2015年12月14日月曜日

気象精霊記4:海底火山とラッコ温泉 清水文化

富士見ファンタジア文庫 2001年

 小天体が落下し超巨大津波が発生し、膨大な塵が成層圏に吹き上げられる。津波を火山・地震の津波で打ち消そうとし、また強力な台風に伴う高層低気圧で水蒸気を成層圏に送り込み、塵を凝結核として水の粒を成長させ、成層圏の塵を除去する・・・という模擬訓練が精霊気象局のシミュレータで実施される。

 温泉列島(千島列島のこと)で予定外の地震の発生。それに触発されて、シャシコタン島とマツワ島の間に横たわる海底火山群-ムチタン岩礁で地球を一気に氷河期に突入させるほどの巨大な海底火山が噴火する危険が出てきた。

ミリィとセーラはウルップ島沖の海溝で沈み込む玄武岩海山を打ち砕いて境界面を流動化しサイレント・アースクエイク(無鳴動大地震/無口なまず)を起こして歪みを解消する。ところが予期せぬパラムシル島南東沖でM6.7の地震が発生。それによってムチタン岩礁の海底火山がついに噴火してしまう。

爆発的な噴火による火山灰で地球が寒冷化しないよう、対流圏の火山灰を雨で洗い流すために低気圧を発達させるが、噴火口の真上に大規模な高層低気圧が発生してしまい、大量の噴煙が成層圏に舞い上がってしまう。実は氷河期を起こすことを計画する気候変動誘発局の策略だった。火山灰が自然降灰するのを待っていると暴走冷却を引き起こして氷河期に突入する恐れが・・・。

1815年:スンバワ島のタンボラ火山
1883年:スンダ海峡にある火山島クラカトア
1991年:ピナトゥボ大噴

(横浜研開架)

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