2016年1月11日月曜日

青の6号 小澤さとる 久松文雄

1967年/少年サンデー 1999年/世界文化社,

「完全版 青の6号」マンガショップシリーズ2011.6.3
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特別大図解(ストリームベース、青の6号、フリッパー、青のロボット、青の艦隊)、読切「青の6号」(探偵局員、竜児の任務名)、小沢さとるによるアニメ版「青の6号」裏話、ノボ寸法図が収録。
1967 年に少年サンデーで連載。太平洋中央の海底下250mにあるマラコット海山の火口に「青のドーム」があり、海中航路の安全と救難を目的とした組織「青」の 本局(円波局長)が置かれている。青の所属艦隊と、世界制覇を狙う多国籍企業マックスの戦闘艦<ムスカ>、浮遊式潜水艦基地<ストリーム・ベース>、<ヤ マトワンダー>(ボガー艦長)、赤ハゲとの戦い。
 この復刻版の後書きに作者自らを「尻切れとんぼ作家」と称しているのが面白い。

=完全ネタバレ版あらすじ
●「青の6号」(1967、少年サンデー)

・ムスカ雷撃戦の巻
 「青」は、海中航路の航海の安全と救難を目的として、太平洋を利用する各国の艦船や資金をもちよって組織された。「青の本局」(青のドーム)は、北太平洋ほぼ中央にあるマラコット海底火山(山頂の水深250m)のスリバチの底310mに置かれ、「ノボ」がその門番役を果たしている。
 太平洋の各地で攻撃型潜水艦が撃沈され、その数は6隻にのぼった。テロ団体から米ソに次ぐ経済団体になった秘密結社マックスの仕業とみられるが、これまで撃沈された海域は、どういうわけか青の本局を中心とする円状に分布していた。
 青の6号くろしお号(2,700トン、伊賀艦長、早田副長)も青のドームに帰投途中に正体不明の潜水艦(ムスカ)に尾行されるが、ノボに行動不能にされたムスカは自爆してしまう。残骸を調査した結果、動力源はインゴリン(過酸化水素)を燃料とするワルター機関に類するもので、航続時間がせいぜい12時間であることが判明した。また、ムスカの音データを元に、青の日本支局で怪潜を識別する装置「マックス・パース」が開発され、青の102救難補給艦「ちはや」(5,700トン)に積みこまれた。これを受け取るため青の全艦が集合海域に向かい、青6もフリッパーとその搭乗員、山野ケン太と沖田竜次を乗せて出動する。
 マックスの浮遊潜水艦基地「ストリーム・ベース」は、12隻の万能潜水艦ムスカの隊長としてベルグを迎えるため、浮上する。ベルグはかつてドイツ海軍きっての潜水艦長で、ソビエト海軍の潜水艦訓練学校校長としてマックスに潜水艦乗りを送り込んでいたのだ。そこに偶然に遭遇した「ちはや」が撃沈され、集合した青の潜水艦隊は、近くにあるはずのマックスの基地を求めて追撃を開始する。
 まず、青の8号パイロン(300トン、中国、マオ艦長)がムスカの1隻を撃沈するが、ストリーム・ベースに撃沈されてしまう。青6は4ノット半の海流に乗って浮遊するストリーム・ベースをついに捉えるが、ロケット弾の猛襲を受け、フリッパーが身を挺して防ぐ。青6は反撃してストリーム・ベースを破壊。続いて5隻のムスカをオトキチで撹乱し、スタンピート、魚雷、ビッグロックの全弾発射で撃破。しかし、ベルグのムスカ1号が生き残り、青6は丸腰のまま体当たりを決行するが、紙一重でかわされる。
 ベルグは青6の艦長がかつての盟友、伊賀大作であることを知り、青6に不発弾を打ち込んで立ち去るが、青の1号コーバック号(5,500トン、米国空軍所属、ギルフォード艦長)に接戦の末、撃沈されてしまう。

