2016年1月3日日曜日

木星プロジェクト グレゴリー・ベンフォード

1975年

 木星を周回する木星天文生物軌道研究所(JABOL、通称<ブリキ缶>)では100人以上、うち子供30人が生活し、生命探索のため、探査機とバチスカーフを木星大気のアンモニア層の下の水蒸気の雲の奥深くに送り込む努力が続けられていた。<ブリキ缶>は第3惑星ガニメデと同じ軌道上、放射能帯の高エネルギー粒子が飛び交う中を周回しており、パンケーキ型の巨大なプラスチック袋に入った水で遮蔽されている。地球との間は原子力駆動のイオンロケット<アーゴシー号>と<ランデブー号>によって片道7ヶ月で結ばれている。核融合クルーザー<セイガン号>がガニメデから定期的に水を補給している。

 そこで暮らす17才の少年マット・ボウレスは、8才の時、地球を出発する前、厳しいいじめにあった心の傷を持つ。地球では経済的危機が進行し、国際宇宙局ISAはついにプロジェクト中止を決定する・・・。
 ガニメデでは濃い大気を作り出すため、巨大なキャタビラの付いた核融合炉が氷を溶かしながら時速100mで移動し続けている。

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