2016年1月11日月曜日

海底軍艦-海島冒険奇譚 押川春浪

青空文庫、1900年
http://www.aozora.gr.jp/cards/000077/files/1323_32089.html

欧米を漫遊していた主人公の柳川は、友人の妻子、春枝夫人と日出男少年とともにイタリアのネーブルス港から「弦月丸」で出航。インド洋で海賊「海蛇丸」に撃沈され、孤島に流れ着いた。その「朝日島」の秘密造船所では、櫻木重雄海軍大佐らの手で海底戦闘艇<電光艇>が建造されていた。いよいよ完成の時、大津波が押し寄せ、<電光艇>の動力源となる12種類の秘密薬品が失われた・・・。

 <電光艇>は長さ130フィート6インチ、幅22フィート7インチ、新式合成装甲板で覆われ、潜航深度30~50ft。6翼2軸の推進器で平均速力56 ノット、最大速力107ノット。12種類の薬品の調合による化学反応を動力源とする。魚形水雷(長さ2フィート3インチ、直径3インチ、41ノット、 1400ヤード)を1分間で78本発射する。

 ヴェルヌの「海底2万リーグ」や「ミステリアス・アイランド」の影響が伺われる作品。ライオン、ゴリラ、クジラを殺戮したり、「天皇陛下万歳」の三唱や「君が代」の斉唱など当時の世相が興味深い。

 =>日本初のSF小説・海底軍艦
=>海島冒険奇譚 海底軍艦電光艇(鋼鉄ドリルさんのアイアンドリル21Cより。ハインラインの「大宇宙の少年」も紹介されている)

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