2015年12月2日水曜日

樹環惑星―ダイビング・オパリア― 伊野隆之

徳間文庫 2010/11/5

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 惑星オリビアは酸素に富んだ大気を有し、高緯度地域が一面の氷原で、中緯度から低緯度に掛けて分厚い有毒な雲に覆われ、そのうち低緯度に島のように高地群が点在する。雲の下の低地には天を突く巨木からなる森がある。高地と低地は数千mもの断崖で隔てられている。森には咲き誇る花がなく、多様な色彩で呼び寄せるべき鳥も昆虫も小動物もいない。森は自ら生み出す多様な化学物質のカクテルで会話をしている。一方、ギアナ高地のテーブルマウンテンのようにそびえ立つ高地には植生が一切なく、入植者が居住するドーム群が存在する。
そのオパリアで新型の森林熱症候群が発生し、患者が激増。オパリアの低地はアストラジェニック社が開発権を買い取っていた。その森の中で何か異変が進行していく。生態学者のシギーラは20年ぶりにこの惑星に降り立ち、森の中の異変を探ろうとする。一方、他の星系ではハイライザーと呼ばれる新型の覚醒剤の乱用が広がりはじめていた・・・。

(横浜研開架)

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