・ヤマトワンダーの巻
 戦艦大和の目撃が相次ぐなか、米国の原子力巡洋艦バートランドが撃沈され、錯乱した艦長がヤマトの名を口走る。海上保安庁の調査船「うみちどり」が潜水器で大和の沈没地点を調査するが、大和の姿はなく、海獣「赤ハゲ」に沈没させられる。
 コーバック号が調査に向かうが、青6も命令を無視して出港する。大和の沈没地点に到着したコーバック号は、電子頭脳ダイナがムスカ66に誘導された赤ハゲの動きに惑わされて、海底崖に激突・沈没する。
 ストリーム・ベースを破壊されたマックスは、孤島の難破船にアジトを移し、蛭田博士の「ヤマト・ワンダー計画」、赤ハゲの音波誘導実験、ムスカ潜隊の再建、そして、マックスの海底首都<ビッグ・マックス>の建設を進めていたのだ。
 パトロールに出たフリッパーはヤマトに出会い、海中を自由に泳ぎ回る改造人間たちに捕らえられる。ケン太と竜次はボガー艦長に艦内を案内され、ヤマトの驚異的な力を知らされる。フリッパーの帰投を待っていた青6は、赤ハゲに襲撃されるが、偶然発射されたオトキチによって辛くも危機を脱し、浮上して損傷した舵を修理する。その上空をコーバック号救難のためのレスキューサブが空輸される。
 青6はフリッパーを諦めて本局に帰投途中、ついにヤマトに遭遇。ちょうど青の哨戒艦シャーロット号(対潜フリゲート、2,300トン)もヤマトを捉え、攻撃を開始するが、あえなく撃沈される。その間、接近した青6は、ヤマトと熾烈な闘いを繰り広げ、双方とも被弾する。この攻撃でフリッパーが収容されていた区画が破れ、ケン太らが脱出する。
 一方、青6は緊急浮上中、ヤマトに激突・大破し、伊賀艦長を洋上に残して沈没してしまう。かなりのダメージを受けて浮上したヤマトは、対潜支援空母ブルーホーク(1,600トン)からの索敵機に攻撃されるが撃墜する。
 漂流する伊賀艦長は、到着した青の3号マラコット号(2,900トン、英国、フリント艦長。707のモビー・ディックに似ている)にフリッパーの収容を頼む。ムスカの接近によって、マラコット号は急速潜航するが、ホーミング魚雷に追跡される。フリッパーの固縛索が切れ、フリッパーがタテとなったお陰で辛くも助かるが、さらにムスカに追撃されるところを、間一髪でコ-バック号二世に助けられる。コーバック号二世は、伊賀艦長と、奇跡的に再浮上に成功した青6の早田副長他の乗員を収容していた。
 青の全潜艦隊がヤマト攻撃に出動している間、赤ハゲとムスカ潜隊は青の本局を急襲。戦闘艇シャークとノボが反撃するが、赤ハゲの猛攻に苦戦する。ロケット攻撃のためドームを緊急開放しため、回航されていた青の6号二世はドーム外に押し出される。対抗手段を全てなくした青のドームは、ついにB号プッシュによる緊急浮上で総攻撃をかわす。
 一方、赤ハゲは、ノボの攻撃によってムスカ66からの誘導音波が途絶えたため、暴走してムスカ潜隊を壊滅させる。生き残ったのはバトル将軍のムスカのみ。ようやく帰投したコーバック号二世は、ムスカから分離したトーピード・カプセルの攻撃をかわす間に、ムスカに真後ろにくっつかれる。危ういところを補助推進器に見せかけた艦尾ロケットでムスカを撃沈する。
 5日後、浮上している青のドームから青の6号二世、コーバック号二世、マラコット号らが再出撃する。青6二世は、長年マックスに潜入していた野中二尉(『丹下左膳』の闇太郎に似ている)の指示に従い、フリッパーで水中衛星タンデムを破壊。一時的に機能停止したマックスの本部ビッグマックスを特殊魚雷で撃破する。
 その他の青の所属艦隊:
・ブルーベイ号(青の0号、12,000トン、補給潜水艦)
・タルボット号(青の7号、2,300トン、オーストラリア、バーク艦長)
・はやて(高速対潜フリゲート、1,600トン)

