2015年12月5日土曜日

グリュフォンの卵>スロー・ライフ マイクル・スワンウィック

短編集「グリュフォンの卵」より、ハヤカワ文庫SF、2006年

 2003年ヒューゴー賞受賞作品。著者は「大潮の道」で周期的に陸の大半が水没する惑星のユニークな生態系を描いている。
 舞台は土星の衛星タイタン。軌道船〈クレメント〉にアラン・グリーンを残し、2人の女性クルーが着陸船〈ハリー・スタッブス〉でタイタン地表に降り立つ。そこはメタンの雨が降り、ソリン(有機物粒子)の水溜りのあるマイナス179度Cの世界。
 貴重なメタンの雨サンプルを採取できてご機嫌なリジイ・オブライエンは「アイム・シーンギン・イン・ザ・レイン・・・」と歌う。もうひとりのコンスエロ・ホンはやっと浜辺に到着し、そこで三菱製ひらめロボフィッシュをアンモニアとメタンの混合する海中に放つ。
 コンスエロと合流するためにバルーンで移動するリジイは、排気弁が開かず降下できなくなり、海上を漂う。救出方法はなく死を待つのみ。リジイは眠るたびに不思議な声を聞く。
 ロボフィッシュは、厚さ30キロに及ぶ氷にできた穴を通って、その下に深さ200キロの海を発見。穴の直下に火山性噴出孔があった。そこには・・・・。

(部内留保)

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