2016年4月30日土曜日

アクアポリスQ 津原泰水

朝日新聞社、2006.1

 海面上昇した日本。震災と大沈下で水没した都市Q市の沖合に浮かぶ巨大人工島”アクアポリス”を舞台とする陰陽モノ。

 ”アクアポリス”は5角形。数千のハイカーボン・ワイヤーが海底のアンカーに繋がっており、スーパーコンピュータが波を予見しながらワイヤーの張力を変化させることによって人工島の動揺を予見制御している。本土とはシーチューブで繋がれているが、荒天時は交通が遮断され、シータクシーを利用する。

 島内に映画館、プラネタリウム、植物園があり、交通網としてトラムラインとグライドラインがある。ひいらぎ区(小学校、海岸公園)、ふよう区、みもざ区(担任の村井先生が住んでいる)、よいまち区(タイチ、カンナの家がある)、いぬまき区の5区および人工島の中央の管制区に分かれている。
 向かいのQ市は、新繁華街、Q市立スーパー・サイエンス・スクール(SSS:トリプルズ、中高一貫校)、チャイナタウン、Q龍などがある。

 エンプティ空虚者、ペール希薄者、ルーラ憑依体(主君/支配者)、PP(人格希薄化、パーソナリティペーリング)、怪物化(モンスタレーション)、統治府、量子コンピュータArta-Computing Engine、牛鬼のメッセンジャー”濡女”

詳細

(登場人物)
・タイチ/立花太一:ひいらぎ区の小学校からSSSに進学。美術部所属。姉タエは保険福祉事務所に勤務。父は重化学工業会社のエンジニアで、空虚点の時に死亡。
・加土カンナ:タイチの幼馴染。父親が新聞記者。空虚後10年の牛鬼目撃後、イジメで引きこもりになる。
・サイト:エンプティ?
・J:女、建築設計、白髪、道摩法師の末裔で直系。アクアポリスの守護者で設計者、秦ハンナ。融合型のペール
・五桝目剛一:男、国土保安院地質学研究所長
・ジギー/鹿垣:Z、ズィー
・ナオト/中嶋尚人:タイチのSSSでの同級生。
・ジロ:
・サクラ/佐倉沙耶:タイチの美術部での後輩。高1、退学。
・タナカタカコ:喫茶あみんのウェイトレス。野球部キャプテンの弟を持つ。
(年表)
空虚前20年:大水没でQ市は陸地の4割を失う
空虚前19年:ハンナの設計によりアクアポリス着工
空虚前13年:Q市の復興事業が開始
空虚前12年:ハンナが投身自殺を図る。
空拠点:大きな隕石が地球に堕ちてきてどこかに消え、鴉や数種の昆虫が大量発生。モンスタレーションによって日本国内を妖怪変化が跋扈するようになり、多国籍軍が日本に派遣、日本政府に代わって統治府が日本を統治するようになる。科学の複数の分野で多数のパラダイム・シフトが生じる。
空虚後2年:ハンナが目覚め、殺傷事件を起こす。
空虚後3年:SSSの設立が相次ぐ
空虚後5年:モンスタレーションが急速に鎮まる。
空虚後10年:カンナ、牛鬼を目撃。タイチ12歳(小6)、サイトと会う
空虚後15年:タイチ17歳

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