ハヤカワSFシリーズ Jコレクション 2002年
1999~2000の短編3つを再構成して長編化したもの。
2006年、水星から宇宙空間に何かの物質が放出されていることが、水星の太陽面通過の際に発見された。ハッブル宇宙望遠鏡で観測すると、水星表面に無数の線状構造物がはりめぐらされ、地表の鉱物が赤道を巡るマス・ドライバーで射出されていることが判明。
やがて水星の軌道の内側に、太陽を取り巻く直径8千万kmもの巨大なリングが出現する。それは徐々に幅を広げ、日射量の減少により地球は氷期の訪れとともに気候が不安定な状態に突入し、毎日6万人が餓死する危機的状況に・・・。
リングを破壊しようとしてもたちまち修復されてしまい、水星に接近しようにもガンマー線レーザー(グレーザー砲)に阻まれてしまう。2018年、リング上の一点に木星サイズの暗斑が出現する。〈島〉と呼ばれたそれは建造者の母星との通信アンテナを思わせたが、やはりそこもグレーザー砲で守られていた。
2022年、ついに有人原子力宇宙船がリングに接近する。グレーザー砲発射後にエネルギーが充填される間に、〈島〉に接近した彼らは、そこで〈島〉の真の役割を知る。
それは・・・、と書いてしまうと、ネタバレになるし、これを書かないと、本書の一番肝心なところにまったく触れることができないし・・・。
つまりは恒星間飛行できるほどに進化した知的存在とは何かを問う、なかなかの力作です。
ちょっと引っかかったのは、リングによって50年後に年間日射量が10%減少するという設定で、「原発建設に拍車がかかった」とありますが、それじゃ逆で、それこそ石炭火力発電所にどんどん転換していくとか、海底メタンハイドレートのメタンを大気中に放出するとかそういう話も欲しいところですが、それじゃリングを破壊しにいく理由が付かないですね。
2006年、水星から宇宙空間に何かの物質が放出されていることが、水星の太陽面通過の際に発見された。ハッブル宇宙望遠鏡で観測すると、水星表面に無数の線状構造物がはりめぐらされ、地表の鉱物が赤道を巡るマス・ドライバーで射出されていることが判明。
やがて水星の軌道の内側に、太陽を取り巻く直径8千万kmもの巨大なリングが出現する。それは徐々に幅を広げ、日射量の減少により地球は氷期の訪れとともに気候が不安定な状態に突入し、毎日6万人が餓死する危機的状況に・・・。
リングを破壊しようとしてもたちまち修復されてしまい、水星に接近しようにもガンマー線レーザー(グレーザー砲)に阻まれてしまう。2018年、リング上の一点に木星サイズの暗斑が出現する。〈島〉と呼ばれたそれは建造者の母星との通信アンテナを思わせたが、やはりそこもグレーザー砲で守られていた。
2022年、ついに有人原子力宇宙船がリングに接近する。グレーザー砲発射後にエネルギーが充填される間に、〈島〉に接近した彼らは、そこで〈島〉の真の役割を知る。
それは・・・、と書いてしまうと、ネタバレになるし、これを書かないと、本書の一番肝心なところにまったく触れることができないし・・・。
つまりは恒星間飛行できるほどに進化した知的存在とは何かを問う、なかなかの力作です。
ちょっと引っかかったのは、リングによって50年後に年間日射量が10%減少するという設定で、「原発建設に拍車がかかった」とありますが、それじゃ逆で、それこそ石炭火力発電所にどんどん転換していくとか、海底メタンハイドレートのメタンを大気中に放出するとかそういう話も欲しいところですが、それじゃリングを破壊しにいく理由が付かないですね。
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