2016年5月4日水曜日

タイフーン諜叛海域 マーク・ジョーゼフ

1991年 文春文庫

 ソヴィエト連邦解体の前夜、バレンツ海に面するグレミハには地図にないタイフーン級ミサイル原潜6隻の基地<ゼンコの穴>(長さ半マイル,幅500フィート,高潮水位から天井まで100フィートの巨大洞窟)がある。このタイフーン級を設計・建造したのが主人公,スチェファン・グリゴリエヴィッチ・ゼンコ中将54才。その妻は34才の美人女医マルガリータという、まるで707Rの速水艦長と妻みゆきのようなもの。

 さて、北洋艦隊司令官イワン・ジェミノフ大将は海軍総司令官V・J・ヴァロチン元帥を説き伏せ、分離独立派(反連邦派)を排除し、軍事政権を樹立するために<白い星>作戦を娘婿のマラコフ大佐に命じる。マラコフ艦長率いるタイフーン級6番艦<ソヴィエツキー・ソユーズ号>は、<ゼンコの穴>を出発し、バレンツ海からゴルロ海峡を抜けて白海に向かう。グルジアの首都トビリシに核ミサイルSS-N-20を発射するために。ゼンコはジェミノフ、マラホフの蛮行を阻止するために<タイフン号>で<ソヴィエツキー・ソユーズ号>を追跡する。

 一方、ソ連側の動きを偵察するためにソ連領海に侵入した米ロサンジェルス級原潜<リノ号>は不可解な<タイフン号>の動きに戸惑う・・・。


詳細

・ソ連原潜タイフーン級:<ソヴィエツキー・ソユーズ号>(全長560フィート,全幅80フィート,水中排水量3万トン、艦長:ウラジーミル・マラコフ大佐、乗組員150人、20基のSS-N-20、政治士官アレクシー・セルゴフ大佐、総務長ヴァジム・ソロキン准尉28才、ミサイル長ミハイル・ミンスキー大尉23才、潜航長ノルドフ、新総務長プレシャルスキー准尉、チポフ水兵19才、総務長補佐ペーチャ・ブルガーコフ水兵20才)。

・同級<タイフン号>(艦長:スチェファン・グリゴリエヴィッチ・ゼンコ中将、政治士官サーシャ・クガリン、副機関長ボルズノフ、原子炉長ガンダノフ、潜航長ルジノフ)
・同級<ロージナ号>(乾ドック中)、<五月一日号>(副兵器長エヴゲニー・ジャリンスキー少尉、ニコライ、アレクサンドル)、<大祖国戦争号>、<レーニン号>(艦長エミール・ルビコフ大佐)
・アクラ(鮫)級<ミンスク号>(艦長ポリス・クズネツォフ)、<ゴーリキー号>(ロリンスキー艦長)
・ロサンジェルス級米原潜SSN-777<リノ号>(全長360フィート、”プルトニウム・ジャック”ガナー艦長39才、副長オーガスタス(ガス)・トラウト少佐、ソナー長マイク・モリソン最先任士官、ソナー員,ビリー・スチュアート,マイルズ・シャープ大尉、エディ・オコーネル中尉、運転長ウィリアムズ(ウィリー)・アダムズ兵曹長、電信室フレデリック・ウー一等兵曹、水雷長ダレル・ギャレット、デュータマン)

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