2016年1月12日火曜日

深海艇F7号の冒険 畑正憲

 角川書店 1977

 「海から来たチフス」/「ゼロの怪物ヌル」に次ぐ海洋モノ第2作目。
 乱獲によって漁業資源が急減した50年前,海洋資源庁が日本初の海洋牧場を開く。超音波遮断膜で囲んだ海洋牧場は今や日本だけで40カ所作られ,78種の有用魚類が増産されている。

  シーラカンス(1938年に世界で初めてマダガスカル沖で発見)が日本のある釣り場で次々と釣れる。漁船が帰港した時,謎の影に漁村が襲われる怪事件が発 生。古谷博士と二人の少年少女は,博士の開発した特殊潜水服と潜水艇<F7号>を駆って,シーラカンスの棲み家を探すとともに,怪事件の解明に挑む。

 <F7号>は新エンジンであるメタボリズムプレート-取り入れたプランクトンを分解してリン酸化合物とし電気に変える-を搭載。ロックアウトのための加圧室を持っている。
 海底人の進化と肺呼吸の秘密まで考えてある,ひと味違う作品。

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