテルン〉、東大浦研究室の自律型水中ロボット、各種の地球観測衛星、一人乗り水中滑空潜水艇、大気圧潜水服など実在の海洋メカもひととおり登場する。
てっきり海洋オタクの一発もの作品かと思えばそうではない。元ミュージシャン志望、広告代理業も経験したという文系の人気作家であって、しかしその熱心さと筆力はタダモノではない。本書より先に翻訳されたノンフィクション『知られざる宇宙-海の中のタイムトラベル』では、ビッグバン以降、地球46億年の歴史から、生命の起源、海洋生態系、さらには浮遊式人工島ほか海洋工学分野を網羅する第一級の啓蒙書である。しかも図や表をいっさい使わず、巧みな比喩で一気に読ませてしまう。
登場人物は、映画俳優似で女性にもてもての中年ノルウェー人生物学者と、イヌイット出身で恋愛に臆病な若い鯨類生態学者という対称的な2人を主人公とし、恋愛が絡み、敵キャラの人物像にも厚みがあり、サービス満点のエンターテインメントである。著者は映画とワインも大好きなようで、そこかしこに映画や俳優への言及があるのも楽しい。(SFマガジン掲載)
2016年5月1日日曜日
ナチュン 都留泰作
講談社、アフタヌーンKC 第6巻2010/3/23で完結。 初出2007.2.23, 『月刊アフタヌーン』2006年8月号~11月号連載分
作者は元文化人類学者。物語の舞台(のモデル)は近来の池間島などの宮古諸島のようです。天才数学者とイルカという組み合わせ。〈人工鰓肺(さいはい)〉という水中呼吸装置が登場する。
第1巻
天才的な数学者のデュラム教授は、2035年、42歳で交通事故により大脳の前頭葉の一部と言語野のある左半球の大部分を失い、その人間離れした論理抽象能力を発揮できなくなってしまった。
数学界を引退してイルカの生態研究に転進した教授は人工鰓肺でのべ1万時間潜水してイルカとの生活を撮りためた映像を2時間50分31秒の数学論文として学会に提出するも、支離滅裂な内容に失笑を買っただった。
サンディエゴの公立図書館でそのビデオを14回は見た石井光成は、人工知能、自意識のある機械ができてしまうことに気付く。中核となる理論とプログラムがまったくわからない光成は、イルカの行動アルゴリズムを調べるため、人工鰓肺の手術を受け、全国の沿岸を探し回り、最後に込屋群島の真計島にたどり着く。
そこで口のきけないあのコ(ドル子)に出会う。
光成はイルカの生態観察のため船を出してくれる漁師を探し、ゲンさんと一緒に海で働きはじめ、イルカの研究を開始するが、イルカと仲のよいドル子に嫌われる。
第2巻
ドル子はゲンさんを密かに慕っていることに気付いた光成は、ドル子の元同級生の新城かなえの協力でゲンさんに合わせるが、それが島のオバアたちの怒りを買い、光成は真計島を追い出されることとなり、ゲンさんとともに江楽部島の網元の息子、デンカの深海追い込み漁に加わることになる。
第3巻
一方、デュラム教授の元教え子で恋人でもあったゼルダは、サンディゴの公共図書館で教授のビデオを繰り返し見た光成を拉致するため、カトリック教団の資金を使って大陸の水中生活者と太いパイプを持つヘイカの息子、デンカと裏取引し、光成を拉致しようとするが、デンカが拉致させた香港系組織「439」は光成を別組織に引き渡す。
光成は深海の人身売買市場で売れ残ったあらゆる国籍の拉致者とともに70気圧の深海底漁に従事することになる。
光成を奪われたゼルダたちはマニラで黒い枢機卿ゼフィアスに会い、第三の秘蹟を確認したことを伝える。16年前の2035年、デュラム教授は教皇ピウス13世と”アフリカの果て”で会見。その2日後に教皇が崩御し、一週間後にゼルダと教授の車が事故を起こして、教授の左脳が失われたのだった。ゼフィアスは、教授があの会見で[神の存在]に関する最終的な証明を提示したはずと考えていた。
ドル子は禁じられていたカミゴトを行ってフリムンとなり、光成との精神コンタクトに成功するが、マジムン(魔物)に取り付かれてキジムン(妖怪)になってしまう。
第4巻
オバンたちは男連中の手を借りて山狩りを行い、ようやくドル子を正気に戻す。