●新AO6 AOの潜水艦隊ブルーレイバーズの構成:
・コーバックIII世(AOの1号、米国、17,000トン、ボーグ艦長)
・ウイザード(AOの2号「魔法使い」、英国、マッコービー艦長)
・パターシュ(AOの3号「蝶々」、カナダ、ボウ艦長)
・レクイエム(AOの4号「葬儀屋」、ドイツ、カウフマン艦長、超高速魚雷アウンドドッグ搭載)
・ボルガ(AOの5号、ロシア、ヤーゾフ艦長、レーザー砲、深海スコール弾、飛行船<赤い鯨>を搭載)
・カムイ(AOの6号、日本、通称ドンガメ、3,600トン、外海艦長、海音寺司令、搭載艇グランパス)
・タイヤン(AOの7号、中国、ヤン艦長)
・インディラ(AOの8号、インド、シン艦長)
・ドルフィン(AOの9号、タイ、トイ艦長)
・セマウル(AOの10号「キムチ樽」、韓国、キム艦長)
・アウルネスト(「梟の巣」、青の監視衛星)
青の本局
・ノボ
・コブラヘッド/スネーク
・メックアイ
・迎撃戦闘艇オクトパスヘッド
 一方のジオス側は、
<ハウンド・ムスカ>
海中戦艦<ジオス・ガーフィッシュ>(推定100,000トン、マードック、アウルハンター搭載)
<ムスカ3号マンタ>(マジック司令、魚雷防御オクトパス8搭載)
<爆潜Q>(モッズ艦長)
などが登場。

●OVA版青6
・コーバック(青の1号、米、ギルフォード艦長、デザイン:河森正冶)
・マラコット(青の3号、仏、デザイン:きお誠児)
・りゅうおう(青の6号、日、ドンガメ、伊賀艦長、グランパス搭載、デザイン:前田真宏。グランパスのデザインは河森正冶)
・ウーメラ (青の7号、オーストラリア、デザイン:山下いくと)
・商(シャン)(青の8号、中華人民共和国、デザイン:山下いくと)
・シン・ハー (青の9号、シンガポール、デザイン:きお誠児)
・タイフーン級(艦名不明、青の0号)
・ナガトワンダー(幽霊戦艦)
・なるしお(日)
・ブルードーム(デザイン:山下いくと案を前田真宏が修正)
・ノボ(デザイン:前田真宏)
製作:渡辺 繁、宍戸史紀、村濱章司
企画:川城和美、原澤和美
プロデューサ:池口和彦、小池経利、杉山 潔、中島伸治
原作 小澤さとる
監督:前田真宏(本作が初監督作品、「FINAL FANTASY-UNLIMITED-」監督、「風の谷のナウシカ」動画、「天空の城ラピュタ」原画、「おもひでぽろぽろ」作画、「紅の豚」原画、「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」怪獣デザイン、画面設計)公式サイト
脚本:山口 宏(「ルパン三世」、「ジャイアントロボ 地球が静止する日」、「機動戦士ガンダム 灼熱の追撃 ―アフリカ戦線0079―」、「無防備都市」、「超時空世紀オーガス02」、「装甲騎兵ボトムズ 復讐の惑星シド」)
演出:千明孝一
キャラクターデザイン:村田蓮爾(紀之。「快楽天」、「エース特濃vol.5」、「S~エス~」、「導きの星4 出会いの銀河」、公式サイト)、草彅琢仁(ベルグ、ミューテオ)
メカニックデザイン:河森正治、山下いくと、前田真宏
アニメーションキャラクターデザイン:村田俊治
美術監督:菊地正典
美術デザイン・設定:小林 治
3DCGディレクター:鈴木 朗
2DCGディレクター:福士 享
音響監督:鶴岡陽太
音楽:THE THRILL
音響制作:ユーメックス
協力:海上自衛隊
制作:GONZO
製作:バンダイビジュアル、東芝EMI、GONZO

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