2016年5月2日月曜日

星の墓標 谷甲州

「航空宇宙軍史」シリーズ、ハヤカワ文庫JA 1987年

 以下の4話からなる連作長編。
第1話:タナトス戦闘団
第2話:ジョーイ・オルカ
第3話:トランパー・キリノ
第4話:星と海とサバンナ
 全体は21世紀末に起こった航空宇宙軍(地球・月系)と外惑星連合軍(木星・土星他)の戦争時の事件とその40年後の話。そのうち第2話は、21世紀末に国立海獣訓練センターで、放牧船団で魚群を誘導するため飼育・訓練されていたシャチのジョーイが、宇宙戦闘艦の制御系に使われて戦う話です。(by 室橋さん)

第1話:タナトス戦闘団
 土星の衛星タイタンの高緯度地域にあるエイラト基地では、生体脳を用いた戦略的判断の下せる制御システムが密かに開発されていた。ジェームズ・ランド中尉、整備工のハンス・ホルツァー軍曹、医師のマリア・シソン博士、情報管制官のピーター・ギゾム二士、ジアウル・ラクソン技師、サミュエル・ブーフハイム少佐ら12人の脳を本体のコンピュータであるラザルスが統括していた。

 エイラト基地の研究成果物を接収するという命を受けた外惑星連合軍タナトス・コマンド中隊のダンテ隊長は、そこでラザルスを発見する。ラザルスは秘密保持のために自分たちを破壊しようとする基地内の研究員の思考に入り込み全員を殺害していたのだった。ダンテ隊長は彼らにタイタンを脱出して生き続けるよう説得する・・・。

第2話:ジョーイ・オルカ
 「海のシェパード」となるべく訓練を受けていたジョーイたちは、入り江の向こうの外海から仲間の悲痛な声を聞き、助けに向かった。実はそれは密漁団による録音された鳴声だった。7頭のシャチが拉致されたがジョーイは密漁団のボートに逆襲し重傷を負いつつも助かる。しかし、ジョーイは人を襲ったシャチとして処分が命じられ、訓練士の長谷川技官はジョーイを密かに連れ出し、野生に帰ろうとしないジョーイにダイバーナイフで切りつけて去らせる。

 やがて野生のシャチの群れを率いるリーダーとなったジョーイは、シロナガスクジラの群れを仕留めようとするところ、ヘリコプターの攻撃を受ける。再び目覚めた時、ジョーイは宇宙船となっていた・・・。

第4話:星と海とサバンナ
 タイタンを脱出したラザルスたちは、オルカキラーに積まれて・・・。

=>青年人外協力隊(谷甲州黙認ファンクラブ)

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