2016年5月7日土曜日

マグマ 真山仁

初出2005、朝日文庫2008、角川文庫Kindle版2012
http://www.amazon.co.jp/dp/B009GPM8DC/

相次ぐ国内の原発でのトラブル隠しと、成長著しいアジア諸国での原発建設ラッシュを牽制するため、先進国エネルギー問題会議で「五年以内を目処に日本の原発の閉鎖」を勧告される。そんななかで、それまで見捨てられていた地熱発電に政財界のさまざまな思惑がひしめくなか、民事再生中の地熱開発会社を巡る話。
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初出の2005年は、ありえないと思われた国内原発の全停止という設定が、福島原発以降に現実のものとなってしまって、この作品の意味合いがまったく変わってしまった。

地熱開発会社の再生を担当するヒロイン31歳がなかなか魅力的。外資系投資ファンドの日本支店でシニア・アナリシストとして企業の買収と再生を担当している。目を見張る美貌の持ち主ながら、実力のみでで評価されたいというコンプレックスを持つ。

御嶽山噴火のこともあって、調べてみると、やはりマグマ溜まりと地下水の存在が必要でいかにも適地が限定されかつ不安定っぽいのだが、それに依存しない高温岩体発電というものがある(電中研報告書)
http://www.denken.or.jp/research/review/No49/index.html
水圧破砕によって貯留層を安定的に維持することがまだまだ難しそうな感じ。

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