2016年4月30日土曜日

神々の指紋 グラハム・ハンコック

翔泳社、上下巻 1996年

 地球科学あるいは古環境・考古学への関心を高めることに大いに貢献した作品。ところが、実はかなり悪質な本であるらしい。

 例えば「また死んだマンモスの胃の中から未消化のイトシャジン、キンポウゲ、スゲ、豆などが見つかっています。そのような植物は今のシベリアやアラスカでは育たないものです。」という記述があるが、イトシャジン、キンポウゲ、スゲ、豆は今のシベリアで育っている。

=>(行方不明)”「神々の指紋」-真実か?デタラメか?-”
=>”『神々の指紋』批判のページ
=>”「神々の指紋」の超真相
=>”神々の疑問
=>『神々の指紋』と『創世の守護神』の嘘を暴く

 このことをなぜ多くのマスコミ、評論家は見抜けなかったのだろうか? それはおそらく、古環境の専門家が読めば地球科学上の虚偽は分かっても考古学部分の真偽は分からず、他方、エジプト古文書の専門家が読めば考古学上の虚偽を見抜けても地球科学部分の真偽は分からなかったためではないだろうか。

 さて、この作品をフィクションとして読めば、これだけ壮大でスリリングなSFはないと思ったのだが、私の同僚のS氏は、SFとして読んでもなんら新しいアイデアがないと手厳しい。つまり、地軸移動、惑星直列にしろ、超科学モノの愛好者なら誰でも知っている内容ばかりだという。

DVDが横浜研視聴覚にあり

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