2016年4月28日木曜日

生命の星・エウロパ 長沼 毅

NHKブックス2004年

 生命の起源・進化の研究ハンドブックと言ってよいぐらい、思う存分最新情報が書かれている。
 「代謝の多様性」・「呼吸の多様性」、「南極の地底湖」、「海中の酸化還元フロント」、「全地球凍結」、「パイライト仮説」、「細胞共生進化説」、「共通祖先LUCAは酸素を利用していた?」、「左手キラリティー」の問題など。
 呼吸・酸化・還元のことがまとまって解説されていて、疑問がすっきしりました。

 長沼さんというと造語の名人。本書でも生き生きとした造語がよい。
 「地球生物圏におけるコスモポリタン」(ハロモナスのこと)、「辺境生物圏」、「白筒紅華」(チューブワームのこと)、「深海のお花畑」、「暗黒の光合成」、「太陽を食べている」と「惑星地球を食べている」、「太陽教への背信者」、「マジックサーフェース」、「地底の海」、「Hox遺伝子の爆発」、「生命の渦」など。

 また長沼さんはSFファン、特にアーサー・C・クラークのファンであり、本書でも
アーサー・C・クラークの「2001年」、「2010年」、「2061年」、「3001年」
ジュール・ヴェルヌ「地底旅行」
映画「アルマゲドン」
久生十園「地底獣国」
スワニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」
林譲治「ウロボロスの波動」
が引用されているのが楽しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