2016年5月4日水曜日

原潜レッドスター浮上せよ 第三次世界大戦シリーズ リチャード・ヘンリックス

1987年 二見文庫

 ソ連アルファ級攻撃原潜の発展型最新鋭<レッドスター>は、GIUK(グリーンランド・アイスランド・英国)ギャップと呼ばれる狭い水域、水深1527フィートでNATOのSOSUS水中聴音機に撹乱装置を取り付け、ソ連潜水艦をザトウクジラと誤認するようにした。近くを哨戒中の米ロサンジェルス級原潜<インデペンデンス>艦長ノートンは不振な兆候を察知し、SOSUSラインに接続するもクジラの鳴き声を聞いただけだった。

 ソ連共産党書記長ロマノフは米国のスターウォーズ衛星プラットフォームの配備計画の進展に危機感を募らせ、潜水艦隊による先制攻撃<<大天使作戦>>を発動。<レッドスター>は最終戦争回避のため、接近中の<インデペンデンス>に接触することを決意する・・・。


詳細

 <レッドスター>:
全長260フィート、排水量4200トン、チタン合金、深度3000フィート超え、軽水冷却型原子炉、新開発の音波吸収装置を初めて装備。単なる吸音材料を貼り付けたものではなく、制御式で相手のアクティブ・ソーナーの探査音を吸収できるアクティブ方式。マニピュレータ2本。SSN16対戦魚雷(全長6フィート)、SSN20巡航ミサイル12基を搭載。

 <インデペンデンス>:
排水量6900トン、建造費4億9500万ドル。BQQ5ソーナー、MAD(磁気探知)装置、曳航ソーナー500フィートSURTASSカプセル(航空機の爆音を探知するAUSEXを含む)

 怪しげな箇所としては、通信装置が故障した<レッドスター>がマニピュレータでSOSUS水中聴音機を叩いてモールス信号で<インデペンデンス>に連絡するところ。
 海底ケーブルに繋がった水中聴音機の信号を海中の<インデペンデンス>が受信するのはなかなか難しいと思うが。
 さらに凄いのは、サリュート有人衛星からレーザーでこの信号を傍受し!、しかもこの信号は米国の受信センターには届いていないという。これも不思議。

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