2016年1月1日金曜日

ヘリック最後の冒険 田中光二

光文社文庫 1986年

 スペイサス(宇宙)を往来する能力を持つオリュポスの一族がアルゴス(地球)で自らを神々と称し人間を支配していた時代。オリュポスのゼウスが人間の王国ルキオンのルキア姫に産ませたヘリックを主人公とするヒロイック・ファンタジー全4巻の最終巻。

 北極に開いている巨大な穴オケロンに入り、えねるぎぃの擾乱である"大障壁"を通って地底世界オケアノス(冥土)に向かう。そこは薄暮めいた光がみなぎり、オリュピア人の中の権力闘争に敗れたダルダロイ(地底に棲む者)人、またの名をクロトン(クロノスを飼う者)が封じ込められていた。首都ハデスの宮殿では女王ペルセポネがオケアノスを統治している。海の神ディゴンを信仰している。アルゴスの先住民族でオリュポスに駆逐された一つ目の巨人クロノスが生き残っている。

 地底海ヌメアには小山ほどの大きさ、八本の足を持つクラーゲンがいる。ヌメアの果ての孤島にあるカリストの城にはオリュポスとダルダロイに掛けられた呪いが封印されていた・・・。

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