2016年4月28日木曜日

復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇 ナサニエル・フィルブリック

2000年 集英社2003

 1820年11月20日、捕鯨船<エセックス号>は太平洋の真ん中で体長24mの雄のマッコウクジラに2度体当たりされて沈没する。3隻のホエールボートに乗った20人の乗組員が過酷な漂流ののち、翌年2月18日に3人、同月23日に2人が南米沖で、4月9日に3人が無人島で救出されるまでのノンフィクション。
 本作品は<エセックス号>一等航海士オウエン・チェイスの手記、同船キャビンボーイのトマス・ニカーソンの体験記に基づいている。本事件はハーマン・メルヴィル「白鯨」の元になっており、ポーの「アーサー・ゴードン・ピムの物語」にも取り入れられている。

 クジラが捕鯨船を襲う事件は、本事件のほかにも1835年<ピュージー・ホール号>(全面撤退)、1836年<リディア号>(沈没)、その数年後<ツージェネラルズ号>(沈没)、1850年<ポカホンタス号>(損傷)、1851年<アン・アレクサンダー号>(沈没)がある。

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