2015年12月14日月曜日

気象精霊記1:正しい台風の起こし方 清水文化

富士見ファンタジア文庫 1997年

 ファンタジア長編小説大賞、審査員特別賞受賞。5つの前線を伴う低気圧(低気圧の中心から伸びる2対の温暖前線と寒冷前線+もう一つの閉塞前線)、台風と温帯低気圧の違い、台風が火山を打ち落とす、赤道を横断する台風、台風カタパルト、右回りの竜巻

 ユメミが軽く4日分のエネルギーを投入して作った台風。実は台風5~6個分の熱量であり、成長すると半径900キロ以上、中心気圧800ヘクトパスカル未満、最大風速毎秒135キロ以上という超巨大台風を作ってしまった。これを弱めるために、ミリィたちは台風自体の低気圧を利用して冷たい深層水を汲み上げる、上流側に別のミニ台風を作ってそれにエネルギーを奪わせる、冷たい雨雲をちまちま取り込むという3つの方法を講じる。ところが、そこに災害オタクのキャサリンがミニ台風を乗っ取り、巨大台風にぶつけて合体させようとする。それをフライ・バイのように・・・。

 この観測史上最大の巨大台風6号は、最終的にはミリィたちの活躍で推定死者2万人となるところを3千人超えに押さえることになるが、床上・床下浸水600万戸以上、600兆円を超える被害をもたらす。

(横浜研開架)

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