2016年5月3日火曜日

メガロドン(MEG) スティーヴ・オルテン

1997年 角川書店 角川文庫

『メガロドン』という太古の巨大ザメがマリアナ海溝の熱水活動域から、海面に現れて人々を襲う小説。日本の海洋科学技術センター、<かいこう>などの名前がよく出てくる。ディズニーで映画化された? 海溝底での地殻変動を観測するUNIS(無人海底情報探査機)、浮力制御型海中グライダーである一人乗り深海潜水船<アビス・グライダー>が活躍する。また、メガロドン退治のため世界初の原潜<ノーチラス号>が再就役する。


 おかしな点がかなり散見される。
・マリアナ海溝底に熱水活動域があるというのは無理がある。アメリカ西海岸で拡大軸(東太平洋海膨)と北米プレートが衝突していることとの混同か? また、冷水層の下に温水層が安定的に存在し得るか?


・<かいこう>が「1993年に10,739mで壊滅」とある。もしかすると、最初の試験潜航時1994年3月に10,900m付近で発生したブラックアウト(failure)の誤訳? 本物の「かいこう」は、その後1995年3月に再挑戦して10,911.4mの潜航に成功しているが、物語の都合から失敗したままなのはやむを得ない。

・潜航深度6,000mのシークリフがマリアナ海溝で水深9,000mに潜ったのは変。また、その減圧せずに浮上したために2人が死亡とあるが、耐圧殻内は大気圧なので、減圧の必要はない。それとも、潜航深度を増やすために加圧したか・・・。

0 件のコメント:

コメントを投稿