ゼルダたちは13ヵ月後、ようやく光成を探し当て、拷問と自白剤でビデオの秘密を引き出し、光成は再び地獄のような深海漁に戻される。光成はかつてきた死んだチムニー群で決死の深海潜水を行ったドル子を発見。かつて見捨てられて朽ちた仲間の潜水服の浮力を借りて海上への脱出に成功する。
第5巻
強い絆で結び付けられた2人だったが、1年後、光成はいよいよ人工知能への取り組みを開始する。3台のクレイ・マークIIIほかの機材を揃えるため、ゲンさんはヘイカから大金を借り、危ない橋を渡って会社を設立し、ドル子は思いを寄せていたゲンさんの内縁の妻となっていた。
ハッカーでヤク中の手塚が加わり、光成が見つけたゼータ関数の最終解法により完全無欠のネットバンクOZONのヘブンスゲートが開かれ、彼らに大金をもたらし始める。
ゼルダもまた光成から得たデュラム・ビデオの知識をもとに、バチカンの支援を得てブタを使った人工知能の実験を始める。ビデオは、見た者の脳の機能を飛躍的に増大させるのではなく、複数の脳の間に共鳴現象を引き起こし操作する、ある意味でテレパシーを可能にする。何百何千の脳を連結すればひとつの大容量コンピュータとして活用できるようになる。
第6巻
光成は自意識、生命、量子のふるまいなどあらゆる非ニュートン的自律システムのモデルの計算出力の真ん中に穴、ブランクが生じることを発見する。これはヴィトゲンシュタインのいう「語りえぬもの」やゲーデルの不完全性定理-人間の論理的思考は本質的に矛盾していて限界がある-ということを示していた。光成はその穴を補完する実験を開始するが・・・。
作者は元文化人類学者。物語の舞台(のモデル)は近来の池間島などの宮古諸島のようです。天才数学者とイルカという組み合わせ。〈人工鰓肺(さいはい)〉という水中呼吸装置が登場する。
第1巻
天才的な数学者のデュラム教授は、2035年、42歳で交通事故により大脳の前頭葉の一部と言語野のある左半球の大部分を失い、その人間離れした論理抽象能力を発揮できなくなってしまった。
数学界を引退してイルカの生態研究に転進した教授は人工鰓肺でのべ1万時間潜水してイルカとの生活を撮りためた映像を2時間50分31秒の数学論文として学会に提出するも、支離滅裂な内容に失笑を買っただった。
サンディエゴの公立図書館でそのビデオを14回は見た石井光成は、人工知能、自意識のある機械ができてしまうことに気付く。中核となる理論とプログラムがまったくわからない光成は、イルカの行動アルゴリズムを調べるため、人工鰓肺の手術を受け、全国の沿岸を探し回り、最後に込屋群島の真計島にたどり着く。
そこで口のきけないあのコ(ドル子)に出会う。
光成はイルカの生態観察のため船を出してくれる漁師を探し、ゲンさんと一緒に海で働きはじめ、イルカの研究を開始するが、イルカと仲のよいドル子に嫌われる。
第2巻
ドル子はゲンさんを密かに慕っていることに気付いた光成は、ドル子の元同級生の新城かなえの協力でゲンさんに合わせるが、それが島のオバアたちの怒りを買い、光成は真計島を追い出されることとなり、ゲンさんとともに江楽部島の網元の息子、デンカの深海追い込み漁に加わることになる。
第3巻
一方、デュラム教授の元教え子で恋人でもあったゼルダは、サンディゴの公共図書館で教授のビデオを繰り返し見た光成を拉致するため、カトリック教団の資金を使って大陸の水中生活者と太いパイプを持つヘイカの息子、デンカと裏取引し、光成を拉致しようとするが、デンカが拉致させた香港系組織「439」は光成を別組織に引き渡す。
光成は深海の人身売買市場で売れ残ったあらゆる国籍の拉致者とともに70気圧の深海底漁に従事することになる。
光成を奪われたゼルダたちはマニラで黒い枢機卿ゼフィアスに会い、第三の秘蹟を確認したことを伝える。16年前の2035年、デュラム教授は教皇ピウス13世と”アフリカの果て”で会見。その2日後に教皇が崩御し、一週間後にゼルダと教授の車が事故を起こして、教授の左脳が失われたのだった。ゼフィアスは、教授があの会見で[神の存在]に関する最終的な証明を提示したはずと考えていた。
