2016年1月3日日曜日

輝くもの アーサー C. クラーク

1964年 『太陽からの風』に収録

 スリランカ(セイロン島)東岸の良港トリンコマリーに熱水発電設備が建設されたが、発電所開設式の3週間前に発電停止の事故が起こる。水深3000フィートのトリンコ海淵に民間深海作業会社の作業用ミニ潜水艇<ロブスター>が潜ると、そこに据え付けられたグリッド電極はめちゃめちゃに叩き潰されていた。

 回収した電極を調べたところ熱電素子の一部が何者かに奪い去られていた。それを捜索するために再度潜航した<ロブスター>は、そこで長さ20フィートの発光するイカ2匹が、発光によって体表に図形を浮かび上がらせて会話していることを発見した。そこにはとてつもなく大きいイカが表示された・・・。

 揚水して低圧蒸気機関で発電する海洋温度差発電OTECとは異なり、これは<熱電>効果によるもの。地上側には濃い塩水の浅い池で底を黒くしているソーラーポンド(華氏200度まで温度が上昇する)を置いている。

(横浜研開架)

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