2016年5月1日日曜日

渺々-BYOU BYOU 小川隆章

講談社モーニングKCDXより第1巻 2001年

 「渺々」とは、はてしなく広がるさま。人間がほとんど登場せず、海洋生物たちは擬人化されてなくセリフも発しない。小川氏は末松正博氏のチーフアシスタント。第9回MANGA OPEN 優秀賞受賞作。この作品の凄さと、この種の作品が週刊誌に掲載されコミックス化されることに感動。

 第1話「跡を継ぐ者」:マッコウクジラのリーダーの孫娘として生まれた白い子。異なるものとして群から疎まれている。その群を襲うシャチ・・・。

 第2話「海を見つめるだけで」:メガニーニョ(大規模エルニーニョ)によって気流も海流も変化したガラパゴス諸島らしき島。海水温度の上昇で海藻が枯れ、魚達の消えた海、乾期にもかかわらず大量の雨に見舞われる陸。リクイグアナのテリトリーに入り込んだウミイグアナは・・・。

 第3話「もちつ・もたれつ」:相利共生のダボハゼとテッポウエビ。彼らの巣穴を狙うタコやウツボ・・・。

 第4話「  」:15年以上の月日をかけて総計2万キロの大航海を行うアオウミガメ・・・。

 第5話「失楽園」:泳ぎ続けなければ呼吸できないサメの中で、唯一自力でエラ呼吸できるシロワニ。戦いに傷付いた彼は沈船の中で小魚たちと・・・。

 第6話「はるかなる故郷」:海草にそっくりのタツノオトシゴ、リーフィー・シードラゴン。潮の動きによって故郷の藻場から離れてしまった彼ら・・・。

 第7話「生命を預けて」:貼り付いた宿主の食べ残しに依存するコバンザメ。年老いてきた宿主・・・。

0 件のコメント:

コメントを投稿