ドル子は禁じられていたカミゴトを行ってフリムンとなり、光成との精神コンタクトに成功するが、マジムン(魔物)に取り付かれてキジムン(妖怪)になってしまう。
第4巻
オバンたちは男連中の手を借りて山狩りを行い、ようやくドル子を正気に戻す。
ゼルダたちは13ヵ月後、ようやく光成を探し当て、拷問と自白剤でビデオの秘密を引き出し、光成は再び地獄のような深海漁に戻される。光成はかつてきた死んだチムニー群で決死の深海潜水を行ったドル子を発見。かつて見捨てられて朽ちた仲間の潜水服の浮力を借りて海上への脱出に成功する。
第5巻
強い絆で結び付けられた2人だったが、1年後、光成はいよいよ人工知能への取り組みを開始する。3台のクレイ・マークIIIほかの機材を揃えるため、ゲンさんはヘイカから大金を借り、危ない橋を渡って会社を設立し、ドル子は思いを寄せていたゲンさんの内縁の妻となっていた。
ハッカーでヤク中の手塚が加わり、光成が見つけたゼータ関数の最終解法により完全無欠のネットバンクOZONのヘブンスゲートが開かれ、彼らに大金をもたらし始める。
ゼルダもまた光成から得たデュラム・ビデオの知識をもとに、バチカンの支援を得てブタを使った人工知能の実験を始める。ビデオは、見た者の脳の機能を飛躍的に増大させるのではなく、複数の脳の間に共鳴現象を引き起こし操作する、ある意味でテレパシーを可能にする。何百何千の脳を連結すればひとつの大容量コンピュータとして活用できるようになる。
第6巻
光成は自意識、生命、量子のふるまいなどあらゆる非ニュートン的自律システムのモデルの計算出力の真ん中に穴、ブランクが生じることを発見する。これはヴィトゲンシュタインのいう「語りえぬもの」やゲーデルの不完全性定理-人間の論理的思考は本質的に矛盾していて限界がある-ということを示していた。光成はその穴を補完する実験を開始するが・・・。
イオ 恋緒みなと
1~10巻、2000-03、別冊ヤングマガジン、ヤングマガジンKCスペシャル
沖縄の座間味島を舞台に、ダイビング、少女の胸に浮かぶ謎の紋章、それと同じ印が海底遺跡(そこそこ高度な文明)や博物館で見つかり、白いクジラ、インカの遺跡なども関係してくるという、りっぱな海洋SFです。
「しんかい2000」と「なつしま」がちらりと登場する。ハイドレート、ダイビングに関する基礎知識も。
沖縄の座間味島を舞台に、ダイビング、少女の胸に浮かぶ謎の紋章、それと同じ印が海底遺跡(そこそこ高度な文明)や博物館で見つかり、白いクジラ、インカの遺跡なども関係してくるという、りっぱな海洋SFです。
「しんかい2000」と「なつしま」がちらりと登場する。ハイドレート、ダイビングに関する基礎知識も。
ソリトンの悪魔 梅原克文
朝日ソノラマ 1998年、ビデオ・アニメ化 日本推理作家協会賞受賞。
2016年、音波をエネルギー源とする海中の巨大な存在『サーペント』が、与那国島の沖合に完成したばかりの海上情報都市<オーシャンテクノポリス>を破壊し、日本初の海底採掘プラットフォーム<うみがめ200>を危機に陥れる。ヘリオス石油の開発部主任の倉瀬厚志、別れた妻でソーナーとオーディオの専門家の劉秋華、7才の娘の劉美玲の3人の運命やいかに・・・。
<オーシャンテクノポリス>は5km四方の正方形デッキ4層,浮力タンク付きの脚柱1万本で海底に軟着陸させた多脚式軟着底型。寺井精英さんの海洋都市開発研究会の構想そのもの。
<うみがめ200>はヘリオス石油が開発費2000億円を投じて水深270mに設置。双胴船型の海上支援船<うみねこ130>から電力や呼吸ガスが供給される。TOV(テレプレゼンス・オペレイテッド・ビークル:光ファイバーによる疑似遠隔存在型潜水機)、OMS(一人乗り潜水艇)、AWS(多機能潜水艇)、深海用潜水服(ジム・スーツ)などが装備されている。
テトラミックス飽和潜水(「アビス」と同じヘリウム・窒素・アルゴン・酸素)が使われ(水素・ヘリウム・窒素・酸素ではないのか?),脱窒素ベクター剤で減圧時間が48時間に短縮されている。海底石油掘削プラットフォームについて、海上型と浮遊式と海底式の間の技術論争もおもしろい。
