2016年4月25日月曜日

悪魔のハンマー ラリー・ニーヴン ジェリー・パーネル

1977年 ハヤカワ文庫

 ハムナー・ブラウン彗星の衝突とその後の核の冬において、生存し続けるだけでなく、科学技術などの人類の資産を残す難しさと大切さを問う作品。

 彗星発見者で大金持ちのティモシー・ハムナー、鉛管設備会社の副支配人のアイリーン、TVプロデューサのハーヴェイ・ランドル、郵便配達人ハリー、上院議員で大牧場主のジェリソンと娘のモーリン、NASA/JPLの技術スタッフのダン・フォレスター、原子力発電所の技師長のバリー・プライスほか実に大勢の人間模様が書き込まれている。厳しくも希望を与えてくれる秀作。

 人類の祖先は容易に採取できる資源を利用して文明を築くことができた。高度の技術でしか資源を採取できなくなってしまった現代において、一度文明を失ってしまうと、それを再建するうえで高度の科学技術をどうやって残し、引き継いでいくかについて考えさせられる。

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