2016年5月2日月曜日

すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

1987年 2004年ハヤカワ文庫FT

 1987年世界幻想文学大賞を受賞。
 メキシコのユカタン半島の東海岸,マヤ族の文化が色濃く残る一方でリゾート化の波が押し寄せているキンタナ・ロー州が舞台。以下の3編から成る。いずれも現地に長期滞在している米国人の老人(漂着物収集家、物書き、少動物の行動心理学の専門家?、ダイビングを嗜む)を一人称として書かれている。

・「リリオスの浜に流れついたもの」:バハロス岬から50キロの灼熱の道のりを歩いてきた米国人の若者。デイモンでプールの設計をしている。その思い出話。北の岬、リリオスの海岸、完全な凪ぎ、満月の夜、マストに縛り付けられた女性が漂着しているところを助ける。しかしその人は美しい声と美しい顔の若い男性だった・・・。

・「水上スキーで永遠をめざした若者」:友人のドン・マヌエル船長の思い出話。エビ捕り漁船<アンヘリケ号>の船長。アウドマーロ・コーという純血マヤ族の優秀なダイバー。水上スキーでコスメル島から本土までの横断に挑戦する・・・。

・「デッド・リーフの彼方」:「私」より何歳か若いブリティッシュ・ホンジュラス/ベリーズ人の白人男性の4年前の思い出話。死滅したサンゴ礁”デッド・リーフ”には潮流によって大量のごみが集積していた・・・。

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