2016年1月2日土曜日

ゼウスの檻 上田早夕里

角川春樹事務所 2004年

 長編第2作目。木星とエウロパのラグランジュ点に浮かぶ宇宙ステーション<ジュピターI>が舞台。そこには遺伝子操作によって両方の性を持つこととなった人類、ラウンドが唯一住むことの許された特区がある。

 生命倫理の逸脱を糾弾するテロ・グループ<生命の器>が<ジュピターI>の襲撃を予告。火星から警備隊が急遽派遣される。侵入経路が限定される<ジュピターI>でテロリストを迎撃するのは容易と思われたが・・・。

 エウロパそのものは直接舞台とならないが、エウロパ生態系研究者が重要な役どころを果たす。
 両性を持つラウンド同士の性器がどう繋がるかについて、グレッグ・イーガンの「祈りの海」とも異なる方式。

(横浜研開架)

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