潜水艦救難艇(DSRV)<いるか4>に装備されているホロフォニクス・ソーナー(立体音響視界)がSFで初めて登場。その他,SOSUS(海底敷設ソーナー網)、地質探査ソーナー<アース・アイ>、ブルーグリーン・レーザー海中~衛星通信、超電導フラーレン電池など海中工学オンパレード。
超音波フォグ、音響発光(超音波気泡放電)、ソリトン(粒子性を持つ孤立波。波の非線形性と分散性が釣り合って半永久的に存在する孤立波)、高圧神経症候群(HPNS)、ポリウォーターなどの用語が登場。
2016年、音波をエネルギー源とする海中の巨大な存在『サーペント』が、与那国島の沖合に完成したばかりの海上情報都市<オーシャンテクノポリス>を破壊し、日本初の海底採掘プラットフォーム<うみがめ200>を危機に陥れる。ヘリオス石油の開発部主任の倉瀬厚志、別れた妻でソーナーとオーディオの専門家の劉秋華、7才の娘の劉美玲の3人の運命やいかに・・・。
<オーシャンテクノポリス>は5km四方の正方形デッキ4層,浮力タンク付きの脚柱1万本で海底に軟着陸させた多脚式軟着底型。寺井精英さんの海洋都市開発研究会の構想そのもの。
<うみがめ200>はヘリオス石油が開発費2000億円を投じて水深270mに設置。双胴船型の海上支援船<うみねこ130>から電力や呼吸ガスが供給される。TOV(テレプレゼンス・オペレイテッド・ビークル:光ファイバーによる疑似遠隔存在型潜水機)、OMS(一人乗り潜水艇)、AWS(多機能潜水艇)、深海用潜水服(ジム・スーツ)などが装備されている。
テトラミックス飽和潜水(「アビス」と同じヘリウム・窒素・アルゴン・酸素)が使われ(水素・ヘリウム・窒素・酸素ではないのか?),脱窒素ベクター剤で減圧時間が48時間に短縮されている。海底石油掘削プラットフォームについて、海上型と浮遊式と海底式の間の技術論争もおもしろい。
潜水艦救難艇(DSRV)<いるか4>に装備されているホロフォニクス・ソーナー(立体音響視界)がSFで初めて登場。その他,SOSUS(海底敷設ソーナー網)、地質探査ソーナー<アース・アイ>、ブルーグリーン・レーザー海中~衛星通信、超電導フラーレン電池など海中工学オンパレード。
超音波フォグ、音響発光(超音波気泡放電)、ソリトン(粒子性を持つ孤立波。波の非線形性と分散性が釣り合って半永久的に存在する孤立波)、高圧神経症候群(HPNS)、ポリウォーターなどの用語が登場。
2016年4月28日木曜日
アフター0 •岡崎二郎
初出1988-1996、小学館、著者再編集版、全10巻、2002-2003)、「アフター0 Neo1-2」(2004)
さまざまな科学テーマによる短編集。
深海テーマでは、第3巻で日本マリン科学所属の海洋調査船ウィリー号と新型潜水スーツと潜水艇〈PINECONE〉が登場し、500mという浅い水深のマンガン・ノジュールにまつわる事件が描かれる。第9巻で、伊豆・小笠原海溝3千mで採取された生きたゼリー状二酸化炭素/天然ガス生物のネレイスが登場。
そのほかの地球科学テーマ・古代文明ではクラカトア火山、ユカタン半島のチチュルブクレーター、1万2千年前、イスラエルの北部のナトゥフ文化、ナスカの地上絵。
生物テーマが一番多いかな。種の多様性、炭素結晶生物、内因性のモルヒネ様物質β-エンドルフィンとその含有ニューロン、神経伝達物質ドーパミン、種族維持的合目的性テレオノミー、バクテリア状エイリアンとの共生、半導体隕石からなる珪素生物、ヤコブソン嗅覚器官、フェロモン、Tiプラスミド、種内淘汰/性淘汰、野生種、ゲシュタルト知覚、光合成によってタンパク質を合成する緑藻類〈氷雪プランクトン〉、粘菌のようにもふるまう特殊なコロイドでできた氷状生物(滝の神)、ジャンクDNAの中からスイッチを入れれば発現するスーパー遺伝子、根粒細菌をもつ農作物、キメラ、ネオテニー(幼形成熟)、アンチセンスRNA、細胞の寿命を決めるテロメアと、それを修復し生殖細胞や肝細胞にしかないテロメラーゼ、海馬、高酸素濃度と巨大昆虫、行動遺伝子、セロトニン強化。
