2016年5月3日火曜日

クラゲが飛んだ日 ブルース・スターリング ルーディ・ラッカー

1994年 ハヤカワ文庫『タクラマカン』に収録

 数学おたくのプログラマー兼水族館員のタグ・メソグリーアは、自宅の水槽に「ミズクラゲ」、吊り鐘型クラゲ、「ヤナギクラゲ」、毒キノコみたいな斑点のあるクラゲ、「クシクラゲ」(テノフォール)、「鉢クラゲ」ほかを飼っている。タグは、人工クラゲ・アルゴリズムと圧縮プラスチックのマイクロビーズ成形材をレーザービームで焼結することによって、ゼラチン質のロボットクラゲを開発することに成功する。

 一方、ベンチャー投資家のレヴェル・プランはテキサス州ディザリーの油田から滲み出る「ウルシュライム」(Urschleim)を持参してきた。彼はこれを地球内部深くからやってきた原初のスライムと信じている。このウルシュライムを空気で膨らますと、なんとタグの人工クラゲとそっくりの空気クラゲが生まれる。実はタグがレヴェルに送った人工クラゲがプールから地層内に染み出てしまった後、この空気クラゲが誕生するようになったのだ。
 2人は人工クラゲとウルシュライムによる空気クラゲで一儲けしようと企むが・・・。

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