2016年5月3日火曜日

地を穿つ魔<タイタス・クロウ・サーガ> ブライアン・ラムレイ

1974年 創元推理文庫,2006/1/11
 クトゥルー神話のひとつであるが、このシリーズでは邪神に対抗しているところが特徴的。
 196X年5月17日、英国イングランド中央にあるレスターシャーの広大な産炭地域であるコールヴィルを群発地震が襲う。この地震は震源が南から北への直線に沿った異常なものであった。

 坑道の崩落があったハーデン炭坑の西部廃校内部を検分したレイモンド・ベンサム調査員は、新しい人工的な横穴がいくつもうがたれているのを発見した。直径は約8フィート、その壁は黒いタール状の物質が固まったもので、奇妙な図像が描かれていた。その先に数十本の洞穴が接続した直径50フィートほどの広さの場所で、天井まで達する巨大な石筍が林立し、床面には直径4インチほどの4個の岩屋真珠(ケイヴ・パール)があった。

 ケイブ・パールを密かに持ち帰ったベンサム。30年余りさかのぼる1933年、若き伝奇・怪奇小説家のポール・ウェンディー・スミスとその叔父で探検家・考古学者エイマリー・ウェンディー・スミス卿が奇怪な失踪を遂げる。ポールが残した文書は幻想小説の原稿とみなされたが、〈地を穿つもの〉と〈球〉考古学者エイマリーは『グ=ハーン断章』と呼ばれる古文書の解読に取り組み、伝説の都市グ=ハーンの廃墟を見つけるためアフリカ大陸にわたった。


詳細

 スペイン領モロッコのハウエン→6月初旬スペインのカラオラ,チンチョン,ロンダ→アジャン地方→8月仏エーヌ地方→南海岸のテンダーデン→イングランド北部のヨークシャー州のグール→ハッティンドンシャーのラムジー→ 稀代の隠秘学者タイタス・クロウは・・・。

ネス湖のネッシー:実在のプレシオザウルス

(邪神)

・旧神(エルダー・ゴッド):良性の神の一団。オリオン座に幽閉されつつ地球上の人類と邪悪なる神格群との闘争を監視し続けている。
・旧支配者(グレート・オールド・ワンズ):邪悪な神格群。天体間を流れる宇宙の川に幽閉されている。
・アザトース〈宇宙の中心で泡立つもの〉:旧支配者を統率(彼らを創造又は彼らの先祖)している盲目白痴の神。いやはての輝く不定形の原子の混沌。混沌の時空連続体に追放されている。ビッグバンのこと?
・ヨグ・ソトース〈全にして一,一にして全なるもの〉:すべての時間に存在しすべての空間に隣接する神。混沌の時空連続体に追放されている。
・ニャルラトホテブ〈伝えるもの〉:投獄をまぬがれて自由に動ける。〈旧るきものの大いなる使者〉。テレパシーのこと?
・クトゥルー〈深淵にひそむもの〉:太平洋海底の海底都市ルルイエの館に棲む/閉じ込められている。
・ハスター〈名状しがたきもの〉:星間時空の主元素にしてクトゥルーの半兄弟。カルコサのハリ湖に閉じ込められている。
・ショゴス/海棲(シー)ショゴス:クトゥルー眷属邪神群CCDの一種。グル=ホーから来る。
・シュブ-ニグラス〈千匹の仔を孕みし森の黒山羊〉:クトゥルー眷属邪神群の繁殖力の象徴
・〈深きものども〉:魚類型,原形質型,両生類型,亜人間型の総称。
・魚神ダゴン:〈深きものども〉の統率者,大いなるクトゥルーの盟友にして配下
・ティンダロスの猟犬
・イブ-ツトゥル:混沌の時空連続体に追放されている。
・ニョグタ
・ツァトグア:ヒューペルボレアの”眷属ども(クトーニアン)”の巣穴に封じ込められている。
・ロイガー
・ズハール
・シャッド-メル〈地を穿つもの/バロワーズ・ビニース〉:地下の失われた迷宮世界に落とされている。頭も眼もない蛸ともいうべき姿をした怪物。グ=ハーンに幽閉されていた。
・イタカ:北極地方の氷原の上空に閉じ込められている。〈雪のもの〉,〈風に乗りて歩むもの〉,ウィンディゴなどの異名を持つ。
・クトーニアン:
・ウボ・サスラ:
(ウィルマース財団)
・ウィンゲート・ピースリー教授:米マサチューセッツ州アーカム市にあるミスカトニック大学心理学担当。
・ロシター・マクドナルド:スコットランド西岸沖のヘブリディーズ諸島のストーノウェイで隠者生活を送っている風変わりな老翁。
・教母クォリー:ブリストル近郊のマーシュフィールドに住む怪しげな霊媒師の老女。
・バーナード・〈ボンゴ〉・ジョーダン:石油掘削船〈海精シーメイド〉号の監督
・ゴードン・フィンチ:英テレパス
・ウィリアムズ:テレパス
・ハンク・シルバーハット:米テレパス
・エドワード・エリス:テレパス
(迷宮世界)
・オクラホマ州の地底:クン=ヤンの青く輝く都ツァス,大洞窟ジン,赤く輝く都ヨス,暗黒の地ン=カイ
・オーストラリアのグレート・サンデー砂漠
・エチオピアのダナキル砂漠:モホール計画
・水草におおわれた都市イハ=ントレイ:大西洋岸沖合の〈悪魔の岩礁〉近海にある。

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