宇宙・天文テーマでは、核爆発による電磁パルスEMPを利用したガンマ線ビーム衛星、ネメシス、オールトの雲、月の潮汐効果、銀河規模の光コンピュータ、ラムダ超核子の波動収束、スーパーストリングス、静止軌道上に建設された全長1085mの仏座像、SETIなどのテーマが登場。
さまざまな科学テーマによる短編集。
深海テーマでは、第3巻で日本マリン科学所属の海洋調査船ウィリー号と新型潜水スーツと潜水艇〈PINECONE〉が登場し、500mという浅い水深のマンガン・ノジュールにまつわる事件が描かれる。第9巻で、伊豆・小笠原海溝3千mで採取された生きたゼリー状二酸化炭素/天然ガス生物のネレイスが登場。
そのほかの地球科学テーマ・古代文明ではクラカトア火山、ユカタン半島のチチュルブクレーター、1万2千年前、イスラエルの北部のナトゥフ文化、ナスカの地上絵。
生物テーマが一番多いかな。種の多様性、炭素結晶生物、内因性のモルヒネ様物質β-エンドルフィンとその含有ニューロン、神経伝達物質ドーパミン、種族維持的合目的性テレオノミー、バクテリア状エイリアンとの共生、半導体隕石からなる珪素生物、ヤコブソン嗅覚器官、フェロモン、Tiプラスミド、種内淘汰/性淘汰、野生種、ゲシュタルト知覚、光合成によってタンパク質を合成する緑藻類〈氷雪プランクトン〉、粘菌のようにもふるまう特殊なコロイドでできた氷状生物(滝の神)、ジャンクDNAの中からスイッチを入れれば発現するスーパー遺伝子、根粒細菌をもつ農作物、キメラ、ネオテニー(幼形成熟)、アンチセンスRNA、細胞の寿命を決めるテロメアと、それを修復し生殖細胞や肝細胞にしかないテロメラーゼ、海馬、高酸素濃度と巨大昆虫、行動遺伝子、セロトニン強化。
宇宙・天文テーマでは、核爆発による電磁パルスEMPを利用したガンマ線ビーム衛星、ネメシス、オールトの雲、月の潮汐効果、銀河規模の光コンピュータ、ラムダ超核子の波動収束、スーパーストリングス、静止軌道上に建設された全長1085mの仏座像、SETIなどのテーマが登場。
海中探検家-J・Y・クストー物語 ジェームズ・デューガン
1957年
アクアラングや潜水円盤の開発などの解説。デューガンは海中世界を「インナー・スペース」と呼び始めた人。
アクアラングや潜水円盤の開発などの解説。デューガンは海中世界を「インナー・スペース」と呼び始めた人。
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ダイビング,
ノンフィクション,
潜水船
太陽のとどかぬ世界 ジャック・イブ・クストー
DVD 1964
1965年アカデミー賞の最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞。「コンシェルフ II」という計画名のもと、紅海ポ-トスーダンの北東約40kmシャアープルミ礁での長期海底滞在実験のドキュメンタリー。クストー夫人が助監督を勤めており、ハビタット内のテレビ画面に船上のクストー夫人がちらっと映る。
礁内の水深11mの海底に通常の圧縮空気が使われた〈ヒトデ・ハウス〉と呼ばれる海底ハビタットと円盤形潜水艇〈ダイビング・ソーサー〉を格納するガレージが置かれている。また海上作業台が設けられていて、電力を供給する発電船とカリプソ号が繋がれている。
〈ヒトデ・ハウス〉内ではタバコがプカプカ吸われ、さすがフランス、朝から赤ワインを飲んでいる。オウム(名前不明)が持ち込まれ、散髪シーンやイワシの缶詰のサンドウィッチを食べるシーンとか、顕微鏡でプランクトンの研究するシーンもあり。〈ヒトデ・ハウス〉外では擬態する海洋生物の夜間の行動の研究とかのシーンもあり。
その下、水深27mに窒素、酸素、ヘリウムからなる混合ガスを用いた深海小屋ディープキャビンがあり、そこから水深50mあたりにあるサメよけ檻までエクスカージョン潜水する。
さらに水中ジェット推進の〈ダイビング・ソーサー〉で304mまで探検し、最後は恐ろしいことに〈ダイビング・ソーサー〉で海底洞窟に入っていって、洞窟内に空気が溜まった部分に浮上する。どこにそんなところがあるのかな。
なまじっかのフィクションよりもよっぽど海洋SFらしいドキュメンタリーであった。
