2016年5月1日日曜日

海原の用心棒 秋山瑞人

SFマガジン2003.12

 アホウドリ作戦での戦闘で至近弾とウイルス兵器によってある一定深度以上は浮上できなくなった潜水艦。クルーたちが死亡後、世界中が大規模な天変地異に見舞われてからもAIが機能し続け、やがて岩鯨の血嵐(レッドレイン)となって伝説となった。

 ”金切り声”族(スクリーム・クライン)の末裔、42番群のクジラである疾眼(スピードアイ)がその伝説を語る。42番群は紅の海、呪力の海峡を抜けて笛吹きの内海に至り、再び紅の海に戻る回遊民。族の長は伊達男(ダッパダン)。スピードアイが眼を担当、潮寂(タイドミュート、雌)が頭脳を担当し、倹約家(スリフト)が耳と鼻を担当する。

 ある日、呪力の海峡で背見鯨の大量の死骸を発見。それは4頭の”岩鯨”の罠だった。彼らの放った水雷が百頭を越える42番群の大半を殺戮する。生き残った28頭の中から決死隊が結成され送られるが、スピードアイを残して全滅。その際にスピードアイは5頭目の”岩鯨”と遭遇する。傷の癒えぬままその岩鯨を探しに笛吹きの内海を彷徨うスピードアイ。そこで4頭の岩鯨に囲まれて絶対絶命となったところを5頭目の岩鯨が救う・・・。

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