2016年1月3日日曜日

祈りの海 グレッグ・イーガン

2000年 ハヤカワ文庫SF、短編集「祈りの海」収録

 ヒューゴー賞/ローカス賞受賞。 二万年前に惑星コブナントに移住し、「聖ベアトリス」を信奉する社会を築いた人類の子孫たち。そこで微小生物の研究を始めた敬虔な信者マーティンが知った真実とは? (短編集「祈りの海」カバー紹介より引用)

 異星に持ち込まれた文化が、異星の環境の下で変化し、生活や精神、肉体までも支配している。現在の社会の鏡になっていると同時に、複数の観点も持ち合わせている作品。ここでは、そのお題が海…という事になっています。(by sayalautさん)

 コヴナント星には陸に住む陸人と海上に住む海人がいる。この星の人類のセックスの仕方には驚き!この星に移住した人類の子孫たちは3千年以上をかけてコヴナント星の環境を創成し、新種の生物を作り出した。しかし、なぜだか不死を放棄し、星々に帰るために必要なテクノロジーを廃棄してしまっている。

 残された数少ないテクノロジーとして、海人はブリーダーの手で育てられた生きた船殻でできた家船に住んでいる。船殻の皮膚は分泌液で保護され、青い燐光を発する。環境創成後のコブナント星の海洋にはプランクトンの『ズーアイト』が大量に存在する。

(横浜研開架)

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