=「Man in the Sea」へショートカット
=>太陽のとどかぬ世界(週間映画の情報サイトの名作一本より)リンク切れ
1965年アカデミー賞の最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞。「コンシェルフ II」という計画名のもと、紅海ポ-トスーダンの北東約40kmシャアープルミ礁での長期海底滞在実験のドキュメンタリー。クストー夫人が助監督を勤めており、ハビタット内のテレビ画面に船上のクストー夫人がちらっと映る。
礁内の水深11mの海底に通常の圧縮空気が使われた〈ヒトデ・ハウス〉と呼ばれる海底ハビタットと円盤形潜水艇〈ダイビング・ソーサー〉を格納するガレージが置かれている。また海上作業台が設けられていて、電力を供給する発電船とカリプソ号が繋がれている。
〈ヒトデ・ハウス〉内ではタバコがプカプカ吸われ、さすがフランス、朝から赤ワインを飲んでいる。オウム(名前不明)が持ち込まれ、散髪シーンやイワシの缶詰のサンドウィッチを食べるシーンとか、顕微鏡でプランクトンの研究するシーンもあり。〈ヒトデ・ハウス〉外では擬態する海洋生物の夜間の行動の研究とかのシーンもあり。
その下、水深27mに窒素、酸素、ヘリウムからなる混合ガスを用いた深海小屋ディープキャビンがあり、そこから水深50mあたりにあるサメよけ檻までエクスカージョン潜水する。
さらに水中ジェット推進の〈ダイビング・ソーサー〉で304mまで探検し、最後は恐ろしいことに〈ダイビング・ソーサー〉で海底洞窟に入っていって、洞窟内に空気が溜まった部分に浮上する。どこにそんなところがあるのかな。
なまじっかのフィクションよりもよっぽど海洋SFらしいドキュメンタリーであった。
=「Man in the Sea」へショートカット
=>太陽のとどかぬ世界(週間映画の情報サイトの名作一本より)リンク切れ
世界の果てへの旅 ジャック・イブ・クストー
DVD 1975年
南極大陸での海洋生物の姿。〈カリプソ号〉の船首にヘリポートが設けられ、ドライスーツや潜水円盤による海氷下の撮影あり。蓮状氷の中に浮上した潜水円盤は、ハッチが水面下に沈んでおり、発見されやすいように推進用のノズルを空中に向けて噴出するのが面白い。
=>アクエリアス(ダビンチの予言)リンク切れ
南極大陸での海洋生物の姿。〈カリプソ号〉の船首にヘリポートが設けられ、ドライスーツや潜水円盤による海氷下の撮影あり。蓮状氷の中に浮上した潜水円盤は、ハッチが水面下に沈んでおり、発見されやすいように推進用のノズルを空中に向けて噴出するのが面白い。
=>アクエリアス(ダビンチの予言)リンク切れ
グラン・ブルー デュック・ベッソン監督
グレート・ブルー
素潜り世界記録保持者のジャック・マイヨール(メイヨール)の伝記的作品。デュック・ベッソン監督、ジャン・レノがジャック・マイヨールのライバル役で出演。公開当時はあまり有名でなかったが、「ニキータ」、「レオン」の大ヒットで見直された。
ジャック・マイヨールが海女とともに日本の潜水医学の発展に多大な貢献をしてきたことは、あまり知られていない。
=>怒涛!「TEXT」の嵐!(伊藤朔々太郎さんのサイト)リンク切れ
=>Tad's Place for Movies(備後 匡さんのサイト)リンク切れ
=>ジャック・マイヨール公式サイト
素潜り世界記録保持者のジャック・マイヨール(メイヨール)の伝記的作品。デュック・ベッソン監督、ジャン・レノがジャック・マイヨールのライバル役で出演。公開当時はあまり有名でなかったが、「ニキータ」、「レオン」の大ヒットで見直された。
ジャック・マイヨールが海女とともに日本の潜水医学の発展に多大な貢献をしてきたことは、あまり知られていない。
=>怒涛!「TEXT」の嵐!(伊藤朔々太郎さんのサイト)リンク切れ
=>Tad's Place for Movies(備後 匡さんのサイト)リンク切れ
=>ジャック・マイヨール公式